NPO法人宮崎がん共同勉強会 第7回東京支部会が2016年7月16土曜日14時から東京都新橋周辺で開催予定。
会場など詳細についてはこのブログで告示しますが、参加希望者はメッセージ機能で当方に事前連絡を御願いします。当日は女性看護師も出席しますので、女性の方々もどうぞ。

2016年6月18日土曜日、13:30より宮崎善仁会病院院内がんサロンを開催しますが、院外のご興味ある方も参加できます。事前に当方にメッセージをいただけるとありがたいですが、当日参加も可能です。

2016年6月25日土曜日、13:00より宮崎市郡医師会病院講義棟で第74回宮崎がん患者共同勉強会を開催します。今回のテーマは「がん治療にまつわる誤解はこんなにある」です。
当日は11時30分頃から患者さんだけの気軽なおしゃべり会を開いてますので、初めての方も気軽にご参加ください。
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2016-06-22 20:15:43

コメント編: 有用記事の紹介: 不信招く「分かったふり」

テーマ:有用書籍、記事の紹介

前回記事

有用記事の紹介: 不信招く「分かったふり」

のコメント欄からの引用です。

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みみさんより

 

当方、がん経験者の現役看護師です。30歳です。臨床経験は休職期間もあり8年くらいです。
貴方様の目に止まることを祈りコメントを残します。

患者と医療者の双方に足りないのは、伝えたい気持ちです。患者はわかってもらいたいし、医者は短い時間で知りたいです。

例えば、毎月診察しているのであれば、
前回の診察から今日までにあった症状、
今日の症状、
症状が出たときに受診するほどじゃないけど「うわ!絶対に抗がん剤の影響だ!」みたいな症状、
それによって困ったこと、
困ったけどどうしたら凌げたか、
今日までにどのような気持ちになったか、
どんな時に楽になるか、
今はどんなことが不安か、
治療は上手く行っているのか、
漠然とした治療に対する不安
を、診察の度に言うことが大切だと思います。

毎回メモにして受診を迎えていました。たかだか5分程度の診察室で、一月の患者の生活を知るのはベテランの医者でも難しいです。
そして患者もまた限られた時間で自分のツラい状況を伝えるのは難しいのです。
汲めない医者が多いと思います、患者も伝えるよう頑張ります!!

主治医が気づくことを信じて、私は再診の度に頑張ります!!

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医療者と患者さんの立場と認識の違いはいかんともしがたいものがありますが、両方の立場を知っている方ならではの、色々な気づきと工夫を教えていただき、大変有り難うございます。

 

-----患者と医療者の双方に足りないのは、伝えたい気持ちです。----

 

>当方のコメント

おっしゃるとおりで、伝えたいという要望の強さ、上手に伝えられることが治療の成否に関わるという認識、実際の伝えるための具体的な技法など、もっと注目され、開発されるべきものがたくさん残っていると感じます。

癌治療学会などでも、がん治療医ががんになった場合のセッションも取り上げられるようになってきました。

こういった領域をまたがった試みは医療系がんサバイバーの患者会なるものが発足すると、日本のがん治療で重要な役割を果たせそうなのですが、やってみませんか?

 

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プジョーさんより
「私はNPO法人宮崎がん共同勉強会でお手伝いしている一人で、がん患者です。月一の例会で仲間と会えるのが楽しみでこれが生き甲斐になっています。
 がんを経験された西村先生の「患者、医療者の『ずれ』実感」は納得です。
医師とのコミュニケーションに悩む患者は確かに多いです。私も最近このことで相談を受けました。
その方は市内の総合病院で治療中(成人T細胞白血病/リンパ腫)昨年の12月の例会に初めて友人と一緒に見えました。(68歳の男性です)
大変、人柄が良くて優しそうな方でしたが、主治医とコミュニケーションが取れないと言うのです。
実は彼、「セカンドオピニオン」を望んでいたのですがどうしても言えないらしかった。「先生から嫌われるとこれから困る」だったのです。
ある日、そのことで電話が来ました。内容は「やっと先生が分かってくれ九大病院を紹介され、明日行ってきます。」と喜んでいた。そして「また落ち着いたら電話する」で切れた。
その翌日、熊本地震が発生し道路が寸断、望みが叶えられないまま逝ってしまいました。こんなことありかとショックでした。
どうしてもうちょっと早く解決できなかったのか悔やまれます。
私、今も年4回定期検診を受けており主治医に会っていますが、いつも気軽な雰囲気を作ってくれますのでその点、幸せ者だと思っています。

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実はこの68歳の男性の共同勉強会での以下のような発言を当方は覚えている。

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主治医に治療についてわからない事があったので質問したのですが、

「そのことについては既に説明は終わっています」

と言われてしまいました。

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たぶん、そういったやりとりが外来診察で続いていたため、患者さん本人の要望を伝えることに勇気が必要になってしまったのだろう。

これはそのDr.の対応方法に問題があり、改善させるべき事だろうか?

 

あるいはこの患者さんが一度説明してもらったことをしっかり記憶していなかったことが悪いのだろうか?

 

この手の話では、

・患者同士あるいは一般の方の間では、医者の態度が悪いという話の流れになって行きやすい。

 

・医師同士、あるいは医師のコミュニティの間の話では、患者さんの理解力に問題があるという方向になりやすい。

 

はたしてどちらに問題があるのだろう?

 

実は自分はそのDr.の人柄はよく知っているが、決して患者さんに辛く当たる人格ではなく、温和でまじめな医師だ。

だが、限られた時間と体力の制約の中では、多くの患者さんを相手するために、自然と抑制的な診療となったのだろう。

 

一方患者さん側は、初めて経験する難しい医学用語や治療法を理解するのも手一杯だし、どうやって主治医とうまくやっていくかと言う方法を、病院側に教えるシステムが無い。

 

 

 

双方とも悪く、それぞれ改善すべきだろうという結論になりそうだが、じゃあどうすればいいのか?

 

前回の記事でわかるようにベテランのがん治療医でさえ、自分ががんにならないと気がつかない「ずれ」を問題にしているが、医者と患者さんがお互いの立場の背景を知ろうとしないことには始まらない。

 

・患者さんは主治医の顔色と診察時間を気遣って、本音を話せない。

→主治医は患者さんがあまり訴えないから問題ないと思ってしまう。

 

・主治医は短い診察時間で多数の患者さんをさばかないといけないプレッシャーを常に感じている。特に外来患者さんの中には予想外の病状悪化のため、治療変更に時間を喰われることが度々あるので、無難に診察をこなしたい。となるとあまりサービス的な患者さんへの声かけ、質問を自粛したくなる心理に陥る。

→医師が通常業務内で患者さんのことを知ろうとしても無理がある。

 

 

(皮肉なことに健康保険制度、高額医療制度で、非常に廉価な医療を受けられていることが、逆にこういった問題を引き起こしている。

患者さんが病院への支払いとは別に、医師へ高額な診療費を支払い、しかも交渉次第で値切りも可能という米国の医療制度のようなものであれば、患者さんは遠慮なく言いたいことを医師に言えるだろうし、医師も患者さんの満足度にかなり配慮するようになるはずだ。

以前患者さんの病院に対する不満のアンケートで、一位は診療待ち時間となっていた。

逆にこれは待ちさえすれば、診察を受けられるし、追加料金は必要ないから出てくる不満と言える。)

