第8回東京支部会(NPO法人宮崎がん共同勉強会)
時間:2016年8月27日(土)14時から3時間土曜日14時から東京都新橋周辺で開催予定。

2016年8月6日日土曜日、午前10時より2時間(今回は時間変更)、宮崎善仁会病院院内がんサロンを開催しますが、院外のご興味ある方も参加できます。事前に当方にメッセージをいただけるとありがたいですが、当日参加も可能です。

2016年8月13日土曜日、13:00より宮崎市郡医師会病院講義棟で第77回宮崎がん患者共同勉強会を開催します。今回のテーマは「テレビや雑誌のがん治療情報が、あなたの治療に役に立たないのは理由がある」です。
当日は12時頃から患者さんだけの気軽なおしゃべり会を開いてますので、初めての方も気軽にご参加ください。
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2016-08-18 20:07:46

”Yahoo!トップ『モルヒネに代わる「副作用のない」鎮痛薬を開発か』の誤り 右から左は止めて”

テーマ:有用書籍、記事の紹介
インパクトの大きさを最優先して、一般人の無用な先入観と医療現場の混乱を省みない困った医療ニュースを、第一線の緩和ケア医がたしなめ、解説してくれています。
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2016-08-15 18:09:22

元横綱・千代の富士の九重親方の膵がん治療についての考察

テーマ:膵がん
ちょっと前の話題ながら、注目されているので、このブログでも言及しておきたい。
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<医療>きょう葬儀 千代の富士が最後に闘ったがんとは
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160807-00000027-mai-soci

昭和を代表する横綱、千代の富士の九重親方が亡くなった。7日午後には東京都墨田区の九重部屋で葬儀が行われる。九重親方は昨秋、膵臓がんを公表し、闘病を続けていた。消化器がんの中では、もっとも難治性と言われる膵臓がん。
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一般的に多い膵がんは正式には膵管がんと言う。
スティーブジョブスは膵管がんではなく、膵内分泌腫瘍というやや進行の緩やかな組織型だった(比較的珍しいタイプ)。
そのため割と長生きでき、肝臓に転移しても肝移植術で延命できた。

この膵管がんが難治がんの代表となっている理由は

・通常の胃カメラでは到達できない位置にあり、また腹部超音波検査でも見えない死角がある。
・腹部単純CTでも発見が難しい場合もあり、造影CTでも万能ではない。
・検診などで膵嚢胞性疾患という前癌病変に近い状態で見つかることもあるが、がんの確定診断が得られないうちに難度の高い切除手術するのはあまりにも負担が大きい。
・膵嚢胞性疾患があるとわかっていて、がんになるタイミングで手術しようとしても予想以上の進行速度で間に合わないことが度々ある
・症状が出たころにはすでに手術不能のステージとなっていることが多く、可能と思って手術に踏み切っても、3割は腹膜播種などの転移が術中に発覚して結局切除できない。
・非常に進行が速く、しかも遠隔転移を起こしやすい性質がある
・抗がん剤も放射線治療も効きにくい

という、非常にやっかいな性質による。

この膵がんは高齢化社会と言うこともあって、決して少なくない。
そして年齢関係なく、あっという間に患者さんが亡くなるケースもめずらしくない。
抗がん剤でも20年近く前まではゲムシタビンぐらいしかなく、しかもその有効率(一時的に縮小する確率)は15%程度しかない。

しかし一時的な症状緩和効果は5割ぐらいあるので、やらないよりかはましと言った具合だ。
ゲムシタビンはあまり副作用がきつくないし、厳しい膵がんでは重要な標準治療と言えた。

その後TS-1、カベシタビンなどの新薬も出たが、オキサリプラチン+イリノテカン+5FUからなるFOLFIRINOX療法が出たことで、膵がん治療の常識が少し変わった感じがあった。

かなり強力な抗がん剤治療なので、もちろん状態の悪い膵がん患者さんへは使えない。しかし比較的元気で若い方にはゲムシタビンでほどほどの治療をするよりも、きつくてもこの FOLFIRINOX療法を頑張ってもらうと結構延命できるケースが少し増えた印象がある。

実際の患者さんを治療すると、たとえ治療はきつくても、それ以上にタチの悪い膵がんの増殖を一時的にでも抑え込めるメリットを実感できるようになった。

これは膵がんの症状(腹痛や食欲不振など)が改善し、結果として延命できるということだ。
と言っても効かない人には全く効かないのも事実。
そういった事実に絶望して抗がん剤治療をしない人もいる。

今回抗がん剤治療を行わなかった理由は治らないし、副作用のことを考えて放射線治療を選択されたのかもしれない。
ただ放射線治療というのは外科治療と同じく局所療法であり(ただしメタストロン治療は例外)、周囲に浸潤転移しやすい膵がんでは基本的に無効と考えて良い。

かつて臨床試験でおこなわれた5FUとの併用化学放射線療法で長期生存例は少数報告されているが、これも局所進行に留まっているという前提条件がある。
したがって4次元ピンポイント照射といえど、基本的には局所療法だから、全身病に等しい膵がんの再発転移には理論上無効なはずだ。
もちろんがんの局所的な圧迫症状に対して症状緩和目的で行う事はありえるかもしれない。
しかし脳転移以外の全身転移に対応できる抗がん剤治療を差し置いてまで行う理由が通常はない。

参考: 質問と回答: 転移性肺腫瘍への放射線ピンポイント照射に意味はあるか?
http://ameblo.jp/miyazakigkkb/entry-12141518982.html

