昨晩より、幾度も再生しては聴き直してる

ハーベストの音源でございます。


こちらの会場となった、東京文化会館はアタシも行ってます。

ほんの半月ぐらい前の出来ごとですし、

現場の音の響きがどんなんだったかは、それなりに

耳に残っておりますので

アレがどんな風に収録されて、「商品」として出来上がってくるのか

別の意味での興味もありました。



で、実際届いたものを「再現」してみた時に

ビックリしましたですよーー。

あの「クラシック専用ホール独特の反響」で生じる

微妙な「時差」が、きっちりとコントロールされてました。


現地にて耳にした際に感じ取られた「違和感」は

キレイに払拭されています。

それでいて、各楽器それぞれの奏でる音は余すところなく

美しいままでピックアップされていて、

粒立つように鮮明に浮かび上がってまいります。



今回の、このハイレゾ音源を手掛けられたのは

おなじみのエンジニア・鈴くん。


昨日アップされてたインタビュー記事では

このように話しておられました。





鈴さんは「非常にハイレゾリューションな耳を持っている人」と

山崎さんが信頼を寄せているエンジニアだ。

「クラシックのホールで、PAを使って録音するのは本当に大変です!

 スタジオやライブハウスとは残響の質が全く違いますから」と、

モニタリングルームで語っていた鈴さん。

天吊りマイクの位置なども、会場の照明との兼ね合いで

制約を受ける部分があったという。

「192kHz/24bitでのミックス作業は、前回(かつしか)に次いで2回目。

前回も大変だったんですが、今回は納期がさらに短くなるので…(苦笑)、

持って帰ってからの作業、がんばります」と話していた。






葛飾の時よりも、更にタイヘンなご苦労があったことでしょう。

よーく響いたハコだったもんねえ~。

鈴くんの「ハイレゾリューションな耳」によって選ばれ、

磨き抜かれた末に誕生した、カルテット+ギターの絶妙なる共演は

まことに、甘露なる響きに溢れておりましてよ。



包み込まれるようにやわらかく、ふわんとクッション性に富み、

ほのかにはね返す弾力と、ずっしりとした質量を感じさせる音。



ヴァイオリン2台とヴィオラ、チェロのカルテットとギター。

この5つのストリングスともうひとつの

山崎まさよし、という楽器が織り成す、6つの音色から浮かび上がる

情景は、実に色鮮やかで豊かな情感に満ちていて

どの作品からも温かいものが、じわーーんと浸みてまいります。





葛飾の音源とは、表現のし方も随分と違っています。

あれ?と最初に気付いたのが「コイン」です。

リズムの刻みがとてもゆったりと、それでいて一言一言を

刻み込むように歌ってらっしゃる。


全般にどの楽曲も、いつもより数倍丁寧に歌いこむことで

ストリングスの奏でる旋律を、更に美しく響かせるように

集中して、臨んでおられるように

感じられました。





ストリングスを「伴奏」と捉えるのではなく

飽くまで、カルテット&山崎まさよしによってもたらされた

ひとつの表現方法であり、

新しく生まれた「音楽作品」なのだ、と思いますわよ。

この2つのハイレゾ音源って。




アタシ的には、通常はあまり目立たないヴィオラの

奏でる音色と、根底で重く鳴ってるチェロの響きが

くっきりと拾えるのが、なんかワクワクしちゃうんだわ。

だって、会場じゃなかなか聴き取れないんだもん。





オーキャンまで当分、ライヴの予定もござんせんので

ぼちぼちお仕事に励みつつ、

このハイレゾを聴きこむことにいたしましょう~~。

地味だわあ・・・・