 

上手に診察を受けるための説明冊子などもあるが、特に診断されたばかりの患者さんは、「何がわからないのかがわからない」状態なので、それになかなかたどり着けない。

そういう心理をよく知っており、外来診察を受けるための実戦的な助言ができる「先輩」患者さんが、ちょっとお節介してくれれば、随分問題は解消できるだろう。

 

また主治医が同じ医師だった場合は、その人の性格や診療スタイルに合わせた助言もしてくれるかもしれない。

 

がん治療医が患者会に参加したらどうなるだろう。

時間制約と緊張を強いられる外来診察室と違い、患者さんは治療生活上の苦痛について遠慮なく感想を言える。

質問することに躊躇していた患者さんは、他の患者さんの質問を聞いて、その場でもっと踏み込んだ質問もできるようになる。

医師側は診察室では気がつかなかった、患者さんの悩みの深さ、意外な方向性を知るだろう。

 

元記事では医師ががんになって患者さんとのずれに気付いたことが書いているが、そういったケースは稀だ。

しかし患者サロンなどに参加して、ずれに気付き、修正することはそれほど無理なことではない。

このブログを見ているがん患者さんも自分の主治医をがんサロンなどに誘ってみてはどうだろう?

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2016-06-14 17:29:16

有用記事の紹介: 不信招く「分かったふり」

テーマ:有用書籍、記事の紹介

不信招く「分かったふり」=金沢赤十字病院副院長・西村元一
http://mainichi.jp/articles/20160515/ddm/016/040/050000c

 

FBでシェアした記事ですが、当方でさらに補足を加えたいので 紹介します。

肝転移を伴う進行胃がんの抗がん剤治療と手術を受け、現在も治療中の消化器外科医の方です。

がん患者や医療者が集うグループ「がんとむきあう会」代表

 

まだ連載継続中ですが、「医療する立場」から「受ける立場」へ変わった当事者しかわからない事実がわかります。

医療関係者に是非とも読んでほしい。

 

 

記事より一部引用
ーーーー
私もがんと分かる前は、患者としての経験がなく、患者の皆さんからいろいろなことを学ぼうと心がけていたつもりです。ところが、それだけでは私の質問に対する回答以上の情報を得ることはできませんでした。さらに、医療者側の興味は治療に関することが中心ですが、患者の皆さんは普段の生活についても知りたいと考えています。それに十分に気付けなかったことが「ずれ」を生んでいたと思います。「ずれ」を少しでも小さくするため、互いを理解し合う、つまり対話する時間が必要だと考えて努力したつもりでしたが、それだけでは越えられない山があるような気もしていました。

 自分自身が患者となってみると、手術後の痛みの状態や抗がん剤治療の副作用など、一つ一つが想像していたものとは異なっていました。
~中略~

 がんの告知を受けた後の精神的な状況について、以前の私は「単純に落ち込むものだろう」と考えていましたが、実際は全く違いました。本当に周りが色を失い、灰色だけの世界のように見えることが分かったのです。やはり「体験してみないと分からない」と思いましたし、患者が自分の心境を説明することも難しく感じました。

 患者の思いを医療者が理解するにはどうすれば良いのでしょうか。少なくとも医療者は「分かったふり」はやめるべきです。簡単に「あなたの気持ちはよく分かります」と言われると、逆に患者には「本当に分かっているのか?」と不信感のようなものが生じます。患者となった私が医療者とやりとりした際、流ちょうに説明されるよりも、「その気持ちまでは分かりましたが、その先はちょっと分かりません」と正直に言ってもらった方が安心できました。患者自身も、元気な医療者が患者の立場を理解することは難しいということを踏まえ、やりとりすることが大切だと思います。
ーーここまで引用

 

医療者も患者会に参加したほうが良いと思う理由が書かれていると感じたが、当方としてはもう一歩踏み込んだ事実を書きたい 。

 

記事の著者はがん治療医として相当なベテランの先生で、患者さんのことをわかっていたつもりが、実際の症状や、精神状況は理解できていなかったと述べている。それどころかがん治療以外の広範な問題には気付いていなかったとショックを受けたとのこと。

 

この証言からわかるように、医療者が患者さんのことをわかってくれているはずだという思い込みは、幻想だと考えてほしい。

 

医療者にも患者さんとの相性や、親身になってくれる人やそうでない人など色々いるが、つまる所、自分が病人(がん患者)になった事のない人間には気付かない点や理解できないことが普通にある。

問題は患者ー医療者がお互いのことを理解できるはずだという期待が裏切られたときに、怒りや不満が出てくることだろう。

 

これはお互い理解できているはずだという前提がある事自体が大きな間違いであり、原因といえる。

普通に診察、面談、説明すればわかるはずと思っているから、誤解を生じさせないための対策は手薄になる。

 

最初から相互理解は非常に難しいものだという認識があれば、自ずから積極的に対策を考えるはず(例えば医師患者誤解学みたいな学問があってもいい)。

しかし今回の記事のように、患者となった医者でないとその重要性に気付かないとなれば、注目されることは難しい。

 

せめて、医療者が患者会に定期的に出席して忌憚のない意見を聞くようになれば、随分違うのだが。

 

NPO法人宮崎がん勉強会で聞く主治医への不満は、当方がその患者さんの主治医ではないため、遠慮なく言ってもらえる。

 

もちろん、主治医側に問題があるケースはある。

しかし、主治医の医療者としての立場や考え方が当方にはわかるので、患者さん側の思い違いで不満が生じていることも少なくない。

 

そういった立場の違いを認識してもらい、どうやったら効率的に主治医とうまくやっていけるかをアドバイスすると、相談した患者さんには喜んでもらえることが多い。

 

一方で、自分たちは患者さん達のことをわかっていなかったなあと感じることも多々あり、患者会は医療者にとっても大変刺激的かつ有益な場だ。

 

この記事の著者が、がん患者や医療者が集うグループ「がんとむきあう会」代表になっていることがその証左ではないだろうか。

 

 

ーーー告示ーーーー

第7回東京支部会(NPO法人宮崎がん共同勉強会)

2016年7月16土曜日14時から東京都新橋周辺で開催予定。

がん患者さんやその家族、あるいはがんについて興味ある人は誰でもご参加いただけます。

当日は女性看護師も出席しますので、女性の方々もどうぞ。

 

ご自身あるいは当該がん患者さんの診療情報をお持ちください。

セカンドオピニオンほどではなくても、応用の利く助言ができると思います(ただし個別相談ではなく、出席者全員の前での助言となります)。

 

 

開催概要は以下のリンクをご参照ください。

https://sites.google.com/site/miyazakigkkb/

 

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2016-06-09 17:31:31

有用記事の紹介: がんに効く?食事療法の嘘

テーマ:有用書籍、記事の紹介

このブログでも著作を紹介したことのある腫瘍内科医、勝俣先生の興味深い記事を紹介します。

 

がんに効く?食事療法の嘘(上)生活習慣を見直す…その効果は?

