[Illustrator]オブジェクトの重ね順とレイヤーの関係 | まきのゆみの Adobeデザインソフト マスター教室

[Illustrator]オブジェクトの重ね順とレイヤーの関係

みなさんこんにちは。
アドビ認定インストラクター・まきのゆみです。


11月も早半ばですね。
みなさんいかがお過ごしでしょうか?


9月に発売された私の4冊目の著書
Photoshop しっかり入門
おかげさまで本日も、
本 › コンピュータ・IT › 入門書 にて1位になっていました。

151105


土日はこの傾向があるのですが、
みなさん、土日に学習意欲が高まったり、
ゆっくり本が探せるのでしょうか。
何はともあれ、嬉しいことです。
ありがとうございます。


さて、本日は、
オブジェクトの重ね順とレイヤーの関係について
まとめたいと思います。


レイヤーとは、透明のフィルムのようなものです。
レイヤーを管理しているのが、[レイヤー]パネルです。
レイヤーは、Photoshopにもある考え方ですが、
Illustratorにおけるレイヤーは、
オブジェクトを整理するという意味合いが強く、
作業する上でわかりやすく管理すればいいわけです。


以下のようなレイヤー構造の例を使って、
各レイヤーのオブジェクトがどのように動作するか
見てみましょう。

レイヤー1

レイヤー3


[レイヤー]パネルでは、
上にあるレイヤーほど前面になります。

レイヤー名の左横の三角をクリックすると、
そのレイヤーに配置されているオブジェクトを確認できます。

レイヤー2


順番を整理すると、下から、
■水色の四角(最背面)
■ピンクの四角
■黄色の丸(最前面)
になるわけです。
黄色の丸が最前面ということですね。


ここでのポイントは、
■同じレイヤーにあるオブジェクト
■異なるレイヤーにあるオブジェクト

どういう状況であるかです。


同じ「四角」レイヤーにある
水色とピンクの四角を見てみましょう。
■水色の四角が背面
■ピンクの四角が前面

レイヤー1

レイヤー2


このオブジェクトの重ね順は、[重ね順]コマンドで変更ができます。
ここでは、水色の四角の重ね順を変更してみましょう。


1
水色の四角を選択し、
[オブジェクト]メニュー→[重ね順]→[最前面へ]を選択します。

レイヤー4

レイヤー6


2重ね順が変わり、
[レイヤー]パネルでのオブジェクトの順番も変わります。

レイヤー7

レイヤー8


しかしながら、最前面になったのは、
あくまで「四角」レイヤーにおいてであり、
上位レイヤーに当たる「丸」レイヤーにある黄色の丸より
前にすることはできないわけです。


これは、[重ね順]コマンドだけではありません。
[前面へペースト]コマンドも見てみましょう。


1水色の四角を選択し、
[編集]メニュー→[カット]を選択します。
レイヤー4

レイヤー9


水色の四角がカットされます。
レイヤー10


2[編集]メニュー→[前面へペースト]を選択します。

レイヤー11


水色の四角が前面にペーストされますが、
上位レイヤーに当たる「丸」レイヤーにある黄色の丸より
前にすることはできません。

レイヤー12

レイヤー8


このように、重ね順の考え方は、
同じレイヤーにあるオブジェクト同士の動作であり、
異なるレイヤーにあるオブジェクトには影響がない
のです。
最前面にしたいのに、最前面にならない!
…なんてことがある場合は、
そもそものレイヤー構造を確認する必要があります。
下位レイヤーにあるオブジェクトは、
[重ね順]コマンドや[前面へペースト]コマンドでは、
上位レイヤーにあるオブジェクトより前面にはならない
のです。


下位レイヤーにあるオブジェクトを
上位レイヤーにあるオブジェクトより前面にするには、
[レイヤー]パネルでオブジェクトをドラッグして上にします。


最上位にある「丸」レイヤーの最前面に移動してみました。

レイヤー13

矢印

レイヤー14


新規で最上位にレイヤーをつくり、
そのレイヤーに移動しても前面になります。

レイヤー15

レイヤー16


状況に応じて、いろいろな方法を試してみましょう^^


★★★Photoshop しっかり入門発売中!★★★

Photoshopしっかり入門