２冊続けて、佐藤初女さんの著書を読みました。
以前にも、この方の書かれたものを読ませて頂いたことが
ありますが、なんでだか今は同じ言葉であっても
じわん、、、と心のヒダに浸みこむというか
胸がぽかぽかしてきて
とても平易で淡々とした語り言葉の連なりの奥に
秘められた心根の清々しさに
涙が出てきてしまいます。
本ってふしぎ。
読み手の気持ちが、本人も知らないうちに変化してるってことを
語らずとも、そっと知らせてくれる。
敬虔なクリスチャンでいらっしゃる初女さん。
だけど、その「祈り」は教会の祭壇の前で
じっと静かに捧げられるものとは、かなり様相が異なっておられる。
日々の暮らしにおいて
自らの手と足を使い、与えられた仕事をいっしょけんめいに
自分の出来ることをコツコツと、感謝しながら行うこと。
それが「動の祈り」に繋がるのだと思います。。。
と、初女さんは常に語っていらっしゃいます。
なるほど。
今、出来るコトを自分を出し惜しみせずにやっていけば
何かしらのお役に立っているかもしれない。
そういうコトが嬉しい、と感じられるのであるならば
その思いが「祈り」に通じるのかもしれません。
初女さんの主宰される「森のイスキア」には
実に様々な方々が訪れて、お話を聞いてもらったり
おいしいお料理を一緒に食べて行かれるそうです。
各界の著名人も、たくさんいらっしゃるそうですが
その中のお一人に、女優の大竹しのぶさんのお名前も上がっていて
初女さんにとって「忘れられない思い出」のひとつとして
エピソードが語られておりました。
しのぶさんはカトリックの信者なのですが
ほんとうに忙しくて、静かに祈ることができなくて
苦しんでいらっしゃる、とお話をされました。
なので私は
聖書のマルタとマリアの箇所を思い出して
キリストの話をそばで聞くマリアも、
そばでおもてなしをするマルタも気持ちも変わらない。
その調和がとれていなければ本物ではないし、
調和がとれていれば、すべてが自然にいく。
だから、「今できることで精いっぱいに働くことが祈りになるんです。
何か、お役にたっていればいいのですよ。」と
お話ししたら、とても安心してお帰りになりました。
その１週間後、東京で大竹さんのコンサートがあり、
うちのスタッフはみんなで行ったんですよ。
わたしは家でお留守番してたの。
そしたら、コンサートの始まる最初に
大竹さんはその話をなさったそうです。
東日本大震災が起きた
しばらく後の出来ごとだったのでしょうか。
２０１１年３月１１日、この日は地元の青森にいらした初女さんですが
翌日、北海道の十勝で講演をする予定であったそうな。
主催者の方は、初女さんが来られないと思い
その予定をとりやめてしまったのだけれど、
初女さんはそのまんま、十勝に行かれたものだから
現地の人が大変に驚かれたんだとか。
わからないことを考えると、心が混雑してしまいます。
今のことができなければ、次のこともできません。
結果が「○」でも「×」でもいいわけですから
今与えられたことを、一生懸命にやりたいと思いました。
結果はついてくるものですし
その結果がどこでどういう形であらわれてくるかは
こちらにはわからないわけですから。
「まずは、目の前のことを精いっぱいやっていきましょう」と
お話ししてきました。
「今は、これが事実としてここに出ているので、これはもう仕方のない
ことだから、これを受けとめて、これからいいものにするためには
どうしたらいいのか、そのことを考えるのが
わたしたちの務めではないか。」と。
この日、たしかまさやん達もツアー中で
北海道の別海町のライヴを、地元でずっと準備して待っててくれた
お客さんやスタッフのために、開催に踏み切ったんだったなあ。。。
彼らも初女さんのように
「今、目の前にあることを出来る限り精一杯やり抜こう」と
理屈はともかく、言葉よりも先に身体が動いていたのでしょうか。
そんなコトがふっと、アタマに浮かんだのでした。
「透明」という文字が、
初女さんのご本にはひんぱんに出てきます。
「凛として生きる」って、最近よく聞かれる言葉だけれど
御年９４歳になられてもいまだ、多くの方々のために
お料理を作ってもてなし、お話を聞き続けておられて
尚のこと、穏やかに気高くそこに在る、というのは
並大抵の生き方ではございませんわん。
「日本のマザー・テレサ」が語る言葉を
慈雨の如くに、受けとめてみられてはいかがかな～～
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