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160513-OYTET50025/?catname=column_katsumata-noriyuki

 

より部分的に抜粋---------------

 

「食事でがんが治る」
 「がんが消えていく食事療法」
 「食べ物で余命数か月のがんが消えた」

 などの食事でがんを治すとうたった本は、たちまちベストセラーになるそうです。

~中略~

 がんと食事の関係を考える場合には、予防的効果と治療的効果に分けて考える必要があります。

32万4,653人を対象とした24の研究結果は、どのビタミン、サプリメント摂取(ビタミンA、C、D、葉酸、セレン、カルシウム)をしても、がんの発生は予防できなかったという結果でした。

このうち、ベータカロチンと、ビタミンEを使った予防研究は研究結果が一定して否定的でした。

ベータカロチンを使った11万2,820人を対象とした6つのランダム化比較研究をまとめた結果では、何と、ベータカロチンを予防的に飲んでもらった群では、がんを予防するどころか、喫煙者に対して、肺がんの発生が増えてしまいました。

~中略~

ベータカロチンは、緑黄色野菜に多く含まれるビタミンA前駆体です。日本でも健康食品として一時期はやりました。

ベータカロチンを過剰摂取すると、なぜ、がんが増えてしまったのかは、明らかではありませんが、偏ったものを過剰摂取することは、正常細胞を痛めつけることにもなります。細胞のがん化の機序はまず、正常細胞に傷がつくこと、すなわち、遺伝子に異常が起こることから始まりますので、ベータカロチンの過剰摂取が何らかの仕組みで遺伝子異常を引き起こしたのかもしれません。

---------------

がんに効く?食事療法の嘘(下)食事療法を信じていたNさんの話

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160527-OYTET50036/?from=ym

 

より部分的に抜粋---------------

食事療法で、生活の質が上がればよいのですが、玄米・菜食など、つらい思いまでしてやるような食事療法でしたら、生活の質を上げるどころか、生活の質を下げてしまいます。

 おいしい食事を楽しくいただくことのほうが明らかに生活の質を上げることができると思います。

 ちまたには、「食事でがんを治す」「がんに効く食事」などの決して、科学的とは言えない本が多く出回っています。

 このような著書を医師が執筆している場合も多いのですが、たいていは、きちんとした専門医でないことが多いので注意が必要と思います。

 食事療法やサプリメントなどの情報は、患者さんにとっては、聞こえがよく、自分でできる方法として、すぐに飛びついてしまわれるかもしれませんが、無理な食事療法は、科学的でないことに加えて、生活の質を低下させ、がんに効くどころか、命まで短くさせかねないことになりますので、注意していただきたいと思います。

---------------ここまで引用

 

 

患者会では頻繁に食事療法についての質問を受けるが、その対応には苦慮することが多い。

なぜなら

 

①以下のような各患者さんの個別の(必ずしも明快ではない)理由や考え方を判別しなければならないこと。

・がんになったのは食生活に原因があったからだ

・がんを再発させないための食事療法があるはずだ。

・抗がん剤治療だけでは不安なので、治療に役立つものを選んで食べたい。

・抗がん剤はいやなので、食事療法でがんを治したい。

・食事療法でがんをなおせるといった類いの本を読んだ。

・知人から○○を摂取すると良いと勧められた、等々。

 

②上記理由ごとに本人が信じている食事療法の問題点を説明しなければならないこと

 

③食事療法の意義、データについては患者さんと医師の見ている方向が違うこと。

 

④さらにデータの信頼度(エビデンスレベル)の説明理解が不可欠なこと。

 

⑤食事療法を信じている本人の希望を正面から否定することが本当に良いことかその場では判断しにくいこと。

 

と言う感じで、短時間ではうまく説明できないことが多いからだ。

 

後述のリンク先の過去記事のように、当方も解説に手間をかけているが、今回の紹介記事は科学的妥当性も含めて一般の方でも非常に分かりやすい。

長々と引用したのは恐縮ながら、紹介したリンク先を是非ともご一読願いたい。

 

当方からがん再発防止目的の食事療法の事について、敢えて言わせてもらうと、「健康を損ねる一種の偏食」(実行中の方には失礼だが)と表現したい。

 

参考: 炭水化物摂取とがん⑨理論より結果を優先する

http://ameblo.jp/miyazakigkkb/entry-11134809161.html

 

くせもの(医学)用語解説 IX「がんにならない食事」①

http://ameblo.jp/miyazakigkkb/entry-10860446538.html#main

 

くせもの(医学)用語解説 IX「がんにならない食事」②

http://ameblo.jp/miyazakigkkb/entry-10861365362.html#main

 

くせもの(医学)用語解説 IX「がんにならない食事」③

http://ameblo.jp/miyazakigkkb/entry-10862477928.html#main

 

くせもの(医学)用語解説 IX「がんにならない食事」④

http://ameblo.jp/miyazakigkkb/entry-10863345211.html#main

 

 

ここで③食事療法の意義、データについては患者さんと医師の見ている方向が違うこと。

について少し補足しておく。

がん治療でも色々な場面が、がん切除術後の補助化学療法を一例として考えてみる。

 

術後補助化学療法は経口抗がん剤であれば半年から1年ぐらい、点滴の抗がん剤であれば6コース程度の治療期間が一般的だ。

ここで問題となるのは術後補助化学療法をやっておけば、がんの再発は防げると思い込んでいる患者さんが結構いることだ。

 

もちろん、主治医はきちんと説明しているだろうが、改めて質問してみると、意外と理解できていない。

 

がん種によっても随分違う。例えば乳がんでは約3割も再発率が下がることが期待できるが、大腸がんではたかだか5~7%ぐらいしか下がらないことがわかっている。

 

しかし完治するのと再発するのでは、その後の人生は雲泥の差となるため、患者さんを「集団として」見ている医療側は術後補助化学療法は「全体として」価値があると考える。

 

ところが、補助化学療法しても再発する人はするし、しなくても再発しない人はしないケースも一定の割合であるのも事実。患者さんにとっては、「個人としての結果」がすべてであるから、再発しなかった場合、抗がん剤治療をやってその人に本当に価値があったかは「永遠に謎」のままだ。

 

一方、副作用は実感でき、時に後遺症が残るから、それを受け入れるだけの治療の意味を理解した人でないと不満が残りやすい。このことを治療説明時に、医師と患者さん側で繰り返し確認しておかないと非常に後悔することになる。

 

かつて、乳癌術後補助化学療法後の不可逆的脱毛の件でこのブログのコメント欄が炎上したのは、治療効果の医学的価値と副作用を受け止める患者さんの個人的価値観が、治療後になって衝突したためだ。

 

参考: 抗がん剤による不可逆的脱毛について①

http://ameblo.jp/miyazakigkkb/entry-11908763707.html

 

患者さんが信じておこなっている食事療法についても同様な構図だ。

⑤食事療法を信じている本人の希望を正面から否定することが本当に良いことかその場では判断しにくいこと

について

 

 

がん再発を抑制する食事療法の証拠は存在しない。

 

特定の食物やサプリメントを摂取するというのはよく聞くが、いずれもがん再発抑制を説明する「理論」だけで主張されているものばかりであり、再現性のある「結果」としてのデータがない。

そうなるとそのがん患者さん自身に対する再発抑制効果は、前述した術後補助化学療法のようなエビデンスのある治療法以上に「永遠に誰にもわからない」ということになる。

 

