そのFKのリスタートのシーンが象徴しているもうひとつの問題点はマンツーマンマークをやっているとどうしても起きてしまうのだが、空いたスペースのリスク管理という問題がある。
マンマークをした結果として空いてしまったスペースをどう埋めるか?
トーナメントの戦いならば相手は偵察してくるから必ずそこをついてくるチームが現れる。
もちろんゾーン守備をしていても似たようなことは起きるのだが、マンマーク守備ではよりはっきりと起きやすい。
そこで常にスペース管理をやろうとすれば最終的には3バックは5バックになってしまう。それはそれでたとえばクイックスタートに対応するためには瞬間的に全員がさっと下がってスペースを埋めて5バックどころか6バックでも7バックでも構わないわけだ。
ただし、その5バック状態から攻撃に転じたときに次々と攻撃参加して上がっていかないと相手に主導権を握られたままになる。
攻撃参加したこちらの選手に相手がついて戻ってこなくて、逆にそこからカウンターをされてしまうという話を聞いた。そういう困った状況が起きてくることがあるわけだが、まあ、レベルが低い話だよね。
相手が守備をサボっていたらその分攻撃で数的優位が生まれていないとならないわけで、それを利用して攻めれば、サボっている相手はそのチームメートから叱責されて戻らざるを得なくなるはずで、そういう状況を作ることが第一。
もうひとつは、そう上手くできないとすれば、順にスライドしてマークを受け渡してボールのあるサイドにこちらの選手を集める。主にはハーフの選手のスキルになる。足りなければ逆サイドのトップが下がる。
ボールサイドにひとを集めるというのは実のところ現代サッカーの基本戦術であるプレッシングの全てだ。
どんなレベルでも相手チームも多かれ少なかれプレッシングをしてきているのだから、ボールサイドにスライドしてひとの密度を高めておけばいきなり決定的な形を作られることはまずあり得ない。
だから、まずはそういった形でリスク管理することになれておくのが大事だ。