このテーマで書かせて頂くには丁度よく、先日大阪でライブがあった。
僕がいた頃に比べると随分と街は華やかになっていて、先日帰った時には劇場の隣にあり、よく通っていたジュンク堂がドン・キホーテに変わっていた。
淘汰と進化を繰り返して、時代と共に街は変化して行く、僕の思い出の為だけに留まってくれはしない。
先輩によく連れて行って貰った居酒屋も、無理やりメンバーに入れられたコンパで使っていたカラオケ屋、その帰りに行ったラーメン屋も違う店になっていて、辛うじてそのラーメン屋の近くにあったトルコアイス屋だけが、当時のままの姿を残していた…
いや何でトルコアイス屋残ってんねん!!
なに今だにゴリゴリの民族衣装着て笑顔でアイス伸ばしてねん!
誰が今トルコアイス買うねん!
そもそも冬やしな!
しかしこれが大阪なのである、心斎橋の商店街で行列を作っていたクリスピードーナツは閉店したが、そのずっと前からあるトルコアイス屋は今日も開いている、これが大阪なのである。
落ち武者のような頭で、口を鯉のようにパクパクさせてるおっさんがいる、しかしそのおっさんは小脇にヴィトンの鞄を抱えている、これが大阪なのである。
他人から見れば雑然としているように写っても、そこには大阪なりの秩序が存在しているのだ。
東京のように完璧に演出された空間ではないが、だからこそ大阪には、息ぐるしさや圧迫感を感じない居心地の良さがある。
そしてたまに、未完成なものにしか出来ない美しさや驚きを見せてくれる、それが大阪の魅力なのだ。