そうなると抗がん剤治療を避けた理由は副作用のイメージのためかもしれない(勝手な推測なのでもちろん大外れの可能性もあるが)。
困ったことにこの抗がん剤の悪いイメージは世の中にこびりついている。

抗がん剤の副作用はきついものだが、受けた人全員がひどい目に遭うわけではない。
きっちりとした臨床試験で受けた患者さん全般の評価としては、がんによる痛みや症状よりもずっとましで、そのおかげで延命できるという結論が出ている。
もちろんひどい副作用で苦しむ人が一定以上出てくるのは事実であり、そういった方の恨み辛みの直接間接的証言が世間一般に広がりやすいのが悪印象の一因だ。
抗がん剤治療を受けてみたら、それほどきつくなかったという人も、実はかなりいる。残念ながらそういった方々はそのことを声高には言わない。
もう一つは、やはりがんにまつわるドラマや映画の誇張された抗がん剤副作用のシーンだろう。なにせ、登場人物のがん患者が苦しむシーンでないと絵にならないという制作者の勝手な印象操作が、一般人に対しての刷り込み現象を引き起こしているわけだ。

日々治療をおこなっている現場の人間として言っておきたいのは、抗がん剤治療の第一目標は副作用対策であり、効果ではない(継続できなければ意味がないので)。実際にやってみて、出てきた副作用の程度で対策をとり、継続できるよう微調整していくのが大原則だから、一発勝負ではない。
近年抗がん剤治療の発展は新規抗がん剤だけでなく、複数の有効な制吐剤など副作用対策の進歩に寄ることも非常に大きい。しかしそのことに言及している医療ドラマなどは見たことがない。

こういったバランスの欠いた噂や悪質な印象操作などで良いがん治療を受けるチャンスが減ってしまうのは大変残念だ。
これを覆すには、実際に抗がん剤治療を受けた患者さん達にもっと声を上げてもらうしかない。
これが患者会やがんサロンを推進する大きな理由の一つである。

なお、これをもって九重親方が抗がん剤をすべきであったという意見を言うつもりはない。
個別の治療の成否を持って、その推奨を決めると「○○でがんが消えた」と言った類いの書籍と同類になってしまう。
また標準治療といえど、それが仇となる患者さんは一定数いるはずで、個人の治療には個人の事情や運命があるからだ。
世間一般の方々が知りたいのは、他人の治療がうまくいったかどうかより、自分や自分の知り合いががんになったときの確率的に有利な治療法ではないだろうか。

2016年7月新刊

孤独を克服するがん治療〜患者と家族のための心の処方箋〜/サンライズパブリッシング

がんに悩む友人へのプレゼントとしてもご活用ください。
¥1,620
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第8回東京支部会(NPO法人宮崎がん共同勉強会)
がん患者さんやその家族、あるいはがんについて興味ある人は誰でもご参加いただけます。
当日は女性看護師も出席しますので、女性の方々もどうぞ。

ご自身あるいは当該がん患者さんの診療情報をお持ちください。
セカンドオピニオンほどではなくても、応用の利く助言ができると思います(ただし個別相談ではなく、出席者全員の前での助言となります)。
場所: 東京都新橋周辺
時間:2016年8月27日(土)14時から3時間

開催概要は以下のリンクをご参照ください。
https://sites.google.com/site/miyazakigkkb/
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2016-08-04 17:08:39

2016年臨床腫瘍学会ポスター発表

テーマ:有用書籍、記事の紹介
2016年7月29日に神戸で開催された日本臨床腫瘍学会においてポスター発表しました。
通常この手の学会発表は専門的すぎて、一般の方にはわかりにくいものです。
しかし今回の内容は多少平易であり、がん患者さんと一般の方にも密接につながるものなので、紹介させてもらいます。
また患者会やがんサロンを続けることも大事ですが、医療者への報告と広報、推奨も重要です。

エビデンスの追求や治療成績だけに没頭するがん治療医もいますが、患者さんの幸福とコミュニケーション(ラポールと言い換えても良い)につながるこういった活動にも興味を持っていただきたい。
がん治療医が患者会に出席すると患者さん達に大変喜ばれます。

外来診察室の緊張感から解放されたもう一つの治療の場と考えてほしいです。
ちなみに当方は義務で患者会に参加しているのではありません。

色々な発見とインスピレーションが得られ、自分のストレス発散につながるから参加させてもらっているのです。つまりは自分が救われている部分がかなり大きいと感じています。




今回は新刊の目次を掲載しました。

孤独を克服するがん治療〜患者と家族のための心の処方箋〜/サンライズパブリッシング

¥1,620
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----------------目次-------------
はじめに〜この本を読み進める前にどうしても解いておきたい「がん」の誤解〜
39個のQ&A
第1章 がんを告知され、受け止めるために
1 告知を受けましたが、現実感がありません 
2 余命3ヶ月と言われて、目の前が真っ暗です
3 生きる気力を取り戻したいです
4 死ぬかもしれないと考えると、恐ろしくてたまらなくなります
5 死んだあとのことは考えないほうがいいでしょうか
コラム「ステージⅣのがんを5分で理解する!」

第2章 がんに立ち向かうために
6 治療のためには仕事を辞めないといけませんか
7 以前の体に戻ることができないのなら、つらい治療は受けたくありません
8 がんについて調べたくても、どこから手をつけたらいいかわかりません
9 抗がん剤治療には、いいイメージがありません
10 抗がん剤治療が苦しくて耐えきれません
11 定年して子どもも独立しています。もう苦しい思いをしてまで治療しなくてもいいのでは
12 効果がないかもしれない治療を続けるべきですか
13 最先端の治療を受けられる病院に行きたいです
14 代替医療にも効果があるのではないでしょうか
15 見舞いに来る友人たちの健康さが疎ましいです
コラム「免疫力と免疫療法」

