子育てをしていると、いろいろな言葉が耳に入ってきます。
過保護、過干渉、ネグレクト・・・
いったい、どう育てればいいんだろうと、分からなくなる時があります。
でも、子どもの心が育つ仕組みが分かってみると、子育てはシンプルです。
私は、その仕組みを、「子育てハッピーアドバイス」に教えてもらいました。
子どもの心は、
甘えと反抗をくり返しながら大きくなります。
甘えるということは、相手の愛を確認する行為です。
甘えが満たされると、自分は愛される価値がある存在なんだと感じ、自己肯定感が育ちます。
自己肯定感が育つと、意欲と思いやりを持つようになり、自立していきます。
では子どもが反抗している時はどうすればいいのでしょうか? 「反抗」というのは、言いかえれば「自立」です。
その時には、・・・「見守る」でいいいのです。
「見守られる」と、安心感を持つと同時に、信じてもらえているという自信につながります。
見守らずに、親が先回りして、なんでもやってしまう・・・これは「過保護」。
見守るんじゃなくて、親が「それはだめ」「こうしなさい!」とすべてを押し付ける・・・これは「過干渉」「厳しすぎるしつけ」。
甘えても無視、反抗しても無視・・・これは「放任」「ネグレクト」と呼ばれています。
そう、子育ては、「しっかり甘えさせる」と「見守る」・・・それを、子どものペースに合わせてするだけで、よかったんです。
ところが、それがわかっていても、むずかしい時があります。
大人も、イライラしたり、苦しんでいたりすることがあるからです。そんな時は、子どもの甘えを受け入れられないんです。
そう、親も自己肯定感が必要なんです。
先週の講演は、、地域で役員をされている方々向けということで、団塊の世代の方が多くおられました。
そこで、次のような例をお話しました。
あるおじいちゃんが、息子夫婦の子育てを見て、全然なっていないことに気づいたとします。
「おいおい、だめじゃないか。そんな叱ってばかりじゃ、子どもの自己肯定感が育たないぞ」・・・そうお嫁さんに注意したとしましょう。
するとお嫁さんは、「そうか、叱り過ぎてたな」と頭で理解したとしても、同時に2つの感情が生まれます。
一つは、「今までの私の子育ては間違っていたんだ」・・・という後悔と自信喪失。
二つ目は、「お義父さんは、私を非難している。ダメな親だと思われている」・・・という自己否定感です。
そう、この時、お嫁さんの自己肯定感は、ガクンと下がってしまうのです。
これでは、いくら頭でわかっても、子どもをしっかり愛することはできません。
「子育てハッピーアドバイス」 の著者、明橋先生の本のすばらしいところは、絶対に親を責めないという点です。
例えば、子育ての悩みの相談で、・・・
「子育てに全く自信がありません。毎日が試行錯誤のようで辛くなります」
これに対し、明橋先生は・・・
「毎日、大変な中、とにもかくにも、ここまで育ててこられたこと、ほんとうによく頑張ってこられましたね」・・・と始めます。
私は、この明橋先生のやさしさに、感銘をうけました。(関連記事 「第31話)私には親の資格がない?」 )
子育てハッピーアドバイスシリーズの最新刊、「ようこそ初孫の巻」に、そのやさしさの理由(わけ)が書かれていました。
(1900年代の終わり頃には)日本でもさまざまな良質の育児書が出されていたのですが、1つの問題がありました。
たとえば不登校の親御さんに、育児書を進めると、少なくない親御さんが、「途中からつらくなって読めない」と言われるのです。
確かに、これまでの育児書には、「○○しなかったから不登校になった」「○○のような育児が、家庭内暴力を生んだ」というような記述が少なくありませんでした。もちろんそういうことが関係するケースもあったでしょうが(中略)、すべてを親の育て方のためとするのは、間違いであるだけでなく、ただでさえ悩んでいる親をさらに追い詰めることになると気づいたのです。
これからの育児書は、正しい知識を伝えると同時に、親にも自信と勇気を与えるものでなければならないと思いました。それが、「子育てハッピーアドバイス」が生まれるきっかけといえるかもしれません。
・・・そう、これが、明け橋先生のやさしさの理由(わけ)だったのですね。
我が子をうまく愛せない親は、「悪い親」でも「ダメな親」でもありません。 「助けが必要な親」「やさしい言葉が必要な親」なんです。
そういう親は、わが子を愛せない自分に苦しんでいるのです。
そういう時は、責めるのではなく、手をさしのべてあげてください。
そしてもし、ご自身が苦しい時には、自分を責めずに、1人で苦しまずに、誰かに甘えてください。(完)
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