かつらの未来を考える | みやこのこのみ

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ライター&ライフスタイルコーディネーター、前川みやこのブログです。
日々の生活の中で、心にピピッと響いたもの、こと、ひと、ことばなどを
つれづれなるままに書き綴ります。

テレビCMなどを見て思うのだが
最近の男性用かつらの進化はすごいものがある。

カツラの老舗ブランド『アデランス』では、
『ヘアパーフェクトシリーズ』という、
カツラがもっとも見破られやすい
生え際や地肌の部分にこだわったカツラを提案している。

アデランス1
『アデランス』HPより

カツラのベース(地肌に装着するネット)に、
ハリウッド映画の特殊メイクでも使われている超極薄素材を使用し、
生え際に使用する人工皮膚も、0.12㎜という薄さ。

また、分け目つむじ部分は、特殊な技術で、
毛植えの際の結び目がベース表面から見えないようになっている。
いちいち取り外す必要のない連続着用タイプであれば、
完璧に近い頭皮との密着により、
他人が触ってもわからないし、
ホンモノの髪同様シャンプーもできる。

バリエーションとして、
ベースに目の粗い通気性のいいネットを使い、
髪の毛を締め付けずにループ状に結びつけ
体の動きに合わせて根元部分が自由に動くことで、
自然になびくことを可能にした、
スポーツマン向けの『ヘアパーフェクトエア』などもある。
毛自体も、人工毛と人毛を混ぜたハイブリッドだそうだ。

昨年の秋に登場した『ヘアパーフェクト レジェンド』になると
生え際の毛の根元を肌色に染めて、
額の皮膚と同質化させることで、
よりリアルな生え際を再現しているそうだ。

着脱不要、シャンプー&アレンジOK!
たぶん、本人もかつらを忘れるくらいなのだろう。
世界的なバレエダンサーの岩田守弘
堂々たるパフォーマンスしかりビックリマークである。

アデランス2
『アデランス』HPより

この進化により、かつらはいわゆる「ハゲ隠し」から、
身だしなみのひとつ的な感覚
変わりつつあるのではないだろうか?

そもそも、女性が「ハゲは嫌い」という理由として
「潔くない・女々しい」という意見が多いそうだ。
これは、ハゲや薄毛の部分を
残っている髪の毛で無理やり隠したり、
風が吹く度にこそこそ気にしている態度に対するもの。

また、どうせ自分はハゲだし……といった自信のなさ、
はたまた卑屈さイラっとするという意見もある。
カツラ以前に、自らの宿命
堂々と立ち向かえ!ってことなのではないだろうか。

いずれにせよ、ハゲは世の男性にとって
深刻な問題なのは確かだ。

男のハゲの悩みは、今に始まったことではない。

歴史をさかのぼれば、
太古の時代から男達はハゲと闘ってきた
最も古い育毛剤は、
5500年前のエジプトで見つかっているそうだ。

エジプトの王族達のミイラと一緒に、
カツラがたくさん発掘されていることも有名な話。

医学の父、ギリシャのヒポクラテス
ハゲに悩んだひとりで、
ハトの糞香草、はたまたアヘンまで頭に塗って
育毛剤の研究に励んだが、結果はどれも失敗だったという。

ヒポクラテス
ひげは立派なのに……

ただ、
「去勢されたペルシャ人にハゲがいないことに関係がある」
という著述が残っているというから
現代の育毛剤開発
男性ホルモンの抑制に力を注いでいることを考えると、
さすがヒポクラテス! あなたは正しかった!

歴史上の偉大なるハゲといえば、
ローマの皇帝、ジュリアス・シーザーが有名だ。
人呼んで「ハゲの女ったらし」
自分のハゲを隠したいがために、
本来は闘いに勝利した凱旋時にしか着けられない月桂樹の冠を、
日常でもかぶることができるように、
元老院に嘆願までしたそうだ。

フランスの皇帝、かのナポレオン・ボナパルトは、
英雄の代名詞のように言われているが、
実際はハゲ・デブ・チビ三重苦に悩み続けていた。

ナポレオン2
この肖像画を見るとうなづけます

そのため、大衆の前に出るときは、
必ずあの「Bicorne(ビコルヌ)」と呼ばれる
二角帽をかぶっていたという。

日本では、豊臣秀吉明智光秀がハゲで有名だ。
秀吉は織田信長から「はげねずみ」と呼ばれ、
明智光秀も「金柑頭(きんかあたま)」と罵倒されていた。
ちなみに「金柑頭」とは「つるっぱげ」のことである。
「本能寺の変」の火種は、こんなところにもあったのか。

中世のヨーロッパ
上流階級の男性がみんなくりくりに巻いたかつらをかぶっていたのも
そんな理由が裏にはあったのかもしれませんね。

中世かつら

カツラの進化と共に
今最も注目を集めているのが植毛である。

植毛は国の認可を得た立派な「医療行為」
外科手術だ。
「人工植毛」「自毛植毛」の2種類があり、
技術の進歩により、ここ数年は「自毛植毛」の手術件数が
飛躍的に増加しているそうだ。

科学合成繊維から作られる人工毛を
薄毛部分に植え付ける「人工植毛」に対し、
「自毛植毛」自分の元気な後頭部の毛髪
毛根ごと薄毛部分に植え付ける。
後頭部の毛髪は『AGA』を引き起こす男性ホルモンに強く
薄毛の人でも残っていることが多いとか。

この生命力の強い毛髪を生きたまま移植するので、
半永久的に生え続ける確率が高いのだ。
自分の毛髪なので拒絶反応もなく、
一度移植してしまえば半永久的に生え続け
カツラのようなメンテナンスは一切いらない。

かつてカツラのCMで話題を呼んだ
元競輪選手の中野浩一は、
カツラをかぶり続けるストレスからの脱却と、
植毛の根本的な治療というメリットから、
カツラをやめて植毛を選んだ。

中野浩一
『アイランドタワークリニック』HPより

「隠す」から「治す」への意識変革というわけである。
ただ植毛は、植えてから毛髪が育つまで時間がかかるので、
その間はカツラが役に立ったそうだ。

かつらがこのまま進化を続け、
服装に合わせて自由にヘアスタイルを着替える
なんて時代がくれば、
男性のハゲの悩みも無くなるのだろうか?
はたまた、かっこいいハゲが登場するのだろうか?

『禿げたらどうするか?』
まだまだ男の永遠のテーマなのである。

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