第3章 患者の家族ががんに向き合うために
16 家族からは以前と変わらず元気に見えるのに、がんだなんて信じられません
17 本人以上に家族が動揺してしまっています
18 がんになったのは、家族の責任でしょうか
19 家族の看病のため、離職しようと思っています
20 治療にはどれくらいお金がかかるのでしょうか
コラム「がん患者会とがんサロン」

第4章 患者と家族がよりよい関係を築くために
21 心配させたくないので、家族には黙っていようと思います
22 付き添ってくれている家族の疲労が心配です
23 幼い子どもに、がんのことをどう伝えればいいですか
24 がんについて本人が調べた結果、かえって絶望してしまったようです
25 生きる希望をなくして、どんな話をしても落ち込んでしまいます
26 家族にすまないと思っているのを和らげてあげたいです
27 「どうせ治る見込みはないんだから、殺してくれ」と言われました
28 「安楽死させてくれる病院を探してほしい」と言われました
29 「僕のことはもういいから、新しい人生を歩んでくれ」と言われました
30 万一に備え遺産相続の話をしておくべきですか
31 若くしてがんになった人をはげましたいです
32 高齢の親ががん治療を望んでいます。治療すべきでしょうか
33 認知症患者ががんになってしまったらどうすればいいですか
34 遺族が、罪悪感にさいなまれています
コラム「がんにならない食事」

第5章 医者や病院とよい関係を築くために
35 医者が何も説明してくれません
36 主治医に自分の苦痛をわかってもらえません
37 主治医とのコミュニケーションがうまくとれません
38 主治医がセカンドオピニオンを嫌がります
39 本人が在宅医療を希望していますが、家族としては不安があります
コラム「もう治療法がない」

あとがき
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なお、本を読まれた方は、自分が読みたかった、あるいは説明が不足しているQ&Aをお知らせください。
次回著作、あるいはこのブログで補足説明記事にできるかもしれません。

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第8回東京支部会(NPO法人宮崎がん共同勉強会)
がん患者さんやその家族、あるいはがんについて興味ある人は誰でもご参加いただけます。
当日は女性看護師も出席しますので、女性の方々もどうぞ。

ご自身あるいは当該がん患者さんの診療情報をお持ちください。
セカンドオピニオンほどではなくても、応用の利く助言ができると思います(ただし個別相談ではなく、出席者全員の前での助言となります)。
場所: 東京都新橋周辺
時間:2016年8月27日(土)14時から3時間

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2016-08-01 18:19:28

質問と回答: 抗がん剤で大腸がん肝転移が消失した場合治療を続けるべきか?

テーマ:質問と回答

中川健二さんからの質問
抗がん剤後の治療について
sho先生質問があるのですが、70歳の母が去年大腸癌で手術ステージ3でUFT補助化学療法、半年後肝転移(1センチ4個)1月からFOLFOX+ベクティビクス減薬なしで8クール終了。
4クール後8クール後画像診断で転移巣消失他転移なく主治医から
①今の抗がん剤続ける
②飲み薬に変更する
③一旦抗がん剤をやめる
どの選択いいのか迷いまして先生の意見をお願いします。


当方の回答
いつものように限られた情報をものとに推測しながら考察します。
大腸がん術後再発でステージは3から4になったと言うことですね。

大腸がんの場合、腫瘍としての性質が比較的おとなしいことがあるので、特に今回の場合のように1センチ4個だけであれば、ステージ4でも肝転移だけの場合は、肝転移切除に踏み切ることは珍しくありません。
それを選択しなかった理由を推察すると、

1.小さい転移であっても肝臓全体に散らばっていて、あるいは肝臓の部分切除だけでは完全切除にならない場合
2.4つ小さい転移巣は見つかっても、まだ怪しい小さい肝転移がありそうな場合
3.実は肝臓以外に転移がある場合

などが考えられます。
要は身体の負担の大きい手術に踏み切るのなら、その手術で完全に治癒できる見込みが前提となります。

その条件が満たされなければ、化学療法で腫瘍を縮小させる方針となります。
しかし固形がんの場合、抗がん剤で運良く腫瘍が縮小し、画像上見えなくなっても、顕微鏡的には腫瘍が残存していることがほとんどです。

となると1.の場合でもあってもなかなか手術に踏み切れないこともあります。
ということで、手術に踏み切れない理由を主治医に確認しておくことをお勧めします。

腫瘍が生命と症状に直結するのはその大きさと場所ですが、腫瘍量が少ないと生命の危機はすぐには迫ってきません。
その場合、あまりきつい化学療法を継続していると、長期的には抗がん剤の副作用でへばってしまうので、主治医は治療法をどうしようかと考えておられるのだろうと推察しました。

今までの臨床試験では、大腸がんにおいて腫瘍が縮小しても、完全に抗がん剤なしで様子みるより、5FUだけの軽い抗がん剤だけを継続したほうが、少し長期成績が良いことが判明しています。
内服抗がん剤はおそらく5FU系統でしょうから、同等と考えます。

