映画「ALWYS~三丁目の夕日」、見られた方は多いと思います。
青森から集団就職で東京に出てきて、下町工場の鈴木オートで働く女の子、ロクちゃん。
初めての正月が、近づきます。
帰省で青森に帰る当日になって、ロクちゃんは、もらった切符を返そうとします。
1年、よく働いてくれたのだから、正月くらい、親に顔を見せてあげなさい・・・社長と奥さんが、そう言うと・・・
「いいんです!!
私の顔なんか、見たぐねえんですよ。
私が家を出るとき、お母ちゃんたち、喜んでたです。
”ああ、これで口減らしができる”って。
手紙書いても返事もこねえし、私、捨てられたんです。
帰ってもだれも喜ばねぇ。迷惑がられるだけです。」
そこまで言うと、泣きながら、2階の自分の部屋にかけあがります。
「ロクちゃん、ちょっといい?」
しばらくして、奥さんが、ロクちゃんの部屋にはいってきます。そして、手紙の束を、泣いているロクちゃんの前に、そっと置きます。
「これ、なんだかわかる?
ぜーんぶ、あなたのお母さんからよ。
私たちにね、毎月かならず送ってこられるの。
”ムツ子(ロクちゃん)は元気ですか?”
”ちゃんとやってますか?”って。
送りだしたときもね、やさしくするとつらいから、
きびしく突きはなしたって、書いてあるわ。
里ごころがつくといけないから、この手紙は見せないでくださいって、書かれてたんだけど・・・。」
奥さんは、手紙を読んで泣きじゃくるロクちゃんの肩を、うしろから、そっと抱きます。
「子どもの顔を見たくない親なんて、いるはずないでしょ。」
遠い青森のお母さんの愛情は、こうして娘に伝わり、メデタシ、メデタシ。
眼のうるむ、一場面です。
でも、もし、それが、ずっと伝わらなかったらどうでしょう。もし、ロクちゃんが、知らないまま一生を終えていたら・・・。
伝えなかったお母さんを、責める人はいないと思います。それは、ロクちゃんの幸せを願えばこそ、伝えなかったのですから。
でも、やっぱり悲しいですよね。
相手の幸せだけを望む、無償の愛・・・
その愛は、伝わってこそ、元気や勇気を与えるのではないでしょうか。
あなたも、大切な人に、あなたの愛を
そっと・・・
でも、しっかりと
伝えてみてはどうでしょうか
あなたが
ドアを出て行くのを見るのが
最後だとわかっていたら
わたしは あなたを抱きしめて
キスをして
そしてまたもう一度呼び寄せて
抱きしめただろう
あなたは言わなくても
わかってくれていたかもしれないけれど
最後だとわかっていたら
一言だけでもいい・・・
「あなたを愛してる」と
わたしは 伝えただろう
(Norma Cornett Marek・作 佐川 睦・訳 「最後だとわかっていたなら」より)
アメリカの女性が、10歳で水死した息子に、伝えたかったけれど、伝えきれなかった想いをつづった詩です。
9.11テロをきっかけに、有名になりました。(完)
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