発売から年数も経過し、いろいろマイナーチェンジもしているので、記事を再投稿しました!2019年版はコチラ
こんにちは。
渋谷便りです。
今回は、グランフィールの構造について書きます
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆
………??“グランフィール”ってなぁに??………
グランフィールとは、
アップライトピアノにグランドピアノのタッチと響きを与えるべく発案された、
鹿児島県の藤井ピアノサービスさんの新案特許です。
グランドピアノとアップライトピアノの構造の違いとして、演奏性に於いて表現力の幅の違いはもちろんのこと、よく言われるのが“同音連打性”です。
同じ鍵盤を連続でどのくらいのスピードで弾けるかということですね。
では、まずグランドピアノの構造を見てみましょう。
グランドピアノのアクション(構造)模型
実は、サイレント付きの模型なのでちょっとだけ余分なものも付いていますがお気になさらず…
グランドピアノには“レペティション”という機構があり、打鍵(鍵盤を弾いた)後、
鍵盤を三分の一戻すと次の打鍵ができます。
実物はこちらです。鍵盤より奥側を拡大してみました。
指の力を抜くと鍵盤の方から指を押し上げてくる感触があり、1秒間約14回の連打が可能です。
ところが、
アップライトピアノは打鍵後に鍵盤を元の位置に戻さないと次の打鍵ができません。
鍵盤の方から押し上げてくる感覚もなく、指を持ち上げてから次の打鍵が開始されます。
1秒間に可能な連打数は、約7回です。
そこで!!
アップライトピアノでも グランドピアノのような、
指に吸い付いてくる感触・連打性の高さ(1秒間に13回の同音連打が可能)・
コントロール性の高さ・はっきりした発音を実現したのが
グランフィールです。
グランフィールピアノGf01Wnのアクション&通常のアップライトピアノのアクション
※横から撮影するため、ピアノから取り外しました。目線の角度が若干違うのはご容赦ください(+o+)
※このGf01Wnのアクションはバックストップオプション付きです。詳しくは店頭にて…
グランフィールには、
あらかじめグランフィール機構が搭載されている、
2012年10月に発売されたグランフィールピアノ“Gf01Wn”という機種と、
既存のアップライトピアノに、
グランフィールの機構を後から取付ができる“グランフィールユニット”があります。
※2018年4月にGf01Wnがモデルチェンジし、Gf01W(高さ121cm)とGf01S(高さ118cm)の2機種になりました。
まずは、Gf01Wnについてでの記述です。
~通常のアップライトピアノと比較をして見ましょう。~
グランフィールは、従来のアップライトピアノに新たに2種類のバネが取付されます。
そして、とある部品の形状が従来の物とは異なります。(←こちらについて詳細は企業秘密です載せられない為ぜひご来店ください!)
●レペティションスプリング●
操作性を上げ、1秒間13回の同音連打を可能にし、素早い動きにも対応。
また、従来のアップライトピアノでは難しかったごくごく繊細な音のコントロールも可能に。
※黄色い丸で囲ったのがレペティションスプリングです。
付いているのがグランフィールのアクション、付いていない方が通常のヤマハU1型アクション。
スプリングを取り付けているパーツをジャックと言います。
このジャックがハンマーを押し上げて、ハンマーが弦を打つ仕組みです。
ジャックが元の位置(静止時の写真の位置)に戻らないと次の打鍵ができません。
レペティションスプリングは、ジャックが元の位置に戻る速度を上げているのです。
●ショット&ドロップスプリング●
ハンマーが弦を打つ瞬間に、ハンマーの柄の部分にこのバネを接触させることにより、
リムショット効果を生みます。
バネが接触することにより、
ハンマーの柄の部分がしなって打弦速度が速くなり音の立ち上がりが良くなるのです。
また、ハンマーが打弦した後の、弦からの離脱速度も速くなるので、
倍音の発生を妨げることなく響きが豊かになります。
※白い丸で囲ったのがショット&ドロップスプリング。
付いているのがグランフィールのアクション、付いていない方が通常のヤマハU1型アクション。
≪静止時≫
≪鍵盤を弾いた時≫
続きまして、後付のグランフィールです。
三浦ピアノでは“グランフィールカスタム”として展示しております。
~こちらは、Gf01Wnと比較してみましょう。~
Gf01と同じ、レペティションスプリングとショット&ドロップスプリングを取付します。
そして、とある加工をします。
実は、その加工こそがグランフィールの一番の要なのです。
グランフィールピアノGf01Wnには、元々その形状をしたパーツが付いているのですが、
通常のアップライトピアノとは異なるため、
グランフィールを後付する際には、Gf01Wnと同じ形状になるように加工しなくてはなりません。
加工については企業秘密の為、ぜひ店頭で実物を前にしてお話しさせてください。
●レペティションスプリング●
GF01Wnと同じスプリングを付けます。
●ショット&ドロップスプリング●
こちらも、Gf01Wnと同じスプリングを付けます。
先に出ているのがGF01Wn、後に出ているのが後付グランフィール。(今回のピアノはヤマハU3Aです。)
≪静止時≫
≪鍵盤を弾いた時≫
グランフィールカスタムは、さまざまなピアノに後付けできます。
取り付けたことによって、全く別物になってしまうのではなく、元のピアノの良さをそのままに、パワーアップした感じ!になります。
最後に、蛇足ではありますがGf01Wnの中身を色々写真撮ってみました。
フォトギャラリーのような感覚でご覧くださればと思います。
まずは、外装をはずしました。
この程度ならよく見かける感じですね。
で、外したアクション。
裏側から。この角度からってみなさんあんまり見たことないのでは!?
ショット&ドロップスプリングが良く見えます。
横から。は、上にも載せましたね…ちょっとだけ大きくしましょう。
なんだか、ピアノの中についているよりこの方が見やすかったりします!?
ついでにダンパー。横に並んだ、四角くて白いフワフワ。
グランフィールに限った事じゃなくて、アップライトピアノ全般のお話です。
これが通常は、弦を押さえて止音していて、鍵盤を弾いた時だけ弦から離れるんです。
ダンパーペダル(右のペダル)を踏むと、音が伸びっぱなしになりますよね、あれは、このダンパーが弦から離れっぱなしになるんです。
更についでに鍵盤。
鍵盤は、シーソー運動しています。
で、鍵盤側にも穴が開いていて、ピン(金属)と鍵盤(木)の摩擦を防ぐ為にクロスが貼ってあります。
以上です。
あ、Gf01Wnは、上前板に音抜けがあります。譜面台で隠れて(隠して)ます。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆
今や、インターネットで様々な情報が手に入ります。
しかし、その情報が全てではありませんから、実際に触れてみないと分からないことも多くあります。
グランフィールのように“新参者”は特に、確かな情報が少ないので、お客様ご自身で体感していただきたいと思います。
是非、実物をご試弾にいらしてください(*^▽^*)
皆様のご来店をお待ちいたしております