「君へ(48) 底なしの寂しさ」 の続き
私は愛されている――そう頭では理解できても
心で納得しないと、底なしの寂しさは消えない
心で納得するには、時間がかかる
――というところまで話したよね
「愛されている」ことを、心で納得する上で、とてもいい方法があるよ
それは、お母さんに抱きしめてもらうことだ
ギュっとしてもらう
ハグしてもらうことだよ
ハグといっても
外国映画でよく見る、あいさつ代わりにサッとするハグじゃないよ
1分以上の「じんわりハグ」だ
そう、ちっちゃかった時のように
お母さんの胸に顔をうずめてごらん
お母さんのにおいを感じてごらん
お母さんのぬくもりを感じてごらん
えっ？
そんなことできっこない？
そうか……
君は「さびいしいよ」とさえお母さんに言えないんだよね
じゃあ、お母さんにこう話してごらん
「お母さん、ハグすると、体にいいホルモンが出るの知ってる？
ストレス解消になるだけでなく、免疫力が高まるんだって。
『じんわりハグ』を毎日すると、お互いの健康にいいんだよ。
１分以上、抱き合うだけだよ」
――そう言って、ハグしてもらってごらん
体にいいホルモンが出るのも
免疫力が高まるのも本当のことだよ
思い切って、言ってみてごらん
そして、できれば毎日、抱きしめてもらってごらん
＜新しい命 by Akira Miyata＞
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我が子が、底なしの寂しさを抱えているとき、
我が子が、生きる希望を失っているとき、
親は、かける言葉が見つかりません。
そんな時、アドバイスや励ましはいりません。
もし、かける言葉があるとすれば
「お前は、大事な大事な私の子だよ」
「何があっても、お前の味方だよ」
……でしょうか。
そして、抱きしめてやってくっださい。
言葉が見つからなければ、何も言わずに、
ただただ抱きしめてやってください。
赤ちゃんのように、背中をゆっくりトントンしてやってください。
愛しいわが子の髪を、ずっとなでてやってください。
ずっと、ずっと、
そうしていてください。(完）
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