かといって患者会で、患者さん達が良いと信じている食事療法を無下に否定するのも、実は結構難しい。

医学的な妥当性がないと断じたつもりが、当の患者さんと家族の真摯な努力と意欲まで否定されたと受け取られかねないからだ。

そういった訳であまりストレートな回答しても、質問者の気分を害し反発を買うことになるで、高額なものは避け、極端なことはしないほうが、いいのではと助言している。

 

ただし、以下のことだけは伝えている

・食事を楽しめないものはよくない→何のための人生かわからなくなるし、ストレスとなる

・本来の栄養摂取が阻害され、体重減少を来すような食事療法は避けた方が良い(玄米食なども含む)→筋力、免疫力、体力が減る→寿命が短くなる

・野菜ジュースはかなりの糖質が含まれるので、注意が必要。

 

ーーー

 

第6回東京支部会(NPO法人宮崎がん共同勉強会)

がん患者さんやその家族、あるいはがんについて興味ある人は誰でもご参加いただけます。

当日は女性看護師も出席しますので、女性の方々もどうぞ。

 

ご自身あるいは当該がん患者さんの診療情報をお持ちください。

セカンドオピニオンほどではなくても、応用の利く助言ができると思います(ただし個別相談ではなく、出席者全員の前での助言となります)。

 

 

開催概要は以下のリンクをご参照ください。

https://sites.google.com/site/miyazakigkkb/

 

なお

第7回は7月16日土曜日14時から17時を予定しています。

 

 

2016-05-02 19:52:10

質問と回答: 主治医が緩和ケアチームへのコンサルトをいやがる場合どうすれば良い?

テーマ:質問と回答

もう20年ぐらい前、自分が医学生の時、大学病院の教授回診ですごい光景を目撃した。

研修医の主治医がベッドサイドで受持患者の病状を説明していた。
もともとその内科教室(各科の医局のことを指す)の専門分野の疾患の精査目的で入院したのだが、入院中に別の内分泌疾患(ホルモン産生下垂体腫瘍など)が見つかった。
その内分泌疾患領域は別の内科学教室が専門的にやっているので、そちらにコンサルトしましたといった旨を主治医が教授に説明したところ、その教授は突然英語でその主治医を罵倒し始めたのだ。

もちろんその場にいる患者さんにはわからないように英語に切り替えたわけだが、急に緊張した雰囲気になった場面で患者さんはきょとんとしている。
要は「他の内科学教室に頼るとは何事だ!なぜ君やうちの内科学教室で診きってやらないのだ?」という叱責だった。

大学病院では各専門領域の疾患の研究診療をおこなっているが、患者さんによってはそれから外れた疾患や症状を持っていることがある。
そういった場合、医師は患者さんのために専門外であっても、時間外であっても無条件に問題解決に当たることが当然という意識を持っている。
パターナリズム(父性主義)といって、医師が患者さんのためなら、ほとんどすべてにおいて良い方向となるような決定をして当たり前、という考え方が昔からあるのだ。
医師の独断の様にも見えるが、難しい理論や判断は患者さんに説明しても理解できないから、患者さん側としてもかえって任せたほうが安心で楽だということが伝統的に受け入れられてきた。

自分は医師国家試験合格後、その内科学教室に入局した。
その後外部の関連病院に派遣されていたが、15年ぶりにその大学病院の内科学教室にもどったときは驚いた。
あれほど自分の教室で患者さんのすべての病気を診ると言う方針だったものが、専門領域の以外の余計な検査はするなと言う方針に変わっていたからだ(まだ同じ教授がいたというのに)。

これは高齢化が進み、複数の疾患を持っている入院患者さんが増えたこと、大学病院の入退院ベッドの回転速度を早め、入院期間が長くならないよう上から圧力が高まったことなどがその要因だろう。

専門領域関係なくすべて任せてくれと言う古い診療スタイルは

・サービス精神
・病気は治すものだ

という土台からなっていた。
ところが最近は専門化が極端に進んできたため、専門外の事にはあまり関わりたくないという意識が出てきている。
また抗生剤で感染症を治す、あるいは手術で完治を目指す病気より、生活習慣病のように病状をコントロールして病気と折り合って生きていく場面が多くなったため、短期決戦ではすまなくなってきた。

近年セカンドオピニオン外来というものが広がってきたが、主治医がいい顔をしないとか、あるいは申し訳ない気がして、患者さん側からはなかなか頼みづらいとの声がある。

セカンドオピニオンのための紹介状を書いてほしいという患者さんから頼まれたとき、主治医は医師自身の度量とサービス精神が否定されたような感覚に襲われて、ついむっとした顔つきになるのかもしれない。

しかし今の時代、主治医の力量の範囲で患者さんの病状と不満をすべて解決するのは難しい。
したがって、セカンドオピニオンへ紹介希望があれば、すぐに承諾してくれる医師が今後増えてくるものと考えられる。上記のようにいい顔をしないかもしれないやや古いタイプの医師は徐々に減っていくだろう。

同様な構図で主治医に緩和ケア外来あるいは緩和ケアチームへの紹介依頼というものがある。

ここで4月9日の共同勉強会東京支部で出た話題を紹介する。

がん症状緩和が不十分と考えられ、患者さんが主治医に緩和ケアチームへの紹介をお願いしても、いい顔をしない医師がいる。
特に年長でベテランの医師。
患者会ではそういった融通の利かないベテラン医師が自然淘汰あるいは引退するまで待たなければならないのか?と言う意見が出ているらしい。

最近、診断時からの緩和ケアが重要と言うことは、厚労省が主導する緩和ケア研修会でも強調されている。
従来緩和ケアと言えばターミナルケアつまり終末期患者さんへの医療とされてきたが、診断時から緩和ケア外来の併診があった場合は、抗がん剤治療がよりうまくいって予後が改善するという報告が出てきた。
そのため病院長などの管理者も受講するよう勧告がなされている。

多くのがん患者さんを抱える病院では担当医が多忙で、患者さんとなかなかコミュニケーションをとる時間がない。
そのためお互いの意思疎通に問題が生じやすい。医師は限られた時間で、できるだけの事をして患者さんの治療をうまくいかせようと頑張っている一方、患者さんはそんな多忙な主治医の状況を見て、なかなか時間をとって相談がしにくい。
医師が考えている治療戦略の背景と、患者さんが優先したい価値観の背景を、お互いが十分知らないが為にすれ違いが生じていることで、不満がたまりやすいのだ。

その問題と解決法については、ここではリンクを提示するかわりに、あまり深入りしないが、次のように回答した。
ーーーー参考リンクーーーーー
大腸癌化学療法のつらさをどう伝えるか
http://ameblo.jp/miyazakigkkb/entry-11412767448.html

質問: 病院の対応がわるいのはなぜ?
http://ameblo.jp/miyazakigkkb/entry-11478473690.html

患者さんのための乳がん診療ガイドライン④上手なコミュニケーションとは
http://ameblo.jp/miyazakigkkb/entry-11033487372.html

ーーーーーーーーーーーーーー

一見融通が利かない様に見える医師も、長年の経験を元にした信念を持ち、治療医としてがん治療の進歩について行こうとしている。
実際がんの診療というのは常に進歩しているが、医学的妥当性だけでなく、患者さんの価値観を知った上で満足度も考慮しなければならなくなってきている。

