三つ目のアサト

グレープカンパニー所属のキャラバンの難波麻人です。


テーマ:




動物が好きな人間と嫌いな人間、両者のペットに対する感覚には大きな隔たりがある。


まるでペットを本当の子供のように愛でる者もいれば、ペットという存在がただただ嫌悪や恐怖の対象にしかならない者もいる。


これは当たり前の事なんだけど、ペットを飼っている人間は時折そこを無視した行動に出てしまう。


僕が公園のベンチに座っていると、よぼよぼのじじいが、通常の大型犬より二回りほどデカい、本物のオオカミみたいな犬を連れて入ってきたのだ。


更にその全身の水分抜き取られたみたいなじじいは、フェンスに囲まれ、出入り口が一つしかない公園の金属の扉を閉め始めたのだ。


『このじじい嘘やろ?』


そう思った瞬間、そのぬらりひょんにそっくりなじじいは犬の首輪を外し、GO!と手を叩いた。


逃げ場のない僕は、完全にベンチと一体化する事だけに全神経を集中させ、そのオオカミのような犬が前を横切る度に、全身から汗が噴き出した。


永遠のように感じられた時間も、時計を見れば10分程で、満足したオオカミは大人しく首輪を付け、飼い主であるぬらりひょんを引きずりながら帰って行った。


この恐怖体験も、ぬらりひょんからすればただの日常なのである。


こんなにも温厚で優しい性格の、顔だって飛びきり可愛い愛犬を放したところで、誰の迷惑にもなるわけがないと本気で思っている。


可愛いと思う事が悪い訳ではない、他人も同じだと考えるのが問題なのである。


僕は20歳を超えるまで動物が怖くて触れず、そこから猫を飼い出して少しずつ慣れていった。


だからどちらの気持ちも分かるのだか、やはりペットを飼う側は、動物が嫌いな人間がいると常に注意を払うべきである。


僕も今マスモトというペットを飼っている。


ペットと言っても動物ではなく、陸上で生活する河童科の妖怪なんだけれど。


やはりその姿を見て不快に感じる人間がいるんだと細心の注意を払っている。


好奇心が旺盛な所があり、人間との触れ合いを好むが、夜行性なので人間を驚かせてしまう事が多い。


なので今は、遮光カーテンを閉め切った部屋の中で、友達にとオカメインコを与え、人間は恐ろしい生き物だから近づいちゃいけないと、絵本を読み聞かせて教えている。


少し可愛いそうな気もするが、これが人間社会でペットが生きて行く為の愛情なのである。


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