旋盤工が使う図面には、百分の一㍉単位の
数字が並んでいた
その精密さにひるむ見習工
先輩が声を掛けた
「百分の一㍉ってのがどんなものか、教えてやろう」
先輩は見習工の両手に髪の毛を1本ずつ持たせ、
親指と人さし指で、もませた
「どっちが太い?」
正しく答える見習工
その差、百分の一㍉
「な、百分の一㍉なんて、そんなもんだ」と先輩
人間の指先がどんなに鋭いものかを教えられた、
と熟練の旋盤工で作家の小関智弘さんは
振り返っています
触覚だけでなく、人間の五感には
想像以上の力がもともと備わっています
そう考えると、電話やメールで済ませず、
直接会って触れ合うことの大切さを
改めて思います
会わなければ気付けない表情や、
聞こえない心の声があります
時を逃さず、人に向き合いたいですね