となると患者さんが要望した緩和ケアコンサルトを渋る場合は、説得あるいは誘導する必要があるだろう。
それがうまくいかなくても、患者さん側はみんなで結託してあの手この手で働きかけ続ける必要がある。
というのは、そうしないとそういう患者さん側のニーズが増えていると言う事に担当医が気付くのが遅れるからだ。
ここで大事なのは----
・自分が一番困っている事、気にしている事とその理由を箇条書きにして、事前に手紙として郵送しておく事。
・あるいは事前に受付にその手紙を渡しておいて電子カルテにスキャンしてもらうともっと良い(握りつぶししにくくなる)
・看護師や薬剤師に事前に渡しておいて、手伝ってもらう事も有効。-----

確かに主治医の機嫌を損ねる、あるいはいやな顔をされるのは気分の良いものではない。
しかし、これは患者さん自身の今後の治療の快適さだけでなく、これから治療を受ける患者さん達に多大な影響を与える大事な「社会貢献」なのだ。

そしてそれは、当初いやな気分になった主治医にとっても、長い目で見るとがん治療をうまくいかせる、あるいは患者さんから感謝されるという大きなメリットを享受できる事になる。

誤解を恐れず表現すると「患者さんは主治医を教育する義務がある」と言っても良い。

医療関係者には反感を買うかもしれないが、この真意は結局医療関係者だけが一生懸命努力してもうまく行かないし、患者さんも努力して両者の関係性を改善していかないと最善の治療とならないからだ。

相手を変えようとしても変えられない事が多く、それは大変なストレスとなる。
しかしその相手との「関係性=つきあい方」は変えられると言う意味ととってほしい。


ーーーーーーーーーー
NPO法人宮崎がん共同勉強会 第5回東京支部会開催告示

がん患者さんやその家族、あるいはがんについて興味ある人は誰でもご参加いただけます。
当日は女性看護師も出席しますので、女性の方々もどうぞ。
ご自身あるいは当該がん患者さんの診療情報をお持ちください。

セカンドオピニオンほどではなくても、応用の利く助言ができると思います(ただし個別相談ではなく、出席者全員の前での助言となります)。

事前に人数確認が必要なので、参加希望者はメッセージ機能で当方に1週間前ぐらいまでに事前連絡を御願いします(連絡先記入はアメブロで禁止されています)。

時間:2016年5月14日(土) 14時から3時間ほど
場所: 東京JR新橋駅近くの会議室

参加費用: お飲み物代含めて1000円

開催概要は以下のリンクをご参照ください。

https://sites.google.com/site/miyazakigkkb/

今後は基本的に毎月開催する予定です。第6回は6月11日土曜日11~14時の予定です。

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2016-04-23 16:40:33

ロキソニンの副作用報道について

テーマ:患者医師間の意思疎通問題

先日共同勉強会東京支部会で、食道がんの骨転移で痛みのコントロールに苦労している患者さんがいた。
徐放性(長時間作用)医療用麻薬のオキシコンチンを増量して対応しておられたが、ロキソニンの副作用報道が気になって、一日3回定期内服を1回ぐらいに減らしているという。

報道で自分が使用している薬剤の危険性を知ると心穏やかでなくなってしまうのはよく理解できるが、これは以下の点でまずい。

①ロキソニンを始め、NSAIDs(非ステロイド系解熱鎮痛薬)という系統の薬剤は非常にたくさん出回っている。バファリン(一般名アスピリン)、カロナール(一般名アセトアミノフェン)など数え切れないほどあるが、その副作用も同様なものが百種類以上とっくの昔に報告されている。いやそれどころか総合感冒薬も同様に非常に多数の副作用は知られている。薬剤の添付文書を見ればすぐわかる。

NSAIDs(非ステロイド系解熱鎮痛薬)の頻度の高い副作用としては胃潰瘍、胃痛がよく知られているが、あまり大腸内視鏡検査はしない。
限られた医療機関でしかできない小腸内視鏡やカプセル内視鏡でしかわからない小腸大腸の輪状潰瘍、狭窄は消化器科の医師の間では常識であろう。

今回ロキソニンがたまたま使用している人が多く、非常に知名度が高かったため注目を浴びて、マスコミで取り上げられたが、突出して危険度が高いという認識は医療側にはない。

もちろん注意は必要だが、患者さん側が、特に不調もないのに闇雲に使用制限するのはやり過ぎだろう。
進行がんの患者さんの疼痛対策でまず最初に定期使用し始める代表的な薬剤がロキソニンである。
理由は鎮痛効果が強力で、比較的副作用が少ないため、つらくQOLが下がるがん疼痛を緩和する薬剤としては不利益を織り込んだ上で有用性が高いから。
副作用を疑わせる症状が無ければ、マスコミ報道で自分で勝手に減量するのは理にかなっていないだろう。
はっきりいって副作用だけなら抗がん剤の方がよほど危険だ。その危険な抗がん剤を敢えて使う理由は、がん進行のほうがずっと危険だからだ。

②がん疼痛にまず最初にNSAIDsを使い、力不足であれば医療用麻薬を使う事がある。しかしその場合でもNSAIDsの減量中止はしない方が良い。医療用麻薬とNSAIDsは作用機序が違うので、置き換えるべきものではない。むしろ併用する事で相乗効果が得られるからだ。

③医療用麻薬は内臓痛(腹痛など)に効果を発揮しやすいが、NSAIDsは体性痛といって外傷や骨転移痛に効きやすいという特徴がある。つまり今回の場合ロキソニンを抜くとかえって骨痛の制御が難しくなるだろう。

通常ロキソニンの副作用としては胃十二指腸潰瘍が有名だが、潰瘍を起こしても、鎮痛作用があるため、本人はちょっとした不快感ぐらいしか自覚がなく、吐下血を起こして初めて判明する事もある。
ただこの副作用の危険因子で最も大きいものは加齢であり、若い人で潰瘍を起こす人は少ない。
筆者も30歳の女性で直腸潰瘍を起こした例を見た事があるが、通常の倍量を服用して起こしたものだった。

薬剤は主作用と副作用がつきものだが、それを両方見比べながら、医療側は処方している。

もちろん心情的に飲みたくないという気持ちがあれば、その理由を明らかにして主治医に相談すべきだろう。
最終決定権は患者さん側にあり、無理に継続させられる事はないはずだ。

相談してもらえれば主治医は患者さんの誤解を解く説明ができるかもしれないし、なにより、疼痛コントロールが悪いからと追加の鎮痛剤を出しかねない行き違いが生じやすくなる。

こういった小さい行き違いを放置しておくと、がん治療が将来うまく行かなくなる誘因となることを留意してほしい。
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2016-03-30 23:18:47

有用書籍の紹介: 「がんとともに、自分らしく生きる」 高野 利実 (著)

テーマ:有用書籍、記事の紹介
がんとともに、自分らしく生きる―希望をもって、がんと向き合う「HBM」のすすめ―/きずな出版

¥1,728
Amazon.co.jp

この本の印象を一言で言うと
「近藤誠氏から始まった「抗がん剤は効かない」論争から、ようやくがん治療の核心に近づいてきた」ということだ。

抗がん剤を使う使わないという戦術論だけではなく、「患者さんが幸せになるためにはどうやってがん治療を進めていくべきか」という戦略論を展開している。これなしでは、なんのためのがん治療かわからなくなってしまうからだ。

