クラシコ4連戦の第3戦。


第1戦、第2戦と感想を書いたのだが、なんだかんだと通常の生活を送れなかったのでそのままアップしないでいるうちに時間が経ってしまった。
なかでグラルディオラのことをバルサ原理主義と書いたのだが、同じ台詞をフットボリスタで見つけて、ますますアップする気が失せてしまって、さて、まあ、連休中にでも処理をするかという感じ。


前の2試合はWOWOWの放送だったので見られたのだが、第3戦はスカパー!なので、マンション改修工事のために見られない。


友だちに録画をお願いしたのだが、この試合だけは生で見たいのでUEFA.COMのサイトからストリーミングで見ることにした。


UEFA.COMで見られるのは生放送のみ。再放送はダイジェスト版だけ。スカパー!で有料放送されていることへの配慮なのだろう。

生放送は1試合80ユーロという高値で、ぼったくりと思うが仕方がない。ちなみに、1年間のシーズンパスは300ユーロ。なんだかなあという値付けである。
会員登録をしていたつもりだったのだが、それはスマホだけだったようで、登録し直しているうちに試合は始まっていた。


レアルが高い位置でプレッシングをかけているシーンから見たが、それが立ち上がりから続いていたのかどうか分からない。
そして、その開始間もないであろうそのシーンを最後にレアルが高い位置でプレスをかけるシーンはほとんど見られなくなった。

あとから考えるに、レアルはホームの第1戦とはいえ引き分けでも十分という考え方で臨んでいたのではと推測する。180分を1試合として考えていたのかもしれない。


いつものバルサの試合だが、違うのはパスワークだけではレアルはほとんど崩されないということ。
ボールを奪われないポゼッションは見事だが、ドリブルでふたり、3人と引き付けないと相手の守備組織は崩れない。

もっとも、そういう守備に対して相手が嫌になるまでボールを回せというのがバルセロナの哲学らしいから、それはそれでいいということなのだろう。


しかし、書いておけば、相手が嫌になる=相手が飽きるまでとも書かれていることがあるこの攻撃。正直、敵だけでなく、見ているお客も飽きると思うのはいちはしだけなのだろうか。


抑揚があるのはトップの3人がドリブルを始めたときだけ。それもメッシのドリブルでないとなかなか通用しない。
イニエスタがいればハーフからもドリブルで仕掛けられるのだが、ずいぶんと面白みが違う。

しかし、それがないと選択肢はかなり狭く見えて、つまりは次に起きることが全部読めてしまう。それでは面白いはずもないと感じるのだが、まあ、そうでない人が多いのだろうね。

そういうのは技術原理主義とでも言ったらいいのだろうか、サッカーは駆け引きであるということを忘れてしまっているひとたちだと思うのだが…


ちなみにシャビだってドリブルはするようなことを指摘されたことがあるが、それって敵が疲れてスペースができてきた試合の終盤になってからがほとんどだと感じているのだけど違う?


で、まあ、ここ何回かのクラシコと同じようにぺぺの退場でまたしてもレアルは10人になり、そこからはスペースができて、やりたい放題という感じになってしまった。

いちはし的にはますます、つまらない。


モウリーニョは「バルサと10人で戦うのはもうたくさんだ」と最近も語っていたが、それを見せられる方ももうたくさんだ。

彼は素晴らしい監督だと確信するのだが、主審や相手チームの監督との駆け引きが多すぎる。そのこと自体も飽きてきた。
試合が盛り上がるというのはいいことかもしれないが、それ以上に荒れる要素になっているような気がする。そして、荒れた試合の中で目立つラフプレーをすればカードを出される。

正義のバルサもしくは相手チームvs悪のレアルもしくはモウリーニョチームというようなイメージになっていてどうかと思う。


実際、メッシがアルベロアだかアルビオルだかにひどく遅れてヘディングで競りかけにいったときなど、まったくボールを見ていないわけで、レッドカードでもいいようなひどいチャージだと見えたのだが、イエローにさえならない。
よく見てもらいたいのだが、いつもそうだがメッシが小柄なので相手のダメージが少ないだけで、もしも大柄な選手が同じことをやっていたら大怪我をする可能性もあるプレーだったと思う。
ちなみにこのプレーはメッシがよくやるお得意のプレーだ。
しかし、こういうことをしてもメッシには悪気がなさそうに見えることがジャッジに大きく作用していると思えるわけで、そこをモウリーニョはなんだかんだ言っているのだろうが、ますます心証を悪くするだけに見えるのだが気のせいか。