FOLFOX+ベクティビクスも長く続けるときつくなる治療ですから、経過が良いのなら、少し手綱をゆるめるのは長期的戦略として妥当でしょう。

ただここでコメントした内容は、集団としての大腸がん患者さんを対象とした考察です。
最も優先すべきは患者さん個人の身体状況と価値観です。
ここではそれを知識面で補完する助言だと考えてください。
どんな妥当な意見でも、結果がどうなるかは「運」による部分も大きいですから、最終決定は患者さんご自身と家族がなされるほうがいいでしょう。

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第8回東京支部会(NPO法人宮崎がん共同勉強会)
がん患者さんやその家族、あるいはがんについて興味ある人は誰でもご参加いただけます。
当日は女性看護師も出席しますので、女性の方々もどうぞ。

ご自身あるいは当該がん患者さんの診療情報をお持ちください。
セカンドオピニオンほどではなくても、応用の利く助言ができると思います(ただし個別相談ではなく、出席者全員の前での助言となります)。
場所: 東京都新橋周辺
時間:2016年8月27日(土)14時から3時間

開催概要は以下のリンクをご参照ください。
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2016-07-29 07:40:02

【孤独を克服するがん治療】の感想をいただきました

テーマ:有用書籍、記事の紹介

早速、ご感想をいただきました。
卵巣がんステージIV 化学療法後経過観察中の方です。
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【孤独を克服するがん治療】読みました。
各質問項目ごとに詳しく回答され、方向性も書かれていました。さらに項目ごとに役立つ本が解説付きで紹介されてました。分かりやすく読みやすいので、がんを告知された方や、家族、友達など、読んでみたらいいかなと思います。

がんになった時の気持ち、思い、受け止め、学び、向き合い方等々、私のこれまでの経過過程で、共感出来る事が多かった。入院中、主治医との関係が最悪だった私が関心があった 第5章。興味津々 なるほど…でした。紹介されていた「もしも、がんが再発したら ~本人と家族に伝えたいこと~」再発に備えて、この本は購入しよう。

知りたかった事の答えは見つからず…。
がん闘病中、友達に「どう接したらいいか分からない」と言われた事。社交辞令の返答でがんを患ってるだけで遠ざけられた事。友達が皆 協力的に支えになってくれる訳じゃないって事は、がんになって学んだ事のひとつ。がん仲間にも、同じ思いをした人がいる。
---------------------

当方からのコメント

早々のご感想をいただき、大変ありがとうございます。この本でカバーできている部分はほんの一部でしかない当初からわかっていたので、とても参考になります。次作があるとすれば、不足している部分を検討したいと思います。

---------------------
上記コメントを受けてのお返事

一気に読んでしまいました。癌患者が知りたいと思っている事が、とても分かりやすく書かれていました。共感しながらアッと言う間に読み終えました。参考になる書物は解説もあり、有り難かったです。早速 何冊か注文しました。押川先生のこの本を、がん告知された方や家族に教えます。この本を読んだ方が、主治医の言ってることより分かりやすいし、主治医に何を聞いたらいいのかヒントになると思います。第5章は、一番知りたかった事です。ありがとうございました。
——————————

以上、本人からの転載許可を得て、引用しました。

孤独を克服するがん治療〜患者と家族のための心の処方箋〜/サンライズパブリッシング

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2016-07-26 18:37:03

”待ち望んでいた本が出ました 「がん治療の虚実」のsho先生の『孤独を克服するがん治療』”

テーマ:有用書籍、記事の紹介


大津秀一先生、ご紹介有り難うございます。当方は大津秀一先生の著作「死ぬときに後悔すること25」と「間違いだらけの緩和薬選び」に大変刺激を受けて、背中を押されました(笑)。
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2016-07-23 09:03:02

序文を転載: 「孤独を克服するがん治療」

テーマ:有用書籍、記事の紹介

今回は参考までに序文を転載します。

孤独を克服するがん治療〜患者と家族のための心の処方箋〜/サンライズパブリッシング

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はじめに〜この本を読み進める前にどうしても解いておきたい「がん」の誤解

 近年、がんに関する報道が非常に多くなっています。テレビや新聞などでは毎日のように、最新のがん治療や芸能人のがんを報じているほどです。

 なぜ、がんという病気はこれほどまでにメディアに注目されるのでしょうか?

 ひとつは、がんの罹患率の高さでしょう。

 今や日本人の2人に1人はがんになり、3人に1人はがんで死ぬといわれています。ご家族や知人ががん治療を受けている、あるいはがんで亡くなったという方も少なくないでしょう。おそらくこの本を手に取られた方も、ほとんどががん患者ご本人、あるいは身近な方だと思います。

 もうひとつは、「がん」のブランド化です。

 がんは劇的な展開を見せる病気であるがゆえに、さまざまな映画やドラマ、小説などで題材にされています。悲劇的かつドラマティックに描かれた結果、人々はがんという病気に対する固定概念を持ってしまいました。だからこそ、ニュース記事などでがんが取り上げられていると、人々は「ドラマ」を期待して興味を持つのです。

 しかし、映画やドラマはあくまでもフィクションです。

 画一的なレッテルが貼られた結果、がんに対する大きな誤解が生まれてしまいました。その誤解の最たるものは、「がん=死に至る病」という思い込みです。

 がんは部位によって、経過がまったく異なります。図のように、乳がんと肝臓がんでは5年生存率が3倍近くも異なるのです。

がんの10年生存率解説


 一方、10年生存率を見てみると、乳がんと肝臓がんは生存率が下がり続けるのに対し、大腸がんと胃がんはほぼ横ばいになっています。薬物療法の効果の出やすさや再発率によって、これだけのばらつきがあるのです。

