炭水化物摂取とがん②糖質制限どうか? | がん治療の虚実

炭水化物摂取とがん②糖質制限どうか?

このシリーズ、始めてから実は考え込んでしまったことがある。
基本的には一般向けのブログなので簡単に説明したいところであるが、情報の意味と信頼度を簡単に理解してもらうのは結構難しい。
ちょうど老眼の人が近くで見ようとすると焦点が合わず、離れると小さくて見えないというもどかしさがある。
それを解決する老眼鏡のような工夫が必要だ。

さて、食生活とがんについては情報が氾濫しすぎて何を信じていいのかわからない人が多いだろうが、決定的な情報がない分、憶測に基づいた主張も多い。
そこでまず押さえるべきポイントを先に列挙する。

これからは過去記事の
「エビデンス(科学的根拠)とは(再挑戦)①」
http://ameblo.jp/miyazakigkkb/theme2-10028914410.html#main
を参考にしながら読んで欲しい。

・事実か理論か
・事実なら培養細胞、動物、人間、のどれに基づいているのか
・人間なら何人~何百万人を対象とした報告なのか、また人種は?
・健常人、がん治療後の人、がん治療中の人の誰を対象としているのか
・がん患者ならどのがん種を対象としているのか
・がんになったかどうかも含めた上で寿命にどう影響するのか

上記のことを念頭に判断しなければいけないため、一般人には荷が重い。
前置きが長くなったので、専門的な解説は敢えて抜きにして先に結論を書いてしまおう。

・抗がん剤治療において糖質制限食は「現時点では」勧められない

言い換えるとがん治療に炭水化物制限は推奨できないと言うことだ。

この結論に至るには少し複雑な事情が絡むが、おいおい説明しよう。