蓄財に無関心で、銀行口座すら持たない
ウルグアイのムヒカ前大統領は、
「世界で一番貧しい大統領」と呼ばれてきました
”貧乏とはいくらあっても満足しない人のことだ”
”命より高価なものは存在しない”───
氏の発言や評伝は、日本でも本やテレビで紹介され、
話題になっていました
市場主義がもたらす格差の拡大への根源的批判が、
人々の心に刺さるのでしょう
青年時代の氏は、経済政策の失敗による
貧富の差の拡大に怒り、
反政府ゲリラに加わります
逮捕され、14年近く投獄されました
しかし、その獄中生活のおかげで、
氏は、”ファナティシズム(狂信)は憎しみを生む。
異質なものに寛容であってこそ、良き社会を築ける”
との考えを得たのです
戦争や暴力は「正義」と「正義」の衝突から起こります
正義を叫んでも、寛容の心が伴わなければ、
人間は野蛮へと落ちてしまいます
そういう例を、私達は嫌というほど見せられてきました
衝突と分断が覆う世界にあって、
必要なのは「思いやりのある正義」だと思います
つまり「相手の立場になって考える」精神です
その想像力と勇気を鍛えるのが教育だと考えています