 もちろんこれは患者集団としての数値であって、人それぞれに経過はまったく異なります。末期がんと診断されても、長年生きる患者さんもいらっしゃるのです。がんは人によってまったく異なる病気であり、「がん=死」というイメージは思い込みに過ぎません。

 私はがん治療医として、20年以上にわたりがん患者さんと接しています。

 また、勤務医としてできることに限界を感じ、NPO法人宮崎患者共同勉強会を設立してがん患者さんの不安や要望に正面から対応してきました。

 この勉強会で、患者さんたちはさまざまなことを教えてくれます。「がん=死」というイメージにとらわれて悲観的になっている方もいれば、病院への不満をお持ちの方もいらっしゃいます。がん患者さんの心の声を、直接聞くことができるのです。

 また2010年からブログ「がん治療の虚実」でも情報発信を続けています。

 この活動を続ける中で、私は繰り返し質問されるがん治療の本質的な疑問に答える本が必要だと考えるようになりました。

 本書では、実際にがん患者さんやその家族から寄せられる質問を厳選しました。その上で、ひとりのがん治療医として医学的妥当性を保ちつつ、患者さんの心情に寄り添ったアドバイスを綴っています。

 しかし、がんの情報は膨大で、各個人の医療事情も様々ですから、全てを解説することは不可能です。

 がんと診断されても、どの臓器なのか、がん組織型、ステージ(進行度のことI〜Ⅳまであって、Ⅳは遠隔転移があって根治が難しい、ただし末期とは違う)、どの治療を選択するかなど、多数の情報が説明されます。

 がん告知されたばかりだと、聞き慣れない領域の説明がよくわからないのは当然のことでしょう。

 最終的には理解は可能なはずなのですが、時間的、心理的余裕がないときには無理なのです。となると、やるべき対策は決まってきます。

・家族など数人で話を聞いて、聞きもれ、理解不十分な部分を補う

・説明を録音させてもらい、繰り返し聞く

・治療選択時など再度、追加の説明があるときまでに、前回説明受けたキーワードを、ネットや紹介した書籍で調べ、疑問点をメモして説明前に主治医へ渡しておく

 確かに面倒くさくて、全て主治医に任せたくなるでしょう。

 しかし後々、いろいろなアクシデントが起こりえるのががん治療と言うものです。

 面倒でもじぶんで「なぜ?」と考える習慣が付いている人ほど、がん治療の問題解決能力が備わってきますから、将来きっと良い見返りがえられるはずです。

 そこで思いついたのが、各質問項目に詳しく回答し、方向性を示した上で、さらに学びたい読者に役立つ本を解説付きで紹介する方法でした。

 今では書店に多数のがん関連書籍が山積みになっています。これらは役に立つ本もありますが、現場のがん治療医から見るとどう考えても有害な本や、商売のための本、医療不信をことさら書き立てる本が見分けが付かない状態で置かれています。

 昔のがん治療は各病院でまったく違った方針となっていたのが普通でしたが、今は医学的根拠に基づいたがん治療ガイドラインが普及し、治療レベルはかなり均一化しています。

 一方、書籍の世界はガイドラインどころか、何の制限もないため、だれでもどんなウソでも書きたい放題です。しかし体裁の整った本になると、読者には一見まともそうに見えてしまうものです。つまり、がんについて調べるためには、今や書店は危険地帯と言っても過言ではない、ということなのです。

 そこで怪しい本を避けるため、本書では各項目ごとに、がん治療に本当に有益な一般の方向けの本を厳選して紹介しています。有害な本の見分け方も記載しており、がん関連書籍のブックガイドとしてもご活用いただけると思います。

 選書にあたっては、がん情報だけでなく、患者さんが今後自らレジリエンス(逆境力、折れない心、回復力、復元力、立ち直る力とも表現されます)を獲得できるような方向づけを心がけました。

 がん告知を受けたばかりの方、治療中の方、がんとつきあうあらゆる方のお役に立てば幸いです。

 またがんと診断された友人への勇気づけのプレゼント本としてもご活用ください。



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当日は女性看護師も出席しますので、女性の方々もどうぞ。

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時間:2016年8月27日(土)14時から3時間

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2016-07-21 18:58:50

初単独出版本の紹介: 孤独を克服するがん治療

テーマ:有用書籍、記事の紹介
がん患者会を立ち上げてすでに7年、「がん治療の虚実」ブログを始めて6年たちますが、このほどようやくがん患者さん向けの本を出版することになりました。
Amazonでは7月27日に発売となります。
3年以上も前からブログそのものを書籍化する構想はあったのですが、テーマと対象読者層の選定が難しく、結局新たに書き下ろすことになりました。