著者は非常に多くの臨床経験を有した第一線の腫瘍内科医であるが、決してがん患者さんに一律に抗がん剤を勧めることはしない。
患者さんの価値観を知り、相談に乗り、利用できる科学的根拠のあるがん治療を提案していく。
お互い十分にコミュニケーションを取りながら、その時における最善の選択肢を一緒に探すという姿勢は、がん治療の一つの理想に近いと言えるだろう。
医学的論争が多かった類書とは違い、かなり実際の患者さんよりになってきている。

印象に残る文面を抜き出す「→」は付け足した当方の感想

・がんと共に生きる →がん治療は勝ち負けではない
・抗がん剤は元気になるために使うもの →このことをはっきり表現してくれる書籍は今まであまりなかった!
・抗がん剤を使わないという選択 →抗がん剤は使える多くの治療法の一手段に過ぎない
・抗がん剤の効果と副作用のバランス →「効く、効かない」「副作用がきつい、きつくない」という二者択一ではない
・がんのイメージに苦しむ患者さん →「がん=死」という過剰なイメージが患者さんを無用に苦しめて、正常な判断を妨げている
・抗がん剤が人生のすべて? →「治療する事」自体が目的になってしまっている人がいる。本当の目的は本人の苦痛緩和と希望の保持
・がんになっても人生が終わるわけではない →がんを意識せず日常を楽しむ考え方に行き着くことも可能
・がんのおかげで得られたもの →がんで人生が狭まるだけではない。逆に本人の世界が広がる分野もある
・いつでもそこにある希望の医療が「緩和ケア」それは「医療そのもの」 →緩和ケアは特別な医療ではない。いつでもどの段階でも併存すべき存在。医療界は「治す」ことに偏りすぎる。
・治らない病気と向き合うということ
・使える抗がん剤がなくなったりすると「もう治療法がありません」と言い放ってしまう医師もいるようですが、それは間違いです。
→この指摘はまさに大きな問題で、がん治療においては最期までやれる治療はたくさんあるといいたい。病気を治すことに一生懸命な医師だとつい言ってしまうのだろうが、確かにひどい表現だと思う。

近藤誠氏の主張の3つの問題点
1.「抗がん剤は絶対ダメ」と主張するだけで思考停止している
2.EBMのルールを無視し、エビデンスを偽装している
3.がん患者を放置している

上記に関しては今まで類書でさんざん指摘されているが、当方はもう一つ加えたい。
それは
「個別対応こそがキモのがん治療において、医師と患者の協力体制を無意味に破壊して双方が不幸となる」

最終的な著者の言いたいことは「もっと人生全体を見渡して、「感謝」や「幸せ」を感じることができたなら、それは治療の進歩以上に価値あることですし、それを支えるのが、本当の医療なのだと思います」という文に集約されると感じた。

この本を通して著書の強い主張をもうひとつ指摘しておきたい。
がんもがん患者さんも、性質、事情は皆 ばらばらで全部違うのだから、「がん」と「がん治療」のレッテル化はやめましょうと言うことではないだろうか。

この本はがん患者さんや家族だけでなく、がん医療に携わるすべての医師や医療関係者に読んでほしい一冊。
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2016-03-21 13:36:20

質問と回答: 転移性肺腫瘍への放射線ピンポイント照射に意味はあるか?

テーマ:質問と回答
2016年3月5日のNPO法人宮崎がん患者共同勉強会東京支部会での質疑応答を紹介します。

・乳がん術後10年後の再発で、多発肺転移がある場合、四次元ピンポイント照射は意味があるか?

肺転移へのピンポイント照射



発生臓器と病理組織の型でがんの性質は大まかに分類されている。
原発巣という発生した場所から離れた臓器に転移した場合を、ステージIVとなり、根治は不可能な状態を示している。
ただし、大腸がんのように数個の肝転移、1~2個ぐらいの肺転移であれば、外科切除で根治できるケースがありえる。肝臓の部分切除であれば、再生能力の高い肝細胞が数ヶ月で再生するので、結構大きく切除できる。また再生した後に再切除できることもある(しかしそれは多数派ではない)。

ところが、転移性肺腫瘍に対して肺切除をおこなうと、確実に肺活量が減り、それは元に戻らないので、安易に肺切除できない。
ラジオ波で転移巣だけを焼灼すれば、それほど肺活量は減らずにすむが、がんが残存することも多いので、メリットがあるかどうかは慎重に判断する必要がある。

さて今回の質問であった乳がんの肺転移では「四次元ピンポイント照射療法」で効果が期待できるか?というものだった。
もちろん当方はそれをおこなっている施設に所属しているわけではないので、正式な回答ができるわけではないが、通常のがん治療理論から判断して助言した。

「四次元ピンポイント照射療法」とはがんの存在する部位のみに限定して三次元照射して、同時に呼吸による肺の病巣の動きもコンピュータで計算して追随する照射のことを言うのだろう。
つまり三次元+時間偏位を合わせて四次元としている。
これに似た治療法としてサイバーナイフというものがある。

ここで質問があった今回の乳がん多発肺転移への「四次元ピンポイント照射療法」について考える。

肺に多発転移があっても、それぞれにピンポイント照射すれば良いような気がするかもしれない。

しかしこの場合おそらくCT画像に写らない多数の微小転移があり、多くの転移巣で最も大きいものが目に見えるだけだろう。

ということは、すくなくとも見えてる転移がんすべてに照射しても、すぐに見えない微小転移が増大して元の木阿弥になるだろう。

多発肺転移があっても、それぞれの腫瘍があまり大きくなければ、その合計分だけの肺活量が減るだけなので、基本的に症状はないはずだ。
たとえピンポイント照射であっても、放射線治療は肺障害の危険性もあるから、根治できないならやるだけ損ということになる。
むしろ、怖いのは目に見えない小さいがんが砂のように血管やリンパ管に詰まる、がん性リンパ管症に移行することだ。
この場合肺の毛細血管の微小循環血流が詰まって、ガス交換ができなくなる。つまり急速に呼吸ができなくなる。
このがん性リンパ管症は非常に怖い病態で、緊急事態と言って良い。
たとえ目に見えない病変であっても薬剤が到達するという意味では抗がん剤治療のほうが理にかなっている。

ただし、主気管支に大きい転移がんが浸潤して、窒息する危険性が高く、その圧迫症状を取ることが、余命に大きく寄与するのであれば、「四次元ピンポイント照射療法」は意味があるかもしれない。
ただそれも緊急避難的な意味であり、いずれ抗がん剤治療が必要だろう。
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2016-03-08 18:30:18

第2回東京支部会④-2 低用量抗がん剤は場合による

テーマ:がん患者共同勉強会


前回記事で、きつくて減量して「結果してはありかもしれない」と回答した抗がん剤の低用量投与法は、以下の3つのケースを提示した。

①再発予防目的の術後補助化学療法
②白血病や悪性リンパ腫、卵巣がん、精巣がんのように本質的に治癒可能性のあるがん種に対する化学療法
③肺がんや消化器がんのような固形がんstage IVに対する緩和療法的化学療法


