どうしても大津を生で見たかったので、試合終了前にアルウィンを飛び出して国立競技場まで。


土曜日に早起きして、そのまま日曜日の朝まで完徹だったから、松本までの行き帰りの電車の中で睡眠を取ったのだが、この強行軍はさすがに少々堪える歳になった(^_^;)


まずは大津が活躍してくれてよかった。
2試合連続ゴールで、これでスタメンに定着できるといいのだが…


向こうではほとんど試合に出ていないはずだが、それなりに進歩しているように見えるのがなにより。
スケールの大きさはより確かなものになって、筋肉の柔らかさと弾力を感じさせるステップ、ボールタッチは相変わらず。
臀部の筋肉はテレビで見たときに感じたように一回り増しているようだった。
以前から褒めていたが、このまま伸びて欲しい逸材。


五輪代表はチームとしては練られていない感じ。
まあ、仕方がない。

攻撃的ハーフの清武、原口をA代表に取られて、前主将のセンターハーフ山村が怪我で離脱。
中心選手がこれだけ外れれば別のチームになっても不思議でない。
関塚監督にしてみればハンディキャップゲームをやらされているようなもの。


だから、日本の特長になりつつある早いパス回しがたまにしか見られない。
最終予選をこなしながらチームが練られていくだろう。
そして、最終予選を突破したところでA代表組が戻ってくるとかオーバーエイジがどうしたこうしたとか色々あるのが五輪代表の常だから、これからも山あり谷ありか…


そういう苦労がありながらも勝ち進むことが重要。
上のステージに立たなければ見えてこないものが色々ある。


チームのシステムはおおまかに言えば、前線が横にコンパクト。
逆サイドのサイドハーフは攻撃でも守備でも常に絞る。

慎重な試合運びということか、サイドバックの上がりは様子を見ながらで片方のサイドだけしか上がらないことがほとんどだからラインはワイドを保つ。
だから、底辺が広い三角形のよくあるパターンになっている。


トップ、トップ下が左右のボールサイドに流れる。
両者が同時に流れることもしばしば。

そのときに空いたセンターのスペースは逆サイドのハーフかセンターハーフが埋めて中に入り込むのだが、逆サイドバックまで上がることはないから、中にひとが足りないシーンが起きやすい。
まあ、最終予選ともなればその慎重さは仕方がない。


ラインからサイドハーフ、そこから前線で流れてきているトップやトップ下、ラインから流れたトップやトップ下へのサイドバックからのロングという形を多く使うのだが、右サイドハーフ東のところは縦に切られて、そこから縦を使えないことがほとんど。

ここは大津のサイドよりも試合を通じて警戒が強いように感じた。


大津サイドも縦に切られるのだが、大津がタッチラインに張り付いていないことが多いからあと1mほどあまっている幅を有効に使えたり、張り付いていてもカットインをちらつかせながら外を使ったりと多彩。


ここのところが現代サッカーのゾーン守備を破るひとつのヒントだという話しをしたのは、もう10年以上前の話か…
サイドバックがオーバーラップではなくインナーラップしたり、サイドハーフがタッチライン沿い一杯に開かずにいて、さらにその外のスペースを使ったり、大昔なら教科書になく叱られていたことが今では新しい教科書になっている。

古典は古典として学んで、そこにあらたなものが書き加えられて時とともに古典となっていく、サッカーの進歩とはそういうことなのだと信じている。
だからサッカーの歴史を学ぶのは大事。


代表チームのように色々なチームから選手が集まっているとそこで使われている戦術の差、積み重ねの差が選手のポジショニングやプレーのやり方に表れているような気がするのだが、こじつけかな(笑)でも、なんとなく面白い。


試合はショートコーナーから先制したものの、相手の10番の個人能力で3人ぶっちぎられて同点に追いつかれたが、最後に大津のヘディングで突き放して貴重な勝ち点3。


大津ファンの若い女性が近くの席で絶叫していて、こちらも幸せな気分になれてよかったよかった(笑)


とはいえ、いつものことながら日本ではシリアの10番のような選手が育っていないことに憂いを感じた試合ではあった。


日本サッカーの現在はミッドフィールダー王国だ。
だが、中盤で試合を支配することができても、試合の勝負を決めるのはゴール前。


そこのところをもう一度日本の育成年代に当たるひとたちは確認する必要があるわけで、そのことは福岡の若いトップなどを見ていると全国で意識され始めているのだと感じるものの、成果が出るにはもう少し時間がかかるのだろうと感じた試合ではあった。


国立競技場のハーフタイムに大学サッカー部後輩と電話。
地区インカレの2回戦で敗退という報告だった。

相手チームの監督はいちはしのよみうり時代の教え子。

こちらは県リーグにも参加していない一方で、相手は九州リーグ一部だから、おそらくは2軍だろうが、それに0-4負けだったらしい。


まあ、相手が中身のあるサッカーをやってくれたはずだから、悪い試合にはならないはずで、良い経験ができたことだろう。

時間ができたら相手校監督に電話して試合の感想を聞いてみることにする。

試合後はその監督はさっさと帰ってしまったという話しだが、おそらくはギラヴァンツvsヴェルディを見に行ったのだろう。
ヴェルディ側ロッカールーム界隈が試合後に同窓会の雰囲気になったのではと思うわけだが、どうだったんだろうね…