『助けて!』と叫んでも、誰も助けてくれない | ニューヨークで国際離婚を考える

ニューヨークで国際離婚を考える

困っているだけでは、想っているだけでは、何も始まらない。

【ニューヨークで国際離婚を考える】(MiyamotoLaw.net)の関連ブログとして離婚・DV・暴力犯罪・親権・ハーグ条約等について、
12年+の経験を持つ元国選弁護士の視点から情報を共有したいと思います。

そして、助けを求めている人を助けないことは、単純に良い悪いでは片付かない。 

【倫理】、【道徳】、【正義】は、とにかく現場では無用のコンセプトで、現実とかけ離れたトコロにしか存在しない。  

そこで、現実に役に立つかも知れないトリックをひとつ。


『助けて!』や『悲鳴』より、『火事だ!』と叫ぶ。 この台詞がマシな場合がある。 

少し単純過ぎる例を挙げる。 誰かが隣のアパートの中で殴られていている。 壁を通して聞こえる・感じる物騒な物音や気配。 喉で押し殺そうとしても、漏れてしまっているだろう泣き声や悲鳴。 何かすべきか? 【余計なお節介】をして、逆恨みされる可能性もある。 家族や守りたい何かがあれば、ヒーローを気取ってはイケナいこともある。
 なによりも、手を差し伸べなくても、周囲には直接的・物理的な被害が及ばない。 

被害者がいくら泣き叫んでも、助けを求めても、様々な理由で助けは来ない場合が多い
。 児童虐待、DV、ストーキング等が社会問題とは言っても、結局は、当事者の問題だ。 社会問題(他人事)と認識される限り、それが何であれ、問題はなくならない。

そこで、『火事だ!』と叫ぶ。 

聞き手にとって消音可能な悲鳴などと違い、【火事】の場合、【他人の問題が他人事では済まなく】なる現実味がある。

火事の怖さは、ほぼ全ての人々のココロに根強く認識されているので、『火事だ!』っと聞いた何処かの誰かが警察や消防に緊急連絡する【可能性】が高くなる。 
密室だったアパートに、フル装備の【救助隊】が送り込まれる可能性が出てくる。 

この生き残るためのトリックは、ニューヨークで暴力・性犯罪被害者のサポートをやらせてもらった時に、とても世話になったベテランから譲り受けた知識のひとつ。 もちろん、火のないトコロで、【火事だ!】と叫ぶのは簡単じゃない。 悲鳴をあげることすら、許されない場合が多いのだから。 

千人近い被害者やクライアント達に、このトリックを伝えた気がするが、
実際に使った被害者の話を聞いたことがない。 きっと、同じ顔をした被害者に会わなかったからかも知れない。


助けを求める声が聞こえたら、【誰か】【警察に電話くらい出来る・するべき・するだろう】と思えるなら、ある意味、ソレはとても幸せなこと。 助ければ助けるだけ、そんな声にすら、そんな声だけでは、反応できなくなる場合だってあるから。



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