①再発予防目的の術後補助化学療法の場合

切除術後に再発する可能性を30%程度低下させる乳がんと、5~10%しか低下効果のない胃がん、大腸がんでは、分けて考える必要がある。

乳がんの場合、術後の強力な化学療法がその後の再発率や生存率をかなり改善しており、抗がん剤を安易に減量すべきではないという報告があるのは事実。
これは対象患者が比較的若年層なので、その気になれば副作用に耐えられやすいのだろう。

再発するのと、しないのでは、がん治療から解放されるか、一生がん治療につきあわなければならないという意味ではその後の人生が一変するため、多少頑張ってもらおうと言うことだ。

一方大腸がんでは、XELOX療法を例に挙げると、原法通り忠実に行うよりも、患者の副作用や状態に応じて、投与量減量や投与間隔を空けたほうが、再発率はむしろ下がるとされているので、逆の印象がある。

しかしその意味は、本人の状態にかまわず無理矢理投与量を維持すると、治療のきつさから途中で脱落しまうからだ。
そのため、かえって抗がん剤の総投与量が減ってしまい、結果として再発率の改善が得られない。

(※患者数の多い乳がん、大腸がんを代表例として挙げた。ただし、がん種が違ったら、お互いの治療薬も成績も全く異なり、直接の参考にはならないことも注意してほしい。)

②白血病や悪性リンパ腫、卵巣がん、精巣がんのように本質的に治癒可能性のあるがん種に対する化学療法
の場合


本人の状態があれば、可能な限りの副作用対策をおこなって、標準的な量の抗がん剤治療を行う。

完治するチャンスがあるのならば、多少きつくても、長い目で見て本人の利益につながるからだ。ここで低用量の抗がん剤を安易に勧めるのは、目先の利益のために将来を見誤ることになり、倫理的に問題がある。

③肺がんや消化器がんのような固形がんstage IVに対する緩和療法的化学療法

こういったがん種の場合、抗がん剤ではがん細胞を全部消滅させることができないことがわかっている。よってがんとの共存をはかり、がん症状を緩和することを目標としている。

またこういったがん種の患者さんが比較的高齢で、他の病気を持っていたりして、あまり状態が良くないことがある。
もちろん、臨床試験に参加できるような普通の人と変わらない元気な人では通常量の抗がん剤を勧めるべきであり、安易な低用量抗がん剤治療は推奨できない。
その理由は、標準量の抗がん剤のほうが抗腫瘍作用は強いのはわかっている一方で、患者さん全員に必ずしも強い副作用が出るとは限らないからだ。

したがって、まずは、通常量で行っていく。
腫瘍が縮小すれば良いが、縮小しても副作用で苦しむ場合が生じる。
ここで重要なのは、その副作用の程度であり、患者さん本人にとって「切実」なものかどうかだ。
言い換えると、数ヶ月から1年ぐらいはそれほど無理なく継続できると見込める程度に副作用をコントロールすることが大変重要となる。これは制吐剤などの副作用対策と抗がん剤の微調整が柱となる。

「がんと共存する」→「少なくともがんを増大させない」

と言う戦略においては、どんなに効果的な治療でも継続できなければ治療失敗となるからだ。
がんの総量がそれほど多くなく、危険な転移やがん自体のタチの悪さがなければ、長期戦になる。
こういった場合は長期的な体重減少や体力低下防止も考慮して、少しずつ絶妙に抗がん剤を減量していくことが重要になる。
添付文書などに記載されている抗がん剤の副作用の報告は、数回あるいは数ヶ月の短期間を念頭に置いていることが多く、長期的な影響を考慮していないことが多いからだ。
よって長期に渡る治療においては、結果として低用量の抗がん剤治療に至ることがあるわけだ。

ここで「がん休眠療法」と称して、低用量抗がん剤でも腫瘍が縮小したと主張する医療機関の話はよくある。

結果としてうまく行けば良いだろうが、副作用の少ない量での抗がん剤は効果も少ないのが常識であるから、腫瘍増大が予想外に抑えきれない患者さんが少なくないはずだ。
そうなると本来の治療の意味がなくなる。
ちなみに不用意に抗がん剤を減らすと治療成績が悪くなったという報告や、逆に無理に抗がん剤を増やすと副作用が強くなった割に、生存期間は延びなかったと言う報告は、学会などでよく報告されている。
要は抗がん剤のメリットを発揮できる治療用量の幅は狭いということだ。
結局決められた投与量を基本に、患者さんの状況に合わせた、非常に微妙な調節がものを言う。

それで特殊な例で当方はどうしているかというと…(これは特に③の場合に当てはまる事が多い)

・抗がん剤治療に恐れを抱いている人には、治療の意味と副作用軽減こそが最重要事項だと学習してもらって標準量を投与する。

・状態が悪くて(痛みやがん症状が強いなど)、抗がん剤治療が逆効果と思える人には、まず症状緩和の治療をおこなって、状態が許せばきつくない抗がん剤治療から提案してみる。

・本当に抗がん剤の副作用に恐れおののいている人、基礎疾患(心不全や腎障害など)のある人や体力のない高齢者に対しては、標準量の半分量で投与してかつ、制吐剤などの副作用対策を最初から思いっきりおこなう。

それで大きな問題がなければ、2回目以降から抗がん剤の量を徐々に増量していくと言う方法を用いている。



報告: 3月5日に東京新橋にて第3回東京支部会開催しましたが、このときの話題は今後ブログに順次解説していきます。

ーーーーーーーーーー

NPO法人宮崎がん患者共同勉強会 第4回東京支部会開催告示
ご自身あるいは当該がん患者さんの診療情報をお持ちください。

セカンドオピニオンほどではなくても、応用の利く助言ができると思います(ただし個別相談ではなく、出席者全員の前での助言となります)。

事前に人数確認が必要なので、参加希望者はメッセージ機能で当方に1週間前ぐらいまでに事前連絡を御願いします(連絡先記入はアメブロで禁止されています)。

時間:2016年4月9日(土) 14時から3時間ほど
場所: 東京JR新橋駅近くの会議室

参加費用: お飲み物代含めて1000円

開催概要は以下のリンクをご参照ください。

https://sites.google.com/site/miyazakigkkb/

今後は基本的に毎月開催する予定です。第4回は5月14日土曜日午後予定です。

--------講演会の広報--------
第12回 東広島医療センターフォーラム
市民公開講座 がん診療の最前線(入場無料)
https://www.hiro-hosp.jp/medical/cancer_forum.html
講演チラシ
https://www.hiro-hosp.jp/medical/medical_staff/documents/center_forum_12.pdf
日時
平成28年3月27日 日曜日 12時~16時
場所
広島大学サタケメモリアルホール 東広島市鏡山1丁目2番2号

以下の演題で講演させていただく予定です。
「がんに振り回されないための患者力
― 実は患者さん達にできる工夫はたくさんある ―」
現代の「がん」治療は確実に進歩しています。その一方であふれる情報に患者さん達は何を基準に治療を選択すべきか混乱しています。そのため病院に任せるしかないと思い込んでいる方も多いでしょう。
しかし、「がん」ほど患者さん自身の努力と工夫の余地がある病気はありません。「がん」と診断されて、狭まるばかりだった人生の幅を積極的に広げ、医療者と協力して患者さんの自信を回復させるための秘訣をお話しさせていただきます。
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2016-03-02 16:38:15

第2回東京支部会開催報告④-1低用量の抗がん剤はありか?

