医療用麻薬の誤解①医療用麻薬についての多いなる誤解 | がん治療の虚実

医療用麻薬の誤解①医療用麻薬についての多いなる誤解

がん治療において説明の手間がかかる双璧が「がん治療の意味」と「医療用麻薬」です。
かといってこの手間を省くと後で手痛いしっぺ返しを食らうのはもちろん、もろに患者さんの運命に関わります。
なのでいかに理解しやすく説明するかがここ数年間の自分の主要テーマの一つでした。
で、医療用麻薬について
・麻薬を始めるときは最後のときだ
・麻薬を一度始めるとやめられない
・麻薬を早く始めると後で痛みが強くなったときに効かなくなる
・麻薬を始めると頭がおかしくなる
・我慢できなくなった時に麻薬を使うべきだ
・麻薬を使い始めると寿命が短くなる
・入院中は麻薬は全て看護師さんに管理してもらう
・麻薬の使い方は全て医師に決めてもらうべきだ
・麻薬が効かなかったらもう手がない
・麻薬を始めたら普通の痛み止めは中止してもいい
・がんの痛みにしか麻薬は使えない
・これ以上薬は使いたくない


これぜーんぶ間違いです。
医療用麻薬を使い始めましょうと提案して、なぜか患者さんの抵抗にあったとき、理由をしつこく聞き出したときに上記のようなことを内心思い込んでいるケースが非常に多いのです。
この誤解を解かないとがん治療は始まりません。
次回からなぜ間違いかを解説していきます。