炭水化物摂取はがんにどういう影響があるか① | がん治療の虚実

炭水化物摂取はがんにどういう影響があるか①

12月17日の共同勉強会で糖質摂取はがん治療に悪影響があるのかという質問があった。
三大栄養素は炭水化物・たんぱく質・脂質であるが、炭水化物は消化分解されて糖質となる。
つまり最終的にブドウ糖となるのだが、これががん細胞の「えさ」になるのではと言う疑問だ。

確かにがん細胞はブドウ糖を積極的に取り込む性質がある。
例えばPET検査はブドウ糖様物質に放射性同位元素をくっつけた試薬を注射し、それが多く取り込まれた部分で放射線が多く発せられる性質を利用した検査だ。
大脳もブドウ糖を多く取り込むからPET検査ではがんと同じように集積するのはよく知られている。
したがってがんはブドウ糖を多く取り込むから、炭水化物摂取はよくないという論調もちらほら見られるようだ。

では実際にはどうだろう?

国内で最もオーソドックスながん情報を提供している国立がん研究センターがん対策情報センターのがん情報サービスにはがん予防やがん治療の際の糖質、炭水化物制限についてはなにも記載されていない。

一般の人にはこの情報の食い違いについてよくわからないと思う。
健康関連書籍や民間療法にはいろいろなことが書かれていても、医師や病院側では認めていない医学的意見は多い。

次回からこれらの意見の食い違いがなぜ生じるかについて解説する予定だ。