試合は立ち上がりからつなぎあい。


キックオフ直後と、セットプレーのときのロングボールがあるだけで、あとは互いに意地の張り合いと思えるような徹底したつなぎ。


押し込まれている北九州は味方ペナでも横パスを2本つないでサイドチェンジ。


面白いといえば、面白い。


去年は勝ち点がほとんどあげられないチームだったのが、今年はそれなりに戦っているわけで、ここまでの試合を見ていないのでよくは知らないが、このサッカーで勝ち点を上げてきたのだろうか、だとしたらたいしたものだ。

で、延々とショートパスのつなぎあい。


東京Vは押し気味に試合を進めるが、ペナの近所まで行ってもそこからいい形は作れない。


北九州は押しこまれているものの時々ハーフラインを越えて手薄になったヴェルディ守備陣を突いてペナまで入り込むという試合。
しかし、北九州の攻撃が次第にハーフラインを越さなくなると、試合は次第に停滞して動きが少なくなって互いにつなぐだけのゲームになってしまう。


もともと少ない観衆で、あとで3000人程度と発表されたのだが、少年チームできている子供たちはプレステやDSを始めてしまうし、付き添いできているお母さんたちは居眠りを始めてしまった。

まあ、それはそうだよね。


いいサッカーを目指してはいるのだろうが、互いにつないでいるだけのサッカー。
崩しがない、つなぐサッカーの悪い見本がここにあるのだから、飽きてしまって見なくなるひとの方が正しい。


北九州は低い位置だが、ヴェルディはたまにそこにプレスにいくものの深追いはしない。

ヴェルディは押しこんでハーフライン付近を起点につないで組み立てるがペナの角までたどり着いたらボールを奪われるの繰り返し。
どちらもシュートシーンまでたどり着けずに面白くもおかしくもない時間が延々と続く。


だから、いいサッカーをやりたいことはわかったが、お金をとれる試合とはとても思えないんだけどって、自分はお金を払っていないが…


こういうときにもゴール裏から単調にコールを続けるサポーターたちは本当にサッカーを見ているのだろうか?
コーラーとか呼ばれる奴はグラウンドに背を向けているわけで、なんか笑うしかない。
前半終了時に両チームのサポーターともブーイングをするのが正しいと思うのだが、違うのかね。


で、ハーフタイム。

両チームともどのような手を打ってくるかと見ていると北九州が動いて、センターフォワード長野を下げて、レオナルド、池元、安田の3トップとした。
で、試合が動いてくるかと思ったのだが、なんと後半3分に退場者がヴェルディに出て10人対11人に。


これで北九州が有利になるかと思ったのだが、ならないで大量失点で負けるという意外な展開になってしまった。


簡単に言えば、11人なって押しこむ形が増えた北九州だが、カウンターを受けると実はセンターバックと守備ハーフ(センターハーフ)の3枚がかなり1対1の対応が弱いということが露呈してしまい、相手のフォワードに振り切られてボロボロというのがおおまかな流れ。


この試合を偵察していれば、北九州に勝つのはたやすいという話になる。
退いて守ってカウンターを仕掛ければあとは1対1でトップの選手の脚力任せ。
そのリトリートして守るのを汚いとかいう価値観のひとにはできないだろうが、いちはしならあっさりとそうする。

J2の方が内容よりも勝ちにこだわるわけで、やりたいサッカーがあるのであれば、勝ってから上でやれというのが普通の大人の考えだ。

が、しかし、この両チームの監督はよみうり出身らしくと言っていいかどうか分からないが、中身にこだわっている。


最初の失点こそクリアミスがゴールに入った不運なものだが、それ以降はカウンターで振り向いてスピードに乗られるとピンチになるという形の連続。
そのうち何回かであっさりとシュートまで持ち込まれて大量失点をした。


11人となったアドバンテージをどこでどう活かすか。
この脆い守備陣ではかなり選択肢が乏しいのだろうが、何か手を打ちたかったところだ。


どこでボールロストするのか、どのようにボールロストするのか、これだけ脆い守備を抱えているとそれが問題なのだが、そこを攻撃力で解消しようとするのがこういう形のサッカーでの腕の見せ所だろう。

しかし、ビハインドを背負ってからは高さのあるトップを入れてそこに放り込んだりもして、その結果、簡単にはね返されてしまうのでボールロストする場所が相手の守備陣よりも味方の守備陣にとってつらい場所になってしまうことが度々あった。

ラインの距離は次第に開いていき、チームとして機能しなくなり、ひとり多いことも活かせなくなった。

なにか他に打つ手がなかったのかと思うのだが、北九州の控えの選手を知らないのでわからない。


遠路はるばる来たサポーターにとっては残念な試合だったろうが試合終了時に拍手をしていたのは去年がもっとひどかったからだろう。

とはいえ、北九州がこういうサッカーをやり続けるということはスタッフはもっと高いところを見ているのだろうからそれは救いにはならないと思える。


北九州の安田はガンバの出身。かなりのレベルの選手でJ1でもどこかのチームでやれるはずで、このチームでは別次元。
彼とブラジル人レオナルド、池元を核に打開していくしかないのだろうが、まあ、この試合しか見ていないので、よくはわからない。