2月になると思い出すことがあります
2月のある日、新幹線の「こまち号」で、
車窓に雪原が続く秋田県を横断した時のことです
車窓に雪原が続く秋田県を横断した時のことです
暦の上では春になったとはいえ、
まるで時間が止まり、音も雪中に吸い込まれたような、
静寂な冬の情景でした
まるで時間が止まり、音も雪中に吸い込まれたような、
静寂な冬の情景でした
時折、はるかに民家が見え、そこへ続く一本道に
人の通った跡が、かすかに残ります
人の通った跡が、かすかに残ります
足跡なら徒歩、1本の線ならオートバイか自転車で、
2本なら車といったところでしょう
2本なら車といったところでしょう
横殴りの吹雪にあらがいながら進む人の心の強さと
けなげさを思い、胸が熱くなったことを思い出します
けなげさを思い、胸が熱くなったことを思い出します
そこで、一人の男性と話をする機会がありました
彼は昔、出稼ぎで東京にいましたが、
故郷に東北に戻ったそうです
故郷に東北に戻ったそうです
厳しい自然環境のもとでの農業は、
一家が食べるだけで精一杯
一家が食べるだけで精一杯
それでも胸中はロマンに燃えていたそうです
大雪の中、はぐれないように荒縄で体を結び、
仲間と数珠繋ぎで歩いたこともあったといいます
仲間と数珠繋ぎで歩いたこともあったといいます
現代の状況からは想像もつかない話ばかりでした
男性の”足跡”は、今や後継者の活躍、
地域の発展と花開いたのです
地域の発展と花開いたのです
厳寒の鍛えなくして、爛漫の春は訪れません