お友達からお借りした『バグズワールド』を観ました
パソコンで見ると疲れるだろうから何日かに分けてみようと思ってたのに、休憩をはさみながらですが、一日で見てしまいました。

オオキノコシロアリとサスライアリのバトルをフィクションで描いたものですが、昆虫学者の指導監修を受けながら、昆虫の生態を重視して作られ撮影されています。


私としては本編よりメイキングの方が面白かったですね。
メイキングのフィルムも50分くらいありました。
撮影されたブルキナファソでは、シロアリを貴重なタンパク源として食べる人たちがいて、油で唐揚げにして美味しそうに食べてる映像だとかありました。彼らにとっては羽アリは雨期の到来を知らせてくれるありがたい昆虫で、多産であることから子宝の象徴だったりするというようなことが紹介されていました。
シロアリが現代の日本みたいに憎まれてばかりじゃないってことをリポートしてくれてました。
確かな文献をみてないけど、きっと日本人だってその昔はシロアリとうまく共生してたはず。
スズメバチがただ恐ろしいだけの昆虫じゃなかったように、現代のように盲滅法殺しちゃうなんてことは、やらなかったんじゃないかな。

思い返してみれば、うちの羽アリも確かに梅雨入りを教えてくれてました。
気象予報士より、気象衛星より、よっぽど彼らの方が確かです。(笑)


さて肝心の映画の内容は、まったくのフィクションですので、現実にはこの映画のようにサスライアリがシロアリの塚を襲うということはないそうです。

そうなのです。黒蟻はよっぽどシロアリのコロニーが弱体化しているか、もしくは食糧補給場所にしている木材に食べる部分がなくなって放棄してしまったとかの理由がない限り、シロアリの巣や蟻道にどんどん攻撃を仕掛けることはありません。ですから、映画では落雷で木が倒れ蟻塚の一部が壊れて浸水し、危機的状況になっところにサスライアリが攻撃を仕掛けてきたという設定になっています。

それで、ブログに書き忘れていたことがあったことを思い出しました。

うちのシロアリの進入路の一つであった玄関のポーチ柱に作られる蟻道を、シロアリに諦めさせるために毎朝壊していた時のことです。壊しても壊しても一晩で修復され、それが一ヶ月近く続き、私の方が根負けしそうになっていました。
そんなある朝ひらめきました。柔らかい蟻道のトンネルをくずしオープンになった蟻道に、天敵である黒蟻を誘い込んで襲わせれば手間が省けるじゃないのよと。そこで一番近い黒蟻の巣から砂糖で誘導して、黒蟻を近づけてみたことがありました。私はすぐにさま黒蟻が蟻道に入りこんでいって、それこそシロアリが蟻道を塞ぎきらないうち、攻め込んでいってシロアリを次々とやっつけると期待していました。
ところが、黒蟻は蟻道のあったところにまるで透明のシールドでもあるかのよう行動したのです。決して蟻道に入り込むことはなく、むしろ避けて遠ざかるような行動をしました。

じれた私は黒蟻を一匹ピンセットでつまんで蟻道に強制的置いてみました。すると黒蟻は急に動作が鈍くなり、そこを通りかかった職蟻にはね飛ばされてしまったのです。一匹ずつの対決なら黒蟻の方が圧倒的に強いはずだと思ってた私はビックリしてしまいました。それで、今度はシロアリの兵蟻をつまんで外に出してみました。蟻道をはずれた地面では、やっぱり黒蟻の方が圧倒的に強いんです。蟻道にはきっと黒蟻にとって苦手な成分があるのです。

ぐずぐずそんなことをやってる間に、シロアリの方はさっさと蟻道を塞いでしまいました。
結局その蟻道を諦めさせることが出来たのは、大量の粗塩でした。

話は元に戻って
映画ではシロアリの塚の中での行動のリアルな再現も撮影もできなかったようです。蟻道を整列してガンガン進むシロアリの隊列の映像はほとんどありませんでした。しかし女王アリさんの生きてる姿、産卵シーンがみられるのは貴重かもしれません。


監督は、昆虫嫌いの人でも楽しめるエンターテイメントに仕上がってると胸を張ってましたが、黒蟻など小さな昆虫ががうじゃうじゃと蠢いてるのが苦手という人には、虫酸が走る映画です(笑)


メーテルリンクの著書といい、この映画といい、シロアリ研究家のかたがたがいうように、シロアリのことを知れば知るほどその謎めいた生態に惹かれていきます。

どんなに可愛いと思えるようになっても、自分の家をかじられるのは二度とご免ですけど。
あのショックは実際被害にあった人でないとわからないよねえ。







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