孤独を克服するがん治療〜患者と家族のための心の処方箋〜/サンライズパブリッシング

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---------以下アマゾンのページより引用-------
内容紹介
「がんに立ち向かうにはどうすればいいか?」 健康なときにはなかなか意識しないこの問題は、 いざがん告知を受けたとき、あるいはがん治療をスタートしてからも、 患者やその家族を大いに悩ませる。 そして、悩み抜いた末に「孤独」におちいってしまう人も少なくないのだ。 しかし、「孤独」なままでがんに立ち向かうことは難しい。 そう語るのは、腫瘍内科医として約20年にわたりがんと向き合ってきた著者だ。 病院、主治医、患者会、支えてくれる人たち――さまざまな存在とのつながりが、 がん患者に希望を与えてくれる。 「がんを告知され、受け止めるために」 「がんに立ち向かうために」 「患者の家族ががんに向き合うために」 「患者と家族がよりよい関係を築くために」 「医者や病院とよい関係を築くために」 本書では5つのシチュエーション別に、がん患者やその家族から寄せられる疑問、 あるいは医師の目から見た「がん患者が抱えやすい悩み」に対してアドバイスをする。 がん治療の実情、誤解されがちな医療のトピックスにも触れつつ、 「孤独」から抜け出すための「心の処方箋」を詰め込んだ、 がん患者とその家族にとって必携の一冊。
出版社からのコメント
がん患者さんやそのご家族の「心」の持ち方は、 治療そのものと同じくらい大切なものです。 しかしながら、多くの人は「がん」という事実にショックを受け、 大きな不安を抱えてしまいます。 本書はそんなときにどうすればいいのか、どう考えればいいのかを教えてくれる、 「心」のガイドブックといえるでしょう。 長年現場でがん患者と接してきた著者だからこそ言える、 がんを前向きにとらえ、「心」を強く保つためのヒントが満載の一冊です。
—————————
がんに対してはさまざまな出版物がありますが、この本を一言で言えば、「がんに対する患者さん向け戦略本」と言ったところでしょうか。
次回以降、前書きや目次、この本の活用術について紹介したいと思います。

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セカンドオピニオンほどではなくても、応用の利く助言ができると思います(ただし個別相談ではなく、出席者全員の前での助言となります)。
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時間:2016年8月27日(土)14時から3時間

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2016-07-17 14:10:00

・がんになったことを逆手にとる

テーマ:がん患者の心構え
・がんになったことを逆手にとる

前回の紹介記事では、がんになって、もう以前には戻れなくても、「その状態を普通と思えること」が究極の目標ではないかと記載した。

それは治療後だけではなく、治療中でも同様に考えてほしい。

がんになった事は一大ショックである。自分の人生の〆切をいやがおうでも意識させられると、自分の世界がどんどん狭くなっていく恐怖にさいなまれる。それは自分の将来が約束されなくなって、どんな計画も非現実的なものと感じられるからだ。


今までの人生は自分なりの価値観と生き方があったはず。それが全部否定されたかのような現実に直面すると、自分の人生の意味と生きがいに疑問を生じてくることもある。


もちろんがん治療どうするかということが非常に大事なことだ。それが決まらないことには、あるいはその展望が描けないと、何も手が付かないだろう。
しかしどんなに良いと思える治療法であっても、必ず治るとか、良くなるという保証は無い。
そうすると治療に専念するのは実はよくない。

確かに治療は大事で、それはそれとして最善は尽くすが、同時に自分の人生も楽しみ、活用するという二正面作戦が必要だ。
そうでないと、もし治療がうまくいかなかったときには、貴重なものだと再認識できた人生を、治療のみですり潰してしまうこと意味するからだ。



だれでも仕事や恋愛、家庭や自分の親のことなど大事なことものはたくさん持っているが、どれか一つだけ没頭し、他の事は全く考えないことはないだろう。

これは人生がひとつの要素だけでは成り立たないということを意味してるからであり、たとえ命にかかわるようなことがあっても、そればかりを24時間考えて生きるというのは無理な話だ。

当方は自分の患者さんにこう話している。
「治療も大事ですが、同時に治療以外のことも一生懸命頑張りましょう。診断される前にはたいして意識しなかったことであっても、今はすごく大事に思えるようなものがあるはずです。がん治療はがん症状を軽くして、がんを忘れるためにあります。となると、副作用を我慢しすぎるのは理にかなっていません。これなら続けられるというところまで副作用をコントロールする工夫をお互い相談しましょう」


不幸である自分の身を嘆いているだけでは展望は描けない。もちろん自分の精神状態をどうにもできないということもあるだろう。

ただ人間は無意識のうちに、直近の課題に集中して、悩みを一時的に忘れているものだ。
例えば、どんなに深刻な悩みがある人でも、街中でトイレを探している最中は、その悩みからは解放されている。

きにする性格は変えられなくても、行動は変えることはできるはずだ。
例えば以下のような「気軽にチャレンジする」方法がある。
・毎週映画館や寄席に行って、一定時間は没頭する習慣を作る。
・患者会に定期的に行って、仲間とおしゃべりする。
・人の頼み事を引き受ける
・スポーツジムで定期的にグループエクササイズを受ける。
(体重のかかる場所に骨転移があると病的骨折の危険があるが、そうでなければ、どこまで動いて良いかどうかは自分の身体の痛みなどでだいたい自分で判断できる)

一瞬面倒くさいと思うようなことでも、あえてやってみるという習慣をつける意味は、自分の世界がじりじりと狭くなる現状を打破するため。

がんにならなかったら、全くもってやろうとも思ってなかったことを、敢えてやるというのも一つの方法だ。
だれでも物事にこだわりはあるものだが、そのこだわりは「がん」になって「寿命」が限られても、守るべきものなのか?
あっさり捨てて、色々やってみたら、意外と問題ないのかもしれない、あるいは新しい人生の枠を広げられるかもしれない。

「がんになったことを逆手にとる」思考方法はさらに活用できる。
家族や知り合いと不仲やいさかいがあれば、「人生の〆切がくるかもしれないのに、その貴重な時間を使ってまで争う意味があるの?もっと建設的な試みに使うべきでないか?」と再考するきっかけとなる。

自分がしたいことをするだけではなく、今この状況でしかできない事を優先するという発想があってもいいだろう。

参考:抗がん剤拒否の理由⑮医師は標準治療を押しつけるが、その意味解釈を省く
http://ameblo.jp/miyazakigkkb/entry-11175877785.html

