◆池上彰ニュース解説「リニア新幹線」 | ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

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いつしか食べ歩きがライフワークになってしまった今日この頃。
美味しかった店はもちろん、雰囲気の良かった店を紹介していきます。
2023年12月に外食記事 4000号を達成しました。
ちょこちょこ地域別索引も更新中。
現在、「いいね」返しが出来ません。

▼写真AC:フィナぼっちさん提供のフリー素材「リニア新幹線」


名古屋から品川が40分で結ばれる・次世代の超特急。
2027年開業予定が、遅れることが明らかになった。
2027年開業を掲げるリニアには、立ちはだかる壁がある。

名古屋駅コンコースの下は最大の難所の一つであり、リニアの駅は地下30メートルに作られる。
ここには、4つの壁があると言われている。

①時間の壁
10を超える在来線の線路があるため、運行中は工事が出来ない。
毎日、終電から始発の間の5時間しか工事が出来ない。

②高さの壁
機械に高さがあると、線路に当たってしまうため、約6メートル内で作業。
30メートルの杭を打つのに、3メートルのを10個つないだ。

③地盤の壁
もともと名古屋駅のある場所は海。
島とか泥とかの地名が多く、地盤が緩い。
掘る前に固める必要があった。

④歴史の壁
地下に鉄道郵便通路やエレベーターホールなど、今は使われなくなった構造物が見つかった。
壊すのに苦労している。

リニア構想は1960年代からあり、大阪万博でも展示された。
東海道新幹線開業(1964年10月1日)の当時は「夢の超特急」と言われていた。
着工から開通まで、わずか5年半。工事も超特急だった。
土地の買収が終わっていたため。
新旦那トンネルは1941年に着工していた。
東京五輪開会式の10月10日に、間に合った。
これには、国民の後押しがあった。
国民が開業に期待していた。

もっと大きな「壁」が存在する。
静岡県が唯一未着工。
南アルプスのトンネル工事で大井川の水が山梨県に流出する恐れがあるから、川勝平太・静岡県知事が待ったをかけた。
JR東海の社長が直談判したトップ会談だったが、何も進展なく終わった。
知事選では、リニア反対を多くの県民を味方につけて圧勝していた。
しかし突然、リニア沿線知事会に加盟した。
リニア実験線の試乗をし、時速500キロも体感した。
部分開業という持論を展開したが、JR東海の社長は全面否定。
川勝知事は、神奈川県のリニアの建設現場を視察した。
神奈川県の車両基地の用地買収が進んでいないと指摘。
部分開業さえも、2027年には間に合わないと表明した。
長崎幸太郎・山梨県知事もトンネル工事の際に、静岡から何も連絡が無いと沿線の知事たちを巻き込んだ川勝劇場。

南アルプスに穴が空くと最大毎秒2トンの水が減る。
南アルプスの生態系が傷ついてしまう。
熱海事件の結果、静岡県は残土について厳しくなった。
しかし、静岡県がゴネるもう一つの理由がある。
静岡県に止まる予定がないため、メリットが無い。
岸田総理はひかり号が多く止まるようになると発言した。
知事は「当たり前だ。国交相から言わせたんだろ」と噛みついた。

静岡市長と静岡県知事とは、犬猿の仲だとも言われている。

山梨県知事は、静岡空港駅の下に新幹線の新駅を作る案を持ち上げた。
(通勤新線とされた、埼京線の成り立ちを思い出した)
この件にJR東海は、掛川駅から近過ぎて(15キロ)、これでは高速鉄道として意味がないという。
(東京・品川間はもっと短かい)

新駅が作られることになった岐阜県中津川市は、期待と歓迎でいっぱい。
自然観察指導員の籠橋さんは、御嵩町にあるカエデの仲間のハナノキなと、自然の一部が
開発により無くなってしまうことを危惧している。
また、都内で起こった外環道トンネル工事の陥没などにより、地下に対する不安の声も上がっている。

そもそもこの時期には、大雪が降る。
大雪での新幹線のトラブルも目の当たりにした。
JR東海は、8割以上が地下トンネルなので、そもそも雪の影響を受けない。
屋外区間では、スプリンクラーで雪を溶かすから大丈夫だと言っている。
JR宇野護副社長は、静岡工区が未着手であるから、延期時期については、見通しが立たないと述べた。
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新しいものを作るときに、環境を壊してまで進めてはいけない、ということを改めて考えさせられた。
静岡県知事が、番組に対して抗議して来ないかも心配になった。

番組を見ていて、5つめの壁を取り除くのは厳しい、今の「のぞみ」で十分なのではないか、と思えて来た。
かといって、ここまで進めてきたものからの撤退にも、勇気もいるだろう。


前回の「池上彰・食事から新発見」の記事はこちら(2022年8月1日)
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http://ameblo.jp/miyacar/entry-12755152789.html

では、明日。