バランスよく筋肉を使う

 

というと

身体全体の筋肉をバランスよく使おう

という意味に聞こえる

それは間違ってはいないのだけど

筋肉を使っている頻度やその人の能力にもよる

 

選手時代、春先のレースで

まだ身体にレースの準備ができてないとき

マッサージャーに

「筋肉にまだレースの準備ができていない!」

と言われたことがある

レースの準備ができていない筋肉とは?

なかなか想像がつかない人の方が多いと思うが

経験のある選手ならばこの意味がわかるだろう

 

準備のできていない筋肉の特徴として次のことが挙げられる:

 

1 張りの強い筋肉と、張りの弱い筋肉がバラバラに点在する

2 表面だけ張りがあるが、内部がスカスカする

3 選手の主観で走り始めは調子が良いが、中盤から後半で思ったように足が動かない

 

などがある

 

先日マッサージャーと話をしていて

「筋細胞が起きている部分と起きていない分がある」

という話題になった

そう、例えばオフ明けのトレーニングで

ゆっくりとロングディスタンスを走ることが多いが

シーズンに入るにつれ、高強度のトレーニングを取り入れる

このゆっくり走るトレーニングの時間に筋細胞が起きるか?

というところが、トップ選手と一般ライダーには大きな差がある

 

強い選手が怪我の後にみるみる走れるようになるケースはよく目にする

あっという間にコンディションを作り

レースで擦り合わせながら早い段階でレースで結果を出してしまう

しかし、一般ライダーにはこの細胞がバランスよく起きるという点で

意外と膨大な時間がかかる

若い選手も同じく

いわゆるギリギリのペースで

身体を早く作りたい気持ちを押さえつけて

じっくりと身体の細胞を起こす作業

というのが大切なことがわかる

 

それをすっ飛ばすと、例えば

外側広筋が物凄く張る

肩が痛い

脹脛が攣る

 

などの症状が起きやすくなる

 

じっくりと走る時間というのはシーズン中も継続するが

その時に何気なく走るのではなく

身体をバランスよく使う意識

そしてケアの時にマッサージャーと対話することで

自分の状態を作り上げていくことを可能にする

特にレースで結果を求める選手ならば

急がず慌てず身体の反応を感じながら

コンディショニングすることが

自分を積み上げていくことになるのだ