東洋医学(中医学系)から見たストレス:風邪予防対策⑮
~『衛気(免疫力?)…ストレスと風邪の背景を東洋医学の言葉に探す:風邪予防対策⑭』の続きです~
風邪にならないようにするには免疫力です。
というわけで前回は免疫力は
東洋医学の中でどんな風に扱われているのかを
確認して
その背景にありそうな
「からだ」の感覚を
抽出してきました。
ストレスと風邪予防の関係について考えるには
後、ストレスについての「からだ」の感覚を
探してこなければなりません。
というわけでこの記事では
ストレスが東洋医学の中でどのように
扱われているのかを探ってみます。
内傷七情≒ストレス
ストレスに近い概念を東洋医学の中に探すと
内傷七情という言葉が見つかります。
七情
「七情」とは、
喜・怒・憂・思・悲・恐・驚の
七つの精神活動を指します。
ようするに昔の人々は、
心の働きを七つに分類できる
と考えて「七情」と呼んだのです。
(ついでに言えば、おそらく‟七”である必然性は
ないと思います。
私達の視点の取り方によって
三・四や五や九
なども充分あり得るのだと思います。)
内傷
「内傷」とは、
内側から身体を傷つけるということです。
精神を極端な働き方をさせると内臓を傷つける
つまり
「内傷七情」とは、
精神働きや活動が過剰になりすぎれば、
身体を内側から傷つけることになるよ
―という当たり前のことを指しているだけです。
内傷七情の代表:肝気鬱結
さて、この内傷七情による臓腑の異常で
非常よく見られるもののが
「肝気鬱結」です。
東洋医学の教科書によると
教科書による肝気鬱結が
と以下のように書かれております。↓
「情志不遂・精神的抑鬱・動揺などで、肝気の疏泄が失調し気機が鬱滞した状態」
『基礎中医学』神戸中医学研究会編1995
このままでは、
全く意味がわからないと思います。
よってまた思い切って
我流意訳を試みます。
↓厳密さはご勘弁ください。
「肝気鬱結」とは、
「長期に渡る心配事や我慢、または、
強い精神的ショックな出来事が、
身体中の血の巡りや
神経のバランス調整を失わせ、
身体のさまざまな場所に
気血の巡りの淀んだ場所が出来た状態」
まだわかりにくいかもしれませんね。
これをもっとチャート化します↓!
1:心配事・我慢・ショック(ストレス)
↓
2:血液の循環・代謝・神経の微調整の失敗
↓
3:身体の様々な場所の不調
「血液の循環・神経の微調整」を行っているのが、
「肝」という臓器だと中医学では考えているのです。
「からだ」の実感の方へ
この微調整の中には、
胃腸の働きの調整や
呼吸の調整も入ってしまっているわけです。
「肝」は「肝気」を通じて、
胃腸の吸収や肺の呼吸といった
内臓の働きを指揮しているとされてます。
ストレスによって肝気が滞りだすと
全身の微調整がおかしくなると説明しています。
さて、ここから実感を加味して、
昔の人々がストレスに対して持っていた
であろう実感を想像してみます。
- ★ストレスは血液循環を悪くする
- ★ストレスは代謝・体温の調整機能を悪くする
- ★ストレスは消化吸収・排便の調整を悪くする
- ★ストレスは呼吸の調整を悪くする
ここから、
もっと具体的なレベルまで、
実感を元に堀り下げて見ます。
- ☆ストレスで手先が白く冷たくなる・顔が真っ赤(真っ青)になる
- ☆ストレスで身体が熱くなる・身体が冷えてくる
- ☆ストレスで食欲不振・胃もたれ・過食になる
- ☆ストレスで下痢・便秘する
- ☆ストレスで息が早く・浅くなる
すると注目すべきことが見えてみます。
昔の人々は、
【ストレスは直接的には
免疫力を上げ下げしてない】
と考えていたということです。
ここに私は、
免疫をストレスと直で
つなげて考えない昔の人々の知恵が
あるように思います。
~続く~
次回:
「衛気」を「肝」の働きと合わせて考えます。
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