かなり前になりますが、ある家族を訪ね、
話を聞いた時のことです
その家の母親が小学生の娘のおてんばぶりに
手を焼いている、とこぼしていました
その発言に、同居する祖母が「昔のあなたに、そっくりよ」
と口を挟むと、母親は「もう！」と膨れっ面に
一家は笑いに包まれました
「ところがですね」
母親は、数日前にあった娘の参観日の話を始めます
家族への手紙を発表する授業で、
娘は家族の日常を紹介した後、こう言ったそうです
「お母さん、私を産んでくれてありがとう。
そして、私の大好きなお母さんを産んでくれた、
おばあちゃん、ありがとう」
母親は目の前のことで精いっぱいだった視野が広がり、
多くのことに感謝できる人間になろうと
決意したといいます
１０００年以上前、紀貫之は詠んでいます
「世の中に 思ひやれども 子を恋ふる
思ひにまさる 思ひなきかな」
わが子の幸せを願い、育む”愛情のリレー”は
世代から世代へ、百年、千年と引き継がれていく
そのバトンを手に力走する、
全ての母に感謝したいですね