テーマ:がん患者共同勉強会
第2回東京支部会での質疑応答続き
○低用量の抗がん剤治療はありか?

いわゆる「がん休眠療法」「tumor dormancy」というものがある。
しかし抗がん剤治療においては、古くから「縮小なくして延命なし」ということわざがあるように、がんを縮小させる治療でないと延命にはつながらないというのが常識であった。

腫瘍縮小というのは画像的にも証明しやすく、インパクトがあるからだ。
しかしそれが本当に患者さん自身の為になっているかと言う点では疑問も生じる。
そこでQOL改善を証明することが重要となる。そのための「硬い」指標として臨床試験では腫瘍縮小率より生存期間延長のほうが重視されている。

もちろんQOL改善をいくつかの方法で指標を定め、評価する臨床試験もたくさんあるが、「生存期間」ほど分かりやすく、意義のあるものはないからだ。

一般の方には意外と思えるかもしれないが、QOLが悪いと長生きできないのががんの常識だ。

「苦しい思いをしてまで抗がん剤治療はしたくない」と言う人も少なくないが、本当のがん治療の目的からすると、意味を取り違えている可能性がある。
がん症状で苦しんで死に至ることを防ぐ(あるいは先送りする)ために、抗がん剤をする意味があるからだ。

ではがん症状が全くない患者さんについてはどうか?と問われると、少し話が複雑となる。

症状が無いのにがんが見つかったのは、診察、画像や血液検査の結果となるが、その診断は患者さんのがんが進行して命を脅かすだろうという将来を予言するに等しい。
つまり、未来の多大な不幸よりも、今の抗がん剤治療の負担のほうがまだましだという医学的結論が前提となる。
しかしそのことを理解できていないと、患者さんは非常に不幸になるし、治療拒否の大きな原因となる。
こういったことを前提に、「低用量の抗がん剤はありか?」という質問に答える。

がんを根治させる抗がん剤治療は副作用がきつく、耐えられない。そこで、がんの増殖を抑える程度の少量の抗がん剤治療で長く抑え、副作用はきつくないようにしたい、と言う意味の治療法だろう。

東京支部会での、この質問に対しては「結果してはありかもしれない」と回答した。エピデンスはないが、きつくて減量して、結果的に、低用量となることはありえるからだ。
しかし、実際には以下の3つのケースを分けて想定する必要がある。

①再発予防目的の術後補助化学療法
②白血病や悪性リンパ腫、卵巣がん、精巣がんのように本質的に治癒可能性のあるがん種に対する化学療法
③肺がんや消化器がんのような固形がんstage IVに対する緩和療法的化学療法

つづく

ーーーーーーーーーー
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日時
平成28年3月27日 日曜日 12時~16時
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― 実は患者さん達にできる工夫はたくさんある ―」
現代の「がん」治療は確実に進歩しています。その一方であふれる情報に患者さん達は何を基準に治療を選択すべきか混乱しています。そのため病院に任せるしかないと思い込んでいる方も多いでしょう。
しかし、「がん」ほど患者さん自身の努力と工夫の余地がある病気はありません。「がん」と診断されて、狭まるばかりだった人生の幅を積極的に広げ、医療者と協力して患者さんの自信を回復させるための秘訣をお話しさせていただきます。
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2016-02-12 11:09:04

第2回東京支部会開催報告③問題解決もいいが問題対処の姿勢を確立すべし

テーマ:がん患者共同勉強会
前々回から支部会での話題メモの追加解説を継続しています。

○問題に対処する心構えが、今後についても、必要になってくる

→セカンドオピニオンやピアサポートはその時の患者さんの状況に合わせて、問題点をを提示して、ピンポイント的なアドバイスや選択肢を提示してくれる。
これはその患者さんの病状や価値観、家庭の事情に合わせてくれるため、大変有用。

一方、書籍や、ネット上の色々な情報を見て、自分で探したり、他者がすすめてくるというのは一見良さそうだが、実は一番要注意。
なぜか?
ネットや書籍は商業主義にまみれており、真っ先に商売の手先になっているからだ。

がんの発生臓器が違っただけでも、あるいは同じがん種の同じステージでも、治療方針が全く違うことが珍しくない。それを考慮して大きな病院では、最近多くの他科診療科を交えて、キャンサーボードを開き、治療方針を慎重に決定することもある。

たまたま目にした情報に、これしかないと思い込んで、自分のがんの状況をわかっていないまま、その治療に突き進もうとすることが、どんなに危険なことであるかわかるだろうか?

Googleの検索結果順位を買い取った民間業者の情報を、自分のがんの状況すらわかっていない一般人が参考にしようとする構図は多くの不幸な事例を生み出している。

前置きが長くなったが、本題はここからだ。

セカンドオピニオンでは、本当の最良解が得られることや、あるいはもともとの主治医の方針と合致していることがわかって、ほっとできることを望んでいる人が多いだろう。

それは良いことだが、本当に大事なことは、どういう病気で、どんな戦略だからその治療法が適切なのかを本人家族が担当医と同時に理解することだ。

がん治療のある場面が解決しても、いずれ必ず次の問題が生じる。
これは治療がうまくいってもいかなくても絶対起こることなのだ。

となると問題は次から次に起こると言うことだから、問題点を解決することだけではなく、問題に対処する姿勢を学ぶ必要がある。

つまり、最優先の問題を把握する→その背景を理解する→現時点でできることをとにかく探す→それらを全てノートに書き出す→実際に行動してみる→新たな問題点を特定し、うまく行かない方法を修正する。

これをしないと不安や思考の空回りで苦しむ。

問題点を整理して、それを元にすぐ具体的な行動を取る習慣が必要。なぜかというとがん治療は時間との勝負なので、タイミングがずれるとあらゆる相談、検査、受診が後手後手に回るからだ。

病状的に余裕があるときはいいが、がん治療生活には好不調の波があるものだし、進行するほど急激な経過をたどることがある。だから普段から即行動する習慣をつけた方が良いわけだ。

頭で考えすぎてどんどん深刻な雰囲気になると言うのが一番良くなく、貴重な時間を浪費することになる。具体的に行動して、失敗してもかまわない。
それは無駄ではなく、その方向ではうまく行かないことがわかり、より好ましい方向に近づいていく事を意味する。一見無駄なようでも物事が進行している実感は心の平静に非常に有効。

さて色々調べ物をする時間も大事だが、当人の価値観は別として、一般人が本当の意味で専門家よりがん治療の最良解を見つけ出すのはまず無理だろう。となると→

○専門医を手なずけられるようなコミュニケーションを
熟達させるほうがずっと理にかなっている。

自分の価値観と希望を効率的に伝え、主治医の時間を浪費させず、興味を持ってもらえるような話し方、働きかけ方を研究している患者さんは果たしてどれだけいるだろうか?

この医療者側とうまくやっているノウハウを教えてくれる部署が無いに等しい、今の日本の病院は効率が悪すぎる。(ちなみに海外の専門病院はサバイバーのボランティアがたくさんいて、こういった問題を援助してくれる)

まだ続く

ーーーーーーーーーー
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― 実は患者さん達にできる工夫はたくさんある ―」
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