近藤氏「抗がん剤は効かない」への反論II-⑧思想の問題点 | がん治療の虚実

近藤氏「抗がん剤は効かない」への反論II-⑧思想の問題点

近藤誠氏の主張に疑問を感じる点はたくさんありますが、あまり専門的な話ばかりだと単調になりますし、読者もそろそろ飽きてきただろうと思います。
そこで今回は近藤誠氏のがん治療に関わる思想面での批判とそこからつながる日本のがん治療の問題点に移っていきたいと思います。
週刊文春1月27日号記事で近藤誠氏は以下のような主張をしています。
-----引用-----
がん治療に関心があるという医学生に進路相談に際し「腫瘍内科医になるのだけは止めなさい」、「理由は、転移性固形がんは治らない上、抗がん剤の毒性で患者を苦しめる。それを一生の仕事にすると、患者の苦悶に対して涙する感性を失いかねない。治らない患者を診るなら、患者・家族に感謝されるホスピス医の方が数等ベター」と伝えています。
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この記事を見てこの人は困った人だと思うと同時に、世間に与える誤解を解かないといけないと思った。
近藤誠氏の視点の問題点は以下の三つがある。

・抗がん剤は患者さんを副作用で苦しめるだけだ。
・治らないと意味がない。
・腫瘍内科医になると患者さんの苦悶に鈍感になる。

次回から上記の問題点を追求し、その先にあるがん治療界の問題点も明らかにします。