大震災と原発事故の被災者との懇談会に臨んだ時、
参加した原発避難者が語っていました
昨秋、仮設住宅から災害公営住宅に入居した男性です
「震災から5年がたち、自分では『もう大丈夫』
と思っていた。しかし、震災直後のように
涙が止まらず、言葉に詰まってしまった」
故郷に帰れない───その深い悲しみが、
懇談する中で、せきを切って溢れた
近しい人を亡くしたり、故郷を失った辛さは、
時がたっても消えるものではありません
心の奥にしまわれただけです
ふとしたきっかけで、思慕の涙を流す人も
少なくありません
「なぜ自分がこんな目に」───
この苦しみを振り切るために頑張っていると
言ったほうがいいでしょう
だから励ましが必要なのです
それも通り一遍でなく、「励まし続ける」
ことだと思います
男性は懇談会の席で、出席者に聞かれました
「夢は何ですか」
ハッとした
”幾つになっても、夢は持っていいのだ”
悲しみは消えませんが、
希望という心の宝もまた、消えることはないのです