自分探しの旅

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神戸のライヴMCが、山崎ファンの間でちょいと話題になっているみたいです。

そうそう、

彼はこんなことも言っておられました。

「思いつきで喋っとりますが~~」と

ことわりを入れながら



活動休止とかされる人もいたり、また

「自分探しの旅」って言うて、どっかに出かけてしまう人もいるでしょうが

キホン、ボクは自分を探しながらやってますから。


バンドであれば、解散!なんてこともあるけれど

ボクはソロですからねえ。

休む、ってことになれば「骨折」ぐらいでしょうか。



これからはホント、健康が第一ですよ。お互いに。

ボチボチ、ボチボチやり続けていこうと思います。




まあ、そんな風に今のご自分の「抱負」を

語ってくれたんですわ。

肩のチカラを入れることなく、いつもどおりに等身大の言葉で。

決して大げさに、大言壮語するでなく

どっしりと地に足をつけて、一歩一歩進んできた人ならではの

含蓄を感じることができた。





まさやんの言った「自分探しの旅」って言葉。

つい先日読んだ本の中でも、それについて書かれてありまして

なんとなく記憶に残ってます。



疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫)/角川書店
¥555
Amazon.co.jp


この本の中に「ほんとうの自分」という作り話、って章があります。





ときどき、テレビドラマで聞く「ほんとうに自分を取り戻したいんだ」と

いう言葉。

これはどういうことなのか。

ほんとうの自分探しって、いったい何の話でしょう。



あなたのお父さんが亡くなったとします。



お葬式やあれこれの始末も終わったあと、

ある晩ふと「私の父は、本当はどんな人だったのか?」という疑問が

あなたに浮かんだとします。


「父のことを、ホントに知ってたのだろうか?

自分が生まれる前の父、少年時代の父、結婚する前の父、

会社に行き、どんな仕事をし、どんな失敗をし、

どんな僚友と働いていたのか?

自分の知らない父は、どんな生活を持っていたのだろうか」


そう考えているうちに、

あなたは「ほんとうの父」を知らなかったコトに

気付きます。



そして、どうするのか。


まず、父の親戚や旧友は仕事仲間を探して訪ね歩き

そのひとりひとりの証言を積み重ねて

「父の像」を形成して行きます。それでいいのです。




では、問いを変えてみます。




あなたが「ほんとうに自分」を見つけようと思ったら

何をしますか?


あなたの過去を知っている人たち

家族や学友や担任の先生や先輩や後輩や同僚に

片っぱしからインタビューして

「わたしって誰?」と訊いて回りますか?




そんなことはしませんね。




あなたが「ほんとうの自分」を探しにいくのは

ニューヨークとかミラノとかバリ島とか、そういう

「あなたを誰も知る人が居ない場所」です。



不思議だと思いませんか?



あなたのことを知ってる人間が誰もいない土地に行かないと

「ほんとうの自分」に会えないなんて。

でも、実は不思議でもなんでもありません。

それは「ほんとうの自分」というのがまるっきりの「作り話」だからです。






自分のことを、まるっきり知らない人に対してならば

「私」は「こうありたい<ほんとうの自分>」を語ることが出来る。


わたしたちの過去を知らない人間は

「私の作り話」を信じるしかない。

そしてそれは、生きていくうちで時々、過去をリセットすることにおいて

必要になる作業なのだそうです。




過去の自分を知らない新しい環境へ行くときって

すごく新鮮で気持ちがいい。

そこでリセットし、自分のことを知らない人たちばっかの中で

自分に対しての新しい物語を創り上げることが出来るから。


「高校デビュー」とか、ですね。


で、環境が変わるたんびに「キャラ」のバリエーションを

増やして行く。

これって、自分を守るためにはとっても有効な方法なのだそうです。

「ほんとうの自分」というのだって、要するに

作り話のひとつに過ぎないんだから

「ほんとうの自分」を追い求める、とか、確定するとかじゃなく

どんどんと「私」のバリエーションを増やして行く方向に

努力したほうがいい。




色んなシチュエーションによって、様々な顔をもつことで

全部が事実の作り話のような「私」と成り得るし

色んなキャラがざわざわいることで

仮に仕事で失敗したとしても、その傷は「仕事する私」の部分にとどまり

他の「私」には影響してこない。

だって、別人なのですから。







だからさ。

わざわざ、遠くの土地に行って「ほんとうの自分」を見つけに

行かなくっても、毎日の暮らしやお仕事をしていくなかで

「おおーー。オレはこんなコトを見つけたぞ!知らなかった~~!」てな

具合に、工夫次第で色んな物事や小さな発見から

「今まで気付かなかった自分」に会えるぞ!と

このオトコは、常に思って生きているんでありましょうねえ。

すっげーリアリストであり、

冷静に公平に、多面的な目線で色んな物事と

対峙しているんだと思います。







この本、よかったら読んでみてくださいませー。

内田樹さんご自身が、武道家であられることもあり

身体感覚で以って体現された「実体験」をもとに、

語られた「からだの内からの言葉」は

文字通り、身体に自然と馴染むものとなっておりますよ~~!









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