「早期からの緩和ケア」パラダイム転換②議事録ノートの活用 | がん治療の虚実

「早期からの緩和ケア」パラダイム転換②議事録ノートの活用

前回、がん患者会の活動そのものが「早期からあるいは診断時からの緩和ケア導入」の実践にもっとも適しているのではないか?という意見を披露した。


それには一つ条件がある。
がん治療医自身が患者会に参加し、運営に関わることだ。


「過重労働でそんな暇あるわけない」「必要性が理解できない」「学会での報告例がない」という声が多数聞こえてきそうだが、数々の疑問に関しては連載で順次回答していく。

 

それまでの当勉強会では参加者からのがん治療にまつわる色々な疑問、抗がん剤治療の意味、副作用対策、担当医とうまくつきあう方法、代替医療の立ち位置や在宅緩和ケアの現状などを回答解説してきた。

その結果記録としてこのブログの記事は蓄積されてきた。


ただ問題は、多くの参加者の前で詳しく解説し、色々なアイデアを出してもらっても、そのまま消えていくことがほとんどだったことだ。


ところが今年から開始した東京支部会は素早く議事録を記録できる才能を持ったがんサバイバーの方がおり、毎回終了後にLINEを通じてその記録を配布できるようになった。

 

2016年12月17日新橋でのNPO法人宮崎がん共同勉強会東京支部会の議事録ノート

 

 

もちろん全部の記録ができているわけではないが、多少の訂正と解説を追加している。

 

参加者は今から治療を開始する人から終末期に近く、治験を受けるかどうかを検討している人、知人や家族ががんにかかって相談したい人など、多岐にわたる。


患者さん自身のがん情報(不完全な場合もあるが)を元に、セカンドオピニオン的な分析、解説、治療選択への助言、主治医への働きかけの提案、自分でできる苦痛緩和方法のアイデアなどを提供する。


これらを全員の前でおこない、全員の意見や経験、助言も求める形となっている。

 

こういったことをする必要必然性、妥当性、有効性、経済性についてはまた次回解説する。

 

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第13回東京支部会(NPO法人宮崎がん共同勉強会)
がん患者さんやその家族、あるいはがんについて興味ある人は誰でもご参加いただけます。
当日は女性看護師も出席しますので、女性の方々もどうぞ。

ご自身あるいは当該がん患者さんの診療情報をお持ちください。
セカンドオピニオンほどではなくても、応用の利く助言ができると思います(ただし個別相談ではなく、出席者全員の前での助言となります)。

時間:2017年1月21日(土)13時から16時
場所: 東京 新橋駅周辺

開催概要
https://sites.google.com/site/miyazakigkkb/