で、アフェライのクロスにメッシがあわせて先制点。
まるで遊びのボール回し(ロンド)でパスコースをカットするようなやり方のマルセロの怠慢なプレーからあっさりと縦に突破されて、メッシがピンポイントであわせてのゴール。


ぺぺがいたらゴールは生まれていなかっただろう。
メッシに体を寄せて重さで自由を奪っていたか、それともマルセロがアフェライを内に切り込ませてぺぺが止めていたか、何らかの対応ができたと考える。


続けて、メッシのドリブルシュートから追加点。中盤からの長いドリブルで4人はちぎっただろうか、これもぺぺがいたら早めに止めていただろう。

これは今年のチャンピオンズリーグにおいて記憶に残るべきスーパープレイだと思えるわけだが、それまでのクラシコでメッシぺぺの守備力におさえ込まれていたのを見ているから、ぺぺを突破してこういうプレーを見せて欲しかったと思ってしまう。


完全にボール支配されていたレアルだが、それまでは崩されたシーンといえばシャビのシュートぐらい。
要はバルサがいくらボールを回してもドリブル突破に対する対応さえ誤らなければ失点を最小におさえられることを示しているわけで、そこはモウリーニョのチーム構成力の確かさだと感じる。


バルサはバルサのサッカーをやった。

対するモウリーニョレアルはバルサのサッカーに対する守備の可能性を示した。

そういう意味で面白い試合ではあったが、現時点での到達点では遙かにバルサの方が上であることを示した試合とも言える。

そのなかでパサーかドリブラーかと言われれば、しっかりした守備を崩せるのはドリブラーであって、1対1を突破できる能力のある選手が狙ってパスを出せるから脅威となるのだということを確認しておきたい。
そして逆にそのドリブラーを止められる守備者は非常に価値ある存在ということになる。


それとは別にドリブラーどうこう言う以前にアフェライに対する準備不足。
その後のシーンでアフェライが縦にまったく突破できなくなったことを見れば、最初から警戒していればマルセロひとりで対応しても先制点は生まれなかったはず。明らかにアフェライを馬鹿にしていたんだろうね。
そして、ここがマイコンだったら、あるいはセルヒオ・ラモスだったらとモウリーニョが考えていると思うのは気のせいだろうか。


いずれにせよ、折り返しの第2戦。バルセロナから2ゴールを奪うために攻めに出ればカウンターでより多く失点する可能性が増えるので、勝てる可能性は限りなく少なくなった。しかも、ぺぺとセルヒオ・ラモスが出場できない。


さすがのモウリーニョもギブアップだろう。
そして、そうなれば来シーズンの去就が騒がれ始めるに違いない。

このメンバーでこのサッカーでバルサに勝てないとして、どういう補強が必要かという話だが、ファイナンシャルフェアプレーの影響で補強は簡単ではないだろう。


ちなみに、UEFA.COMのライブストリーミングを初めて見たのだが、解説はなく、アナウンサーが英語でプレーを追っているだけというシンプルなのが非常にいい。
それはいいとして、試合終了後にあっという間に終了してしまった。
試合開始のときもキックオフからだったのだろうか、ハイライトシーンがあると思って、コーヒーを淹れていたら気づいたら終わっていて、味も素っ気もない。

しかも、もう一度プレイバックして見ることはできない。あとはリプレイでということなんだろうか、だとするとどんだけぼったくりなの。解像度もアナログでPCで見る分にはこんなものかという感じだが、大画面テレビにHDMIでつなぐと慣れるまでがしんどい。
まあ、友だちが送ってくれるDVDを待つしかない。はやく、マンション改修工事が終わって欲しいものだ。