子供らのお節句人形(ウチは男子なので、兜とか金太郎さんとかいうの)が

狭小住宅の収納スペースを、かなりの割合で占めておりまして

ヤツラもでかくなったことだし、この際思いきって「お納め」することに。



ケース入りのお人形。

ガラスケースに関しては「粗大ごみ」扱いで、リサイクルセンターに

持ち込むことができます。

段ボールは資源回収に。

お人形さんだけは、最寄りで「人形供養」をしてくださるお寺さんに

納めにまいります。



そんなんで、ここ何年も手つかずだった屋根裏の納戸の

大掃除をいたしましたんですよ。

このお休みの時に。

家を建てた際に、前に住んでた借家からはこんできた段ボール箱が

ガムテープで封印されたまんま、15年間もアンタッチャブルで

埃を被ったものも幾つか発掘~~。



15年間、開かずの状態の段ボール。

いったい、ナニが入れてあるんだか~~と、恐る恐る開封してみました。



おおーー!

こんなトコロに仕舞いこんであったのねえ~~~~~叫びあせる




絶対安全剃刀―高野文子作品集/白泉社
¥1,188
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おともだち/筑摩書房
¥1,620
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この2冊は、寡作で名高い天才漫画家の高野文子さんの

初期の作品集でして、

発行年度を見ると昭和58年とあるから

オバサンが20歳くらいのウラ若き時代に

近所の本屋さんで買ったモンですの。




ドミトリーともきんす/中央公論新社
¥1,296
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「ドミトリーともきんす」が、12年ぶりの高野氏の新作!ということで

巷で話題を呼んでおります。

アタシも、発売してすぐに取り寄せようとしましたが

「入荷待ち」状態で、その人気の高さはスゴイもんだなーーと思いました。



高野文子さんの作品は、ともかく数が少なくて

特に↑の「絶対安全剃刀」と「おともだち」は大大大好きな2冊で

大事に大事に、繰り返し繰り返し読んでいたはずなのに、

引っ越しの時に、段ボールに詰めたまんま納戸の奥に入れられて

「あれーー??確かにあったはずなんだけどなーー」と、

コチラはそのことを完全に忘れ呆けて15年。





先だって、再読したいあまりにアマゾンで中古本の「絶対安全剃刀」を

それなりなお値段でポチったばかりです。

このたび、15年ぶりに陽の目を見た「お蔵入り本」は

コレ以外にも何冊もあってねえ。

どれをとっても、20代の頃の自分が大好きだった本ばっかなので

再会できてすっごく嬉しいラブラブ


また、じっくり読み返してあげようと思ってます。





さて、表題の「おともだち」です。





日本のおともだち、というテーマで取り上げられてるのは

大正時代の、港ヨコハマに住む上流階級の思春期の少女たちの

暮らしや、その当時の文化や世情が軽やかに、

独特の筆致で描かれており、

30年前に発表された作品だっていうのに

今見てもすごく斬新さを感じさせるのです。



言葉の使いかた、ネーム割って言うんでしょうか、

小鳥が歌を奏でてるように、耳に優しい音韻がリズミカルに

作品の中を流れています。

古い映画を見ているような、褪せた色合いを想起させて

くれることでなおさら、夢心地へと誘われてゆきます。





ひっさびさに読みかえした「大正モダニズム」の世界は

情緒豊かで、ちょっぴりもの哀しく

たまらなく美しいものでした。





納戸の奥で、ひっそりと眠ったまんまでいた古い本たち。

頁をめくると、またまた息を吹き返してくれたみたいで

15年分の酸素を、いっぱいに吸い込んでるようです。

懐かしさに浸りながら、

そろそろと読み返すことにいたしましょう・・・・