「学歴は?」と問われれば、大抵の人は
卒業した学校名を挙げるでしょう
しかし、明治期に活躍した歴史地理学者・吉田東伍は
自身の学歴を「図書館卒業です」と語り、
胸を張ったといいます
彼が学校教育を受けたのは9歳から13歳まで
それ以降は家業を手伝いつつ、
家や図書館の本を読むことに徹して学問を身に付けたのです
後年、大学で教壇に立つまでになった吉田は、
全国の地名の由来を研究した地誌や能楽研究を
大きく前進させる業績を残しました
私の友人は講演会などで聞いたことを書き写した
何冊ものノートを見せてくれました
「もっと深く学びたい」と、
長年にわたり書いて覚える挑戦を重ねているといいます
そうして信頼を広げ、最近は地域の行事で
講演を頼まれるようにまでなっています
「多くの人に語り、喜ばれることが嬉しい」と
自らの意志で、自らを創り上げようと努力する中に、
人間としての輝きがあります
社会のために汗を流す人は、
”人間学の博士”といえるかもしれませんね