中学1年から言響してた?! | 言響(心に響く話し方)宮北結僖のブログ

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たくさんの受講生の方々に日々刺激を受け、心に響いた出来事をお伝えします

 

地元の中学弁論大会で入賞した時の原稿です。

今から41年前、中学1年生です。

 

全文を記述します(長文注意)

我ながら、中学1年生の自分に「あっぱれ!」と言いたいー。

 

【本当の友達】

私はけんかが大好きです。
ただし口げんかではなく、とっくみあいの方が…

 

これを聞いた皆さんは、なぜけんかと本当の自分と関係があるのだろうと疑問に思うでしょうが、けんかとは本当の友達を作る秘訣なのです。

 

だけど私の言っているけんかは、心を広く持たないとできません。

つまり、心をひろく持たなければ友達は出来ないのです。

 

例えば、誰かとけんかをし終わった後いつまでもその人をにくんでいる人。

そんな人は素晴らしい友を作りたいと思ってもまず無理でしょう。

 

心のせまい人は、心を入れ替えて、素晴らしい友が欲しい人は、

私がこれから言うことを実行してみてください。

 

 

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人間は一生に一度は必ず人の悪口を言います。

いわなきゃ人間じゃありません。

その時その悪口をコソコソ言うのはよして、本人に直接言ってみてください。

 

だけど、よくそういうことを言う時、2,3人の人たちで

「あんたなまいきだよ」

なんて人をおびえさすように言う人がいますが、相手は一人、非常にひきょうです。

 

1対1でかっこなんかつけようとせず、思ったことを素直に話すのです。

 

すると言われた人は思ってもいなかったようなことをズバリと言われたので、

きっと誰もが「なまいきだな」と思うと思います。

 

そうしたらそう思ったことを心にしまわず、そのまま言い返すのです。

 

とはいっても、ウソはいけません。

例えば、誰もそんなこと言っていないのに、その人に向かって

「〇〇さんがあなたの悪口言っていたよ。人のこと言えないんじゃないの?!」

なんて言ったりしえは、二人の仲はまずダメでしょう。

 

そうして言い合っているうちに、お互い勇ましそうだったら

手も出して、はでにやってみてください。

 

そして気がすむまでやったあと家に帰り、

もう一度けんかの事を最初から思い出して考えてみるのです。

 

お互いに心を広くもった人たちですから、きっとだれもが

「悪かったな…」

と、すこしでも思うと思います。

 

そしたら思い切って次の日あやまりにいくのです。

やりづらいかもしれませんが

 

「ごめんなさい」

 

と一言、心をこめて言ってみてください。

 

そうすると、むねにつかえていたものがとれ、心があかるくなり、そしてむねのそこがあつくなってきます。

さて、そこまでやりおえた人はもう、素晴らしい友を作り上げることに成功したのです。


喜びも苦しみもわけあえるような友が。

 

むねの底があつくなった人は、

相手の人とライバルの火がともせたしょうこなのです。

 

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ここまで聞くと

「そんなにうまくいくもんか」

と思った人も少なくないと思います。

 

そう思った人は、このさきを聞いてください。

 

私はついこの間、8年ぶりにある友だちとあうことができました。

その友だちというのは、小さいころの知り合いで、

毎日毎日いっしょに遊びました。

 

また毎日毎日けんかもしました。

 

まだ小さかったので、くだらないことがもとでしたが、

ぶったりけったりして、お互い毎日泣いて帰ってきました。

 

だけど不思議な事に、二人ともつぎの日にはコロリとわすれ、

また遊びにでかけ、またけんか…

 

その繰り返しでした。

そして私が町田にひっこしてきてからも、たまに

「どうしているかなー、あいたいな」

 

なんて思って3年、4年たつうちに、

とうとうがまんができなくなり、その人の住所を調べて、

やっと8年ぶりに会うことができたのでした。

 

パっと顔を合わせた時は、おたがいびっくりしてしまい、

しばらく言葉が出ませんでした。

 

なんとか二人とも、しゃべれるくらいになれてきた時は、

ほとんど小さい時のけんかの話ばかりでした。

 

さて、もし小さいころ、ぶったりけったりのけんかをしていなければ、

あまり久しぶりにあった時の親しみというものがないのではないでしょうか。

 

お互い顔なんて忘れてしまい、そのままだったかもしれません。

 

このようにけんかは、すばらしい思い出ともなるのです。

 

おとなしい人は特に、本気をだしてけんかをしてみましょう。

口だけでもけっこうですから…

 

きっと、一生わすれられない友だちができることでしょう。

 

 

昭和54年11月3日 弁論大会にて

宮北由季 13歳