4-4-2でも4-2-3-1でも大橋くんの動きをきっかけとした2列目の流動性があるときは山雅の攻撃は素晴らしい。


しかし、それがなくなるとFWが孤立し始めて、バイタルエリアを使えなくなる、続いてサイドも使えなくなるというのがいつもの流れ。

そこから試合の流れがオープンになれば地力の差が出るパターンもあるが、そうならないで負ける試合もある。
で、その流れをどうコントロールするかが大事なはずなんだが…


まずは前線にボールが収まらなくなるのだが、相手にセンターへのパスコース、あるいは縦へのパスコースを警戒されているという普通の基本的な問題が起きているのだが、それを克服するための工夫がほとんど見られない。

そういうのは簡単なことで、その対策はヨーロッパはもちろん、Jリーグでも、あるいは高校サッカーあたりでも最近は見られるわけだが、山雅では杓子定規な古典のままでそうではないらしい。

で、たとえばどうすればいいかは書かない(笑)


さらにコンディションがいつもながら悪い。
天皇杯のときのフレッシュな頑張りはどうしたのかという感じ。
まあ、メンバーが全然フレッシュじゃないけれど(笑)…ということは、天皇杯のメンバーのままだったらさらにひどかったのか???
いや、でも木島兄はよく動けていた…


試合開始からしばらくはいつも通りに相手守備陣を押しこむのだが、それを打破してゴールを積み重ねるほどの強さは持ち合わせていない。
その結果カウンターを受けるとハーフの守備に瑕疵があるから消耗が激しくなって運動量が急激に落ちる。
そうなるとトップが孤立するという悪循環から抜け出せない。


工夫はいくらでもあるはずだが、何かやろうとしているようには見えない。
選手同士で話しを積み重ねてはいるようだが、ここまでで限界だろう。


運動量が落ちたところで、サイドチェンジを多用し始めるのだが、相手が退いているところで、両サイドの選手に張るようにと指示を出しているように見えるので、サイドプレーヤーはマッチアップして見合ったままになっている。

当然のことながら、サイドチェンジしてもさほどの驚きは生まれない。

かといって、再び流動性のある状態には戻せない、戻らない。
あれが1試合続いたら、J2でもかなり上位に行ける、もしかするとJ1級なわけで、そんなことは無理。


とはいえ、相手の守備を広げるためにサイドチェンジをするのは攻撃の基本のひとつだが、立ち止まった選手から立ち止まった選手にボールをつないでも何も起こらないことも基本中の基本。
だが、山雅はそれを繰り返しているだけになってしまう。


時折、そこを強引にドリブルで打ち破ると観客席にどよめきが起きるが、それでゴールしようというのは図々しい。

素早くサイドチェンジして数的同数だったら勝負する。
それがセオリーだが、そうではなくて木島弟や船山の突破力でふたり、3人をやっつけるシーンがたまにあって、観客はそれで盛り上がる。
そして、失敗すればその選手に「あそこでボール取られちゃな」と言っているのが、今日の周囲のひとたちの反応。

確かに仰るようにパスを出しておけばボールロストはないわけだが、そうなるとどこで突破する?
選手の頭の中を考えると、その批判は正しくはあっても、何の解決策にもならない。
で、どうする?
おそらくはそのお客さんたちはそれなりの答えをもっているのだが、ベンチにはないように見えるところが問題の根源なのだろう。


話を戻せば、まあ、もっともJFLというのはそれが通じてしまうときも多々ある…
だとして、そのドリブラーが前を向いてボールをもてる状況を作れば相手にとって脅威となるのだが、その選手達がタッチライン沿いに張り付いたままが多くて、しっかりと間合いを詰められてしまい、相手に脅威を生むことは数少ない。


仙台側の視点で言えば、山雅は前半の途中からは古典的なセオリーに縛られたサッカーをやっているから驚きが生まれない。
ちょっとしたことで変わるのだが、選手同士ではなかなか難しいだろう。


別の視点ではこういうところは仙台の守備はごく普通にきちんとしているから、須藤あたりの守備と比べると一歩を詰めるかどうかという差がどれだけゲームに大きな影響を与えるかがよくわかる。


サイドチェンジされても、ひとりめ、ふたりめ、3人目と寄せが厳しくなっていくので山雅の打つ手はなくなる。
ふたりめ、3人目で須藤が出てきて、するりとサイドチェンジされてしまう山雅の守備組織とは大違いだ。