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第8回東京支部会(NPO法人宮崎がん共同勉強会)
がん患者さんやその家族、あるいはがんについて興味ある人は誰でもご参加いただけます。
当日は女性看護師も出席しますので、女性の方々もどうぞ。

ご自身あるいは当該がん患者さんの診療情報をお持ちください。
セカンドオピニオンほどではなくても、応用の利く助言ができると思います(ただし個別相談ではなく、出席者全員の前での助言となります)。
場所: 東京都新橋周辺
時間:2016年8月27日(土)14時から3時間

開催概要は以下のリンクをご参照ください。
https://sites.google.com/site/miyazakigkkb/
2016-07-11 18:43:34

有用記事の紹介: 治らない病気を診ることが医学の神髄だ

テーマ:有用書籍、記事の紹介

今回もweb記事からの紹介です。引用が長くちょっとルール違反ですが、詳しくはリンク先を参照してください。
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治らない病気を診ることが医学の神髄だ――人はナラティブによって生きている
http://blogos.com/article/83433/?p=2

大人気コーナー「高校生のための教養入門」。今回は国立病院機構新潟病院の副院長で、脳神経内科医の中島孝先生にお話を伺いました。

〜中略〜
ある難病が進行したとき、健康で立派なときの意思決定、すなわち事前指示に従って、医療従事者は対応して欲しいと考える人がいます。私はそれをずっと胡散臭いと思っていました。

人間はどんどん自分を変えて、考え方を変えて生きています。受動的ではなく、主体的に自分の内的な変化や世界の変化に対して適応していく。例えば陸上選手が交通事故で脊髄損傷(脊損)したとしますね。その後、それを肯定的に捉えるか、否定的に捉えるかは人それぞれですよね。その選手は、普通の陸上選手だったらオリンピックに出場することすらできなかったけれど、脊損になったために、パラリンピックで優勝してしまうような選手になれるかもしれない。その人は、交通事故にあってしまったのだけれど、ひょっとしたらわるかったとは言えないのかもしれないでしょう。そういう解釈だってできるんですね。人間は生物としても適応的な存在だし、心もまたいろいろなことに適応できる。人生は一回きりであり、どっちがよかったなんて誰にもわかりません。

それに、その陸上選手は、生まれてくる前に、陸上選手になるんだって自己決定して生まれたわけではありません。生まれ、育てられ、選ばれたり、選んだりしながら陸上選手になってきた。それは後から得たものであって、交通事故にあって脊損になったからといって、その人の存在価値が失われたわけじゃありません。こうゆうことは「complete physical, mental and social well-being」からは測れません。

―― なるほど、だからWHOの健康概念は間違っている、と。

人間はストーリー(物語)を作ったり、ヒストリー(歴史)を書き変えたりしながら生きています。「病気になったからこそ、こんな素敵な人に出会えたんだ」と、病気自体にも過去を書き変える力すらあります。人間は、ナラティブによって生きているんですね。

そのことに気付いてから、ナラティブを使って、医学や医療を評価する研究に入りました。すると患者さんっていい加減な生き物なのがよくわかった(笑)。同じ薬を出しても、同じようにケアしても、「すごく効き目がありました」と言ったかと思えば次の日には「全然だめでした」とも言う。患者さんは、なんていえばいいんでしょうかね、うーん、自分の好きな女性みたいなものですね(笑)。

科学的にみるとナラティブは胡散臭いものに見えてしまうかもしれません。だから「そんなもので医療や医学、手術や薬を評価できるわけがない」と言われてしまう。ナラティブの世界はプラセーボ効果現象にも通じる世界ですからね。

それでも、医療において一番大切なのは患者さんだという概念は不変です。そして患者さんの症状をコントロールしないといけないので、医者は患者さんの言葉を聞きに行かないといけない。そういうレベルでのナラティブはいまの医療現場にもあります。でもそれはお題目でしかない。「そうですねー。痛いですねー。でも我慢してくださいねー」とCTやMRIの数値データのみを評価しながら、ナラティブは聞き流しているだけ。治療に必要なデータは客観データだけであり、患者さんがいうことなんてはじめからいい加減なものだと考えているのです。

でも本当は、そのいい加減さによって人間はいまを生きる力をえてきた。過去を書き変え、現在の自分の状態を書き変えることで、いまを生き、未来を新たに描き直すことができる。医療はこのようなダイナミックな変化を否定しないで、大切にするべきなんです。古典的科学からみることはいい加減にみえるけれど、これは人間の救いなんです。だからこそナラティブに基づいた医療(narrative based medicine)をしなくてはいけない。
〜中略〜

―― 実際に先生は医療現場でそういったナラティブの力を目の当たりにしているわけですよね。

それはもう毎日だよね。だって治らない病気を主に診ているんだから。

ALSといって次第に身体が動かせなくなってしまう難病をお持ちの患者さんは、たとえば、口から食べてはいるものの、不足する場合は、栄養失調にならないようにお腹に胃ろうもあけている。普通に考えたら、毎日が苦痛で仕方ないように思えるかもしれません。この方は確かに、「complete physical, mental and social well-being」ではないでしょうね。

