後半からエジルに替えてL・ディアラの投入。モウリーニョにしてみればこんなことなら前半からそうしていれば良かったということだろう。0-2ビハインドでこの交代は後手に回っているとしか思えない。3ボランチでL・ディアラが主に左サイドを見ている。


レアルの選手は後半に入ってライン裏を長めのボールで狙うが、浮かすパスが下手で通らない。

54分、そこからカウンターでビジャのゴール。オフサイドくさいがメッシをフリーにしたL・ディアラが悪い。守備固めで入ったのに意味がない。3-0。
レアルは色々な意味で完全に後手に回ってしまっている。


57分、メッシのスルーパスからビジャの2点目。4-0。


両チームの選手には力の差がないという解説だが、力の差はある。

オフサイドにならないボールの受け方、ワイドで受けるときの開き方、ボールを受けるスキルとパスアンドゴーのスキルに大きな差がある。
それは選手の能力ではないという言い方もできるだろうが、差があることは確か。

トラップやキックと同じようにポジショニングやランニングも大事なスキルのひとつだ。


さらには、個々の選手プラスグループでの守備力の差。レアルの選手は全体にボールへの寄せが甘い。グループでの守備の差はチームの成熟度の差とも言えるが、これまでもカウンター主体で弱いチームに勝ってきていたぎこちなさがそのまま出た感じ。そして守備で効くFWがいないとバルサのチキタカを抑えるのは難しいと言うこと。

サポートの距離感というがそうではなくて、パスアンドゴーとさらにはアングルの問題だと見る。


75分、ビジャに替えてボージャン。
86分、ジェフレンとケイタ。シャビとペドロがアウト。
余裕の交代。


今のレアルのダメなところと、今のバルサの良いところが出たゲーム。バルサはここ最近のいつも通りのサッカーをしているだけ。レアルはどこかおかしい。


90分、ジェフレンが5点目。セルヒオ・ラモスの戻りが遅れた。


92分、セルヒオ・ラモスがメッシを蹴って一発退場。

ベンチからこのプレーにクレームに行ったシャビにもイエローだが、解説は見ていないで、アナウンサーの問いかけにわけわからん状態。プレーが止まっているのにどこを見ていたのやら、なんだかなあ。ここまで見ていないとどうかとも思う。


内容も結果もバルセロナが圧倒。


レアルはモウリーニョが来年の4月までにどう立て直すか、興味深い。


バルサの今日のサッカーはひとつの手本にはなる。

サイドからえぐってのクロスの破壊力は凄い。これは誰でもが知っている。


日本では重視されないが、スルーパス+ダイアゴナルランの威力はそれどと同じくらいに凄いということを理解しないとならない。

ファーストランナーがダイアゴナルランで空けたスペースをセカンドランナーが使うという教科書通りの突破を何回もやっていた。

パスアンドゴーの質、グループでのサポートの仕組み、ローカルでのオートマティズムなどチームの熟成度が全然違う。

個々の選手のスキルでは右左とボールを動かしながら前に出てくるダブルタッチ、つまり、縦に切り込むと見せて交わしていくパターンのドリブルが身についている。
パスも同じ。縦と見せかけて横へのつなぎ。そして、ドリブルでもパスでも横をおさえに来れば縦に出る。だから、縦も横もふさがないとダメなのだが、今日のレアルにはそれができていなかった。


簡単なスキルの積み重ねでこれだけのコンビネーションができるのはクライフ時代から何十年もかけて練り上げてきたもので他のチームが真似ても一朝一夕にできるものではない。

バルサのサッカーが良いサッカーだからと言って、それを真似しようとするチームは多い。

しかし、不用意に攻撃的に振る舞えば叩きつぶされる。それが、今日のレアルだろう。

だとして、モウリーニョが次回の対戦でどう出るのか、非常に興味深い。

ここからレアル・マドリードは厳しい対戦相手が続く。これまで通りにローテーションなしで乗り切るのか、注目したい。


次戦のレアルの先発はたいへんに興味深い。