◆映画『吟ずる者たち』~日本酒造りの苦労を知る~ | ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

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いつしか食べ歩きがライフワークになってしまった今日この頃。
美味しかった店はもちろん、雰囲気の良かった店を紹介していきます。
2023年12月に外食記事 4000号を達成しました。
ちょこちょこ地域別索引も更新中。
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▼写真AC:sumito0108さん提供のフリー素材


JR安芸津駅
明日香(比嘉愛未)が仕事を辞めて彼氏と別れてきた。
高校の同級生のしんいちが迎えに来た。
「酒まつりに連れてって」
明日香はデザイナーの彼と別れて来た。
明日香は飲みつぶれ、実家永峰酒造に戻った。
母が笑顔でで迎えてくれた。
父:亮治(大和田 獏)は笑顔一つ見せなかった。
しんいち「いつまで経ってもアッシーですわ」

石で出来た佐竹の精米機を積んでいた。
亮治はこれを見て、たいそう喜んだ。
しんいち「三浦仙三郎が触ったかもしれないよ」
祖母(丘みつ子)「たいしたお宝じゃな」

明日香は、事務所に精米機が飾られているのを見た。
社長である亮治は、保に「8年腰をすえろや」
「百試千改」とは、百回試して、千回改めるという、三浦仙三郎の言葉。
仙三郎は技術をみんなに伝えた。
長男の創太は会社員。
明日香は養女として社長が引き取った。

友人とランチしていたところ、母から電話。
亮治が意識が無くなって、病院に担ぎ込まれた。
明日香も病院に来たが、亮治は意識が戻らなかった。
重鎮の佐々田も駆けつけた。
父の仕事を継ぐことを聞かれて創太「ワシにはどうにも出来ん。姉ちゃんだって子どもじゃろうが」
亮治の書斎から「仙三郎の配合表」「回顧録」が見つかった。

賀茂郡三津村
米肥料問屋三浦屋
仙三郎(中村俊介)はこの日も酒づくりに失敗。
父からは「好きなようにやれ」と、家族からの理解もあったが、弟は別だった。
この日も酒が腐造した。
腐造とは、醸造中に中の酒が腐ること。

別の蔵元から「杜氏の領分に入るな」とたしなめられ、
灘の酒の話を聞いて「そんなにうまいんですか」試しに飲んでみた。
「美味しいですのお」
「勉強したいんだったら、本を貸しましょうか」
たまたま精米機を考えて来たという佐竹が訪ねて来た。
仙三郎は「ワシも頑張らなきゃ」「百試千改」と書いた。

杉浦保が戻って来て、明日香が話しかけた。
「社長は、自分がいいと思った酒を作る。それが素晴らしい。本当にいいものは磨き上げた後がわかるって言われました」
明日香は自宅に戻って酒の研究を始めた。

明治13年秋
仙三郎は、杜氏や蔵人から煙たがられていた。
酒樽から音がしたのを聞き、仙三郎は酒が生きていることを感じた。

酒に腐造が見つかった。
銀行から金を出せないと言われてしまった。
蔵を清潔にするからと、立ち上がった。
父は亡くなった。
母「こうなったら、どないなっても酒作りを成功させないといかん」
弟は反対して出て行った。
仙三郎「広島じゅうの酒蔵を幸せにしちゃる」
妻・ソノによると、仙三郎は寝る間も惜しんで酒づくりの勉強している。
父が亡くなった年に、妹の直子、弟の新七も相次いで亡くなった。

現代
酒づくり技術センターの立花(川上麻衣子)が立ち会った。
創太は蔵は畳んでしまうべきだと家族に提案した。
「姉ちゃんが酒を売るんか、素人がやってできるものじゃないってわかるやろ」
明日香が父の思いを途切れさせたくないため「蔵に入れてください」と佐々田に願い出た。
母は「明日香には好きなことして欲しいんや」
明日香「無理なんか、しとらん」

明治16年、新蔵完成。
客から酒が腐ってると文句が来た。
たしかに腐っていた。 
仙三郎は、灘へ修行に旅立った。
妻・ソノ(戸田菜緒)に手紙を出した「人こそ、宝なり」

