人格障害や精神疾患、社会心理学に関する本をいろいろ読んだ中で、日本語での文献で興味深い物は、日本人の社会学者である加藤 諦三氏の著書全般。中でも特に、

あなたを傷つける人
「あなたを傷つける人」の心理
-きずな喪失症候群 (PHP文庫) [文庫]
加藤 諦三 (著)


が非常に興味深く、よく書かれた本だと思います。そこらへんの心理学者や精神医よりも、人格障害や神経症、人間関係と社会のダイナミックについて、大変わかり易く解説していると思いますグッド!

私としては、個人の人格障害や精神疾患はその個人が生きる社会や世界についても考察しなければ、本当の意味で理解できないような気がします。

他のブログの書評にもあるように、

加藤 諦三氏の言うところの『きずな喪失症候群』とは、いわゆる『境界性人格障害』や『自己愛性人格障害』などの境界例スペクトラムのことを言っていて、『燃え尽き症候群』は神経症、もっと突き詰めて言えばアダルト・チルドレン的な共依存症的神経症と言えるでしょう。つまりは自己愛の強過ぎと不足の凹凸がくっつく関係。

日本だけではないですが、文化的・社会的背景からして日本人は『燃え尽き症候群』、アダルト・チルドレン的な共依存症的神経症を持ち合わせるような資質があると思います。これ、皆が皆、こうだと、あまりはっきりわからないのだと思いますが、思い知らされることが多いのは特に海外で生活や仕事をする場合ですね。いくら個性の強い、自立した日本人でもアダルト・チルドレン傾向があるのは否めません。

ま、これ、スケールというかコンティニュアム(相対性)的な問題なので、一概にどれが正しいあり方かはてなマークということは難しいかもしれません。例えば、日本よりは個人主義傾向が強い欧米社会の方が、『きずな喪失症候群』傾向が強く、日本や他の共同体社会の圧力が強い文化は『燃え尽き症候群』傾向が強い、などです。で、男性の方が女性よりも『きずな喪失症候群』傾向が強いのも、生物学的特徴かと。。

気に留めるておくだけでも、人間関係の仕組みが見えやすくなると思います。

また、より『燃え尽き症候群』的なAC傾向のある依存症タイプの考察には、

自分に気づく心理学
自分に気づく心理学 [単行本]
加藤 諦三 (著)


加藤 諦三氏の語録:ウィキペディアより
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やきもち・嫉妬は受身の人の攻撃性です。
愛における大きな過ち、ロマンチズム。
働きたくない気持ちは劣等感の症状です。
変身願望は人間関係が希薄な人に現れます。
自分が良い人になりながら自分の要求を通すことはできません。
嫌いな人にしがみついて離れられない。人間関係依存症と言います。
ひどいことをしても恨まれない人もいるけれど、立派に生きて恨まれる人もいます。
自分の言葉が相手を傷つけないかいつも気にする人は心の底に敵意があります。
誰かを人間のクズだと叫ぶ人は、誰か私を助けてと言っている。
受身の我慢で人は不幸になります
人の言いなりになる人の周りには、ずるい人が集まります。
傷つきやすくて我慢ができない。生きるのに不適格な性格です。
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なかなかグッド!

ブレーキ解除セラピスト・谷口祥子さまのアメブロ記事:
「気が付くと人に利用されている」という人におすすめの、ぶっ飛び本

他にも、加藤 諦三氏の著書を紹介しているブログからの記事でも興味深いものが多いです。

加藤諦三の『愛される法則 ~愛はこんな小さなことで確かめられる~』

Merci beaucoup
みやび