ハープの起源は紀元前4000年ごろの古代メソポタミア文明。


狩人の弓矢の形がハープ発案のアイデアになったようです。


そのためか、弓道とハープには共通点が多い。


たとえば「残心(ざんしん)」。


ミヤビ・メソードでは、曲の一番最後の音が終わったあとの腕の動きをとても大切にします。


音をはじいた後も、まだ音楽は残っているから、


音の余韻が響いているあいだは、心を現実に戻してはいけない。


余韻をちゃんと聴いていれば、


すぐに弦を止めたりすぐに手を下に降ろしてしまうことはできないはず。


腕を空中に舞わせることを恥ずかしいという生徒さんが多いですが(笑)


見た目の美しさだけでなく、この動作をいかにするかで音の空気感が変わり、


音楽全体の印象も変わってしまうという大変重要な役割をもっています。


矢を放ったあとも、しばらく心を集中させる弓道の「残心」。


ちなみに、茶道における「残心」は千利休もうたっているように、


客が帰ってすぐに扉を閉めたりさっさと片付けたりせずに、


客が見えなくなるまでずっと見送って一期一会の出逢いの名残惜しさを噛みしめる


という意味合いをもちます。


音楽家も、音を名残惜しく愛しむ心をもちたいものですね。