まずはA代表。

先発11人入れ替えというマスコミの言い方。
その方が新聞が売れて、視聴率がとれるのだろうけれどフレッシュなのは昌子だけ。

香川トップ下でオフェンシブな選手が4枚の代償に守備的選手2枚という一応はバランスを考えた配置。
こういう組み合わせにしたときの問題は守備ラインとフォワードラインの間のスペースがこの組み合わせで埋まるのかというところになるはず。

で、上手くいっているようには見えないのだが、相手に戦術らしい戦術がないので上手くいってしまっている。

縦、縦と速い攻撃の徹底。
ここでハリルホジッチが成功して、今の日本に蔓延している行きすぎたポゼッションサッカーが修正されることを期待したい。

既にヨーロッパでは90分間プレスをかけ続けることが可能だとする監督があらわれている時代。
ポゼッションに特化した選手が揃わない限りバルサの理想は実現できないということをバルサ自身が証明している現在、日本の指導者には理想のサッカーを語るのではなく、目の前にいる子供を見ての指導をしてほしいものだ。

試合は選手層の差が結果に結びついて日本の大勝。

何点とってもポゼッションとか言っていたら、こういう勝ち方はできなかっただろう。
相手が弱かったとはいえ、ハリルホジッチの勝ちにこだわるリアリズムが感じられた試合でよかった。

続いて日本対マレーシアのオリンピック予選。

前半はべたびきの相手に苦しんだが、クロスからなんとか1点。

後半は攻め気を出してきた相手に対して漫然とした攻めを繰り返して逆にピンチになる場面も。
スペースができてきたのにこれといった工夫もなく同じことを繰り返す。マレーシアの守備の練習のようだ。

おまけにシュートが下手。サッカー覚えたての子供のように大振りをして、A代表の青山とは大違い。こんなどっこいしょシュートは今どきアジアのこのレベルでも通用しない。

このままだとオリンピック出場は厳しそうだ。
世代に素材がいないとも思えないのだが、良いサッカーをしよう、良い経験をしようと育てられたバルササッカー世代の集大成のような感じ。

A代表でも、監督が替わって縦に速くといわれているにもかかわらず、ブレーキをかけるようなトラップや切り返しをする選手が目につくので、まあ、世代交代はどうなるんだろうねと気になるわけだ。

ファーストタッチでスピードに乗れる、乗ろうとする選手がいない。

このあとに続く世代もポゼッションのためのトラップ、ポゼッションのためのパスを時間をかけて教わってきた選手ばかり。
柏の吉田達磨なんかユースの選手にトラップひとつで2時間かけて教えて悦に入っていたわけで、その指導者がトップの指導者だから、チームの攻撃がスピードに乗るのはブラジル人頼みになるのも当然と言えば当然。
柏に限らず、予算のあるチームはどこも良いサッカー症候群で、それにこだわる結果、あれっと思うようなチームがJ2落ちするのが今の日本。

ハリルホジッチのサッカーを見た後だけに、こういう輩があとからあとから育てられているのかと思うと少々暗澹とした気分になる。

タイムアップの笛の直前に攻め込んで、ここでも水嶋武蔵はニアに走り込まなかった。
チーム作りにプランがないのだろうし、選手に考える能力もないのだろう。

この試合に限ればクロスに対してつぶれにニアに飛び込む選手がいれば、それだけで3ゴールは生まれたはず。

手倉森が試合後のインタビューで笑っていられることが不思議、不思議。
自分なら恥じ入るような試合内容なのだが、、、

危なげない試合?
本気かね?