でも症状が安定したときに、患者さんに聞くんです。「いかがでしょうか?」するとその方はこう答えます。その状態であっても「普通です」「具合はわるくない」といってくれるんです。決して、「大変です」「つらいです」「くるしい」とは言わないんです。この方にとって、そのときのいまの状態が普通になったんですね。だから熱を出したら「今日は熱があるから病気です」と言うんですよ(笑)。この方はALSです。でもそれに適応しながら生きている。ケアが成功して、安定すると「ここから出してくれ!」「こんな状態はいやだ! 死にたい!」とは言わないのです。

この患者さんのように、難病の方に「普通です」と言ってもらえるような支援を私は目指しています。これは難病ケアや緩和ケアと言われるものです。緩和ケアって「美しく死ぬ」「痛みなく死ぬ」ってことが目標とよく言われますが、それは嘘。大切なのは、進行性の難病でもその人がその瞬間、もう一度「普通です」と言える状態になってもらうことが目標なんです。誤解されたまま広まってしまったんですよ。

それぞれ人は違うもの。でも、みんな生まれた瞬間に、いつかは治らない病気になり100%死ぬことだけは決まっているでしょ。だからね、病気になったから、治らない病気になったからといって、「もう駄目だ」なんて思っちゃいけない。ましてやそんな人に「医療費がもったいない」「治らないのにコストを割くのは無駄だ」なんていうのはおかしい。その人が自分で「普通です」と思えるようになれば、それでいいでしょう。

〜中略〜

たくさんの物語を知ることが、生きるコツ
―― ありがとうございます。先生の研究をこれからも注目していきたいです。最後に高校生にメッセージをいただけますか?

そうですね。やっぱり、神話でも歴史でも、伝記でもおとぎ話でもアニメでも、なんでもいいからいろいろな物語を読んだり聞いたりしてほしいです。人は、あらゆる困難や苦しみの中でも、いろいろな物語をどれだけ知っているかで、世界の様相は変わり、そのときを生きのびることができるのです。困難を経ることで人は発展し進歩します。

人間はどんな困難も乗り越えられる。そういう力が備わっています。多くの人は諦めてしまうけれど、物語を豊富に知っている人は動じないでいられる。そういう心をもって、それぞれの道を進んでほしいです。これが私からの、高校生のためのこれからの人生をすごすためのコツです(笑)。
————————————————ここまで引用

いつものようにこの記事を「がん」の視点から考えてみる。
「がん」のイメージは「死に至る」というものが強いが、最近は発生臓器やステージによっては治り、抗がん剤治療でのがんと「共存」しながら、生活していけるケースがあることも少しは知られるようになってきた。
「がん」の治療については、一言で言うとそれこそ「千差万別」と冗談を言うしかない状況だが、「治す」ためにはどうすれば良いかという議論ばかりだ。
もちろん、予防や苦痛緩和という領域もあるが、紹介記事では医療の面で決定的に欠落している視点を指摘している。
医療者は苦しむ患者さんへ治療を施すことを使命と思っているが、「治療効果=患者さんが幸福と感じる」
ものだと無条件に考えがちだ。
それどころか現実にはがんが治ったとしても、全ての問題が解決するわけではないのだが、それについては他稿で書く。

ここでは治らないがん、痛みや後遺症で苦しむ患者さんへのヒントを提示したい。
死と密接だったがんが治っても、がんと共存せざるを得ない状況となっても、一つだけ言えることは「がんになる前の状態」にもどることはほぼ不可能ということだ。

もちろん内視鏡治療が可能だったがんは身体的には全く同じ状態へ戻ることは可能だろう。
しかし、「がん」になったという事実で受ける精神的負担はずっと残るし、新規の生命保険にもしばらくは加入できない。(抗がん剤治療を受けたことのあるがん患者さんからすると、そんなことで気に病むかな?と思うかもしれないが、深刻でないがんであっても、本人には結構ショックとなるもの)

それでは医療者と患者さんとその家族にとっての究極の目標は何か?
それが紹介記事で指摘された「その状態を普通と思えること」ではないかと自分は思う。

がんの症状や治療の副作用あるいは後遺症など、本人にとっては不本意で不快な状態を改善できれば良いが、できない場合は、状態が多少安定していたならばそれが「普通」と思えるような治療戦略と考え方が大変重要だ。

もちろん、がん進行や将来の不安という抜き差しならぬ問題はあっても、それは将来の話だとして切り離して、毎日の生活を「普通」に営むのだ。

当然、可能な限り苦痛緩和を行う事が前提だが、多少の不具合があっても、そういうものだという開き直りと慣れるという生き方が必要だ。

がんは死に至る病だからと深刻に考える時代では、ずっと先のことなど考えられなかった。
しかし、治療の進歩で今や「長生きのリスク」を考えなければならない。
治療の進歩がかえって不幸を招くというジレンマに立ち向かうためには、患者さん自身の考え方を進化させていかないと、残りの人生を楽しめない。
がんを治すという戦略を、がんになっても人生を楽しむという戦略へ切り替えることを推奨したい。


では、そのためにはどうすれば良いか?
次回以降に考えてみよう。


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第7回東京支部会(NPO法人宮崎がん共同勉強会)
がん患者さんやその家族、あるいはがんについて興味ある人は誰でもご参加いただけます。
当日は女性看護師も出席しますので、女性の方々もどうぞ。

ご自身あるいは当該がん患者さんの診療情報をお持ちください。
セカンドオピニオンほどではなくても、応用の利く助言ができると思います(ただし個別相談ではなく、出席者全員の前での助言となります)。
場所: 東京都新橋周辺
時間:2016年7月16日(土)14時から3時間(注意、前回とは時間が違います)

開催概要は以下のリンクをご参照ください。
https://sites.google.com/site/miyazakigkkb/
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