杜氏「わざわざ灘に行って勉強したんだ。今年の酒づくりは好きにしたらいいですよ」
神棚に手を合わせた。
丁寧に灘方式をメモしていた。
蔵人は灘のやり方を見て驚いた。
うたた寝して起きたら、酒樽の酒がぐつぐつ言い出した。
長峰が杜氏に「旦那さんに頭下げてください。いい酒をつくれます」
仙三郎「樽の中には神様がおられます。神様に頼る前に人が工夫したら、いい酒が出来るんじゃないでしょうか」
杜氏「それは出来ん。もうすぐ新しい時代が来る。杜氏も変わらなきゃいけん。旦那さんには
新しい右腕がいるでしょう」
仙三郎は長峰に「あんたが杜氏になってくれんかのう」
長峰「はい」
明治19年春、母が倒れた。
弟は家を出てしまった。
仙三郎は、やがて蔵を譲ろうと思っていた。

現代
亮治の意識は戻らなかった。
明日香は夜も酒の勉強に明け暮れた。

明治22年初秋
ソノは仙三郎の弟に頭下げた。
仙三郎が戻った時、ミヨが来ていた。「うちの子にもらいました」
仙三郎「しっかり食べさせてやらにゃ」
仕事中も、娘の顔を見にちょいちょい家に帰った。

明治25年、夜にミヨは高熱を出した。
医者も間に合わず、その日のうちに息を引き取った。
ソノは葬儀の帰り「離縁してつかわさい」
仙三郎「どうした」
ソノ「あなたはまだ元気、血のつながった子どもを」
仙三郎「子どもはミヨだけでいい。短い間じゃったが。生涯の嫁は、お前だけじゃ」

明日香は病室で仙三郎の自叙伝を読んで涙を流した。
父の目が開いた。
明日香の声に反応しただけだった。
父の手帳を母から預かった。
「明日香と新しい酒を作る」と書かれていた。
さらに「追花心」
跡取りの忠造が、賞を取った酒「花心」

明日香に、仙三郎が話しかけて来た。
「酒を作るんか。ミヨがワシの夢を継いでくれるんか」

明日香は研究センターの立花を訪ねた。
「父が元気になる前に、この酒を作ることはできんでしょうか」
立花は、以前亮治から花心の復刻について、相談を受けていた。
立花から、杜氏の酵母で作った酒を飲ませてもらった。
飲んでみたが、現代では美味しいものではなかった。
仙三郎の花心を改良したものを作ることを思いついた。
創太が休みの土日に酒蔵を手伝うとやって来た。

明治25年
橋爪が紹介され、広島の水は軟水だと聞いた。
「京都の詳しい蔵元がいます」
さらに、酵母があることを知った。

明治26年秋、大八木先生の講演
栄養のない軟水で酒を作る場合、発酵に時間かけて酵母の生育を見守る。灘のようなうまい酒が作れる。
仙三郎は「知多流の冷がけを軟水でやって見る。丁寧にやさしく醸す、吟醸の酒じゃ」

並行して、明日香と仙三郎の酒作りが順調に進んでいく。

27年早春
妻・ソノも試飲して、花心を気に入った。
仙三郎「花心はミヨのために作った酒じゃ。ずっと成長する。来年はもっといい匂いがする」

並行して追花心も完成し、試飲した母も祖母も喜んだ。
病院で亮治に見せ、瓶を持たせた。
しんいちは卒業アルバムの「日本一美味しい酒を作る」と明日香が書いた誓いを見せた。

祭り会場に、1台の車が到着。
まだ麻痺が残るものの、意識が戻った亮治が車椅子で登場。
明日香が笑顔で瓶を見せた。

(2021年製作、油谷誠至監督作品)

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三浦仙太郎さんの冷蔵庫のない時代の酒造りの苦労を知ることが出来た。
粘り強くあきらめないでやり遂げた、仙三郎さん。
業界を超えてもっともっと多くの人に見てもらいたい。
日本の産業界から、世界をあっと言わせるものを作り上げてほしい。

硬水が出るのは海外のことかと思っていたら、国内でも軟水の地域があり、硬水の地域があるのだと知ったのも勉強になった。

予備知識なしで見て、勝手にマイナーな映画だと思っていたら、誰もが知っている俳優さんがどんどん出てきたのでびっくりした。


「達人に学ぶ最高にうまい米の炊き方」の記事はこちら(2021年12月29日)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
http://ameblo.jp/miyacar/entry-12716081501.html

では、明日。