山雅のサポさんたちのブログを見ていると、前節までの試合は、たとえば同点に追いつかれたりすると、かなり動きが落ちていたらしい。


で、日曜日の試合でも同点に追いつかれたところで少々の不安を感じていたひとが多かったようだ。しかし、結果的にはそういうところが見られずに大勝したので、監督交代の効果はあったということなのだろうか。

ともあれ、いちはしとしては、そうか、これまではそんなに悪かったのか、という感じ。


書いたように日曜日の試合は怠惰なサッカーだと感じた。


怠惰というのは具体的なことを言えば、ラインでキープして逆サイドに展開するときに、ワイドのポジショニングがタッチラインから2m中に入っているとか、ひどいときには5m中に入っているとか、そういうことだ。
このあたりは去年の山雅はこんなことはなかったと記憶しているから何か理由があるのだろう。


何故、そうなるのかと考えれば、ひとつはセンターがこねるのでどうせボールは来ないだろうと「走りをサボる」というのはあると感じた。
サボるから出せない、出さないからサボるというチームとしての悪循環。子供でも大人でも起きることだが、それは選手の仕草や視線を見ていればわかることだ。


もうひとつは両ワイド(右の両サイドバックと左サイドバック)が松田が守備に戻れなくなった後のケアに気を取られているためかもしれないと勝手に推測している。


松田は守備でバランスを取ることに専念していたと試合後に言っていたようで、それはどこか(どこだか忘れたが)のネットの記事に書いてあった。


しかし、観客席から見る限りはバランスを取っていたのは松田ではなくて渡辺だと感じていた。

松田が攻めに出るとそのスペースを渡辺がカバーする。渡辺がいたスペースは木村がカバーするという仕組みになっているように見えた。

両サイドバックも前に見たゲームほどには攻め上がらないから、その分、松田が出て行きやすい。


左のサイドハーフ北村が前半の最初は高い位置に出ていたのでそれとコンビを作る感じでよかったが、後半になるとカウンターに対して戻れない松田のカバーに北村が走るようになって、そこらはベンチからの指示で修正されたように見えたが、そうなると松田のカバーは左サイドバックがしたり、わたなべがしたりになり、その状況が続くと前線のプレスがかからなくなる。


松田が守備でバランスを取ったと語るのは、FWのラインを追い越さなかったから、自分では気持ち的に控えてプレーしたというだけのことだと思う。


そういう発言になるということは、チームとして松田の攻め上がり=戻り遅れに対してどのように対処するか、この時点で明文化されていないということかもしれない。だとしても、そこは渡辺や木村、あるいは左のサイドバックやハーフに対しては考えろと伝えてあるようには感じられる。


まあ、それはそうだとしてもワイドの選手はマイボールになってラインチェンジが始まったときにダッシュでタッチライン沿いに向かうのが普通なのに、後半の途中からなどはその場でたたずんでいることがほとんどなのはいただけないと感じた。


もしかするとチーム戦術として、昔の甲府のように片サイドにボールを所謂「クローズする」意図があるのかもしれないとも考えたが、だとしても、それはそれで上手くいっているとも思えないから感心しなかった。


須藤が左サイドから得意のロングをたまに出すのだが、サイドチェンジで相手の守備陣を振りまわしていないから、さして脅威にならない。
山雅のパスがラインで4,5本つながっても相手の選手たちは5mも走らないで済むようなそんなポゼッションとは言えないポゼッションをしていたわけで、グラウンドを広く使っていないダメさ加減があらわれていると感じた。


いちはしとしては大学サッカーの底辺レベルであるSW大学の選手が50cmとか1mとかだけ中に入っているだけで、大声で叱責して指導していたのがつい先週の話し。
それと比較しては失礼なのだが、失礼とは思えないほどに規律に乏しいと感じた。


当たり前だが、柏や横浜FMではあり得ない。
書いておけば、J1レベルでここに問題が起きるとすればタッチラインを踏むように上下動する中での微妙な高さの問題。
その駆け引きのなかで詰まってしまうことはあっても、パスの受け手がタッチラインを大きく(50cmとか1mとか)離れてしまうことは「普通は」あってはいけない。
だから、弱小大学の指導でもタッチラインからふらふらと離れる選手を叱責する。
当たり前の話しのはずだが、この試合の山雅では当たり前ではなかった。
もちろん、その議論の中ではパスコースを作るためにサイドの選手があえて中に入り込むのは別問題なので、念のため。


話を日曜日の試合に戻せば、しかし、それ以前はこれ以下だったというのはよほど深刻だったのだろう。
想像することすらできない。


負けが込むとメンタルの悪循環はひどくなる一方なので、この大勝が良い方向に向かうきっかけになると思いたい。


メンタル面がアップして、動きがよくなると連動性も確保できるだろうし、詰めたくとも詰められなかったディテールもしっかりしてくるのはどのレベルでもよくある話。ここで取り上げた問題点などはあっさりと解消されるはず。


何にせよ、公式戦では勝つことが大事。
勝ちながらチームを修正できれば、それが一番いいに決まっている。