驚かれるかもしれませんが、
日本ほど童謡の新作が多く書かれ続けている国は、
他に見当たりません
海外の在留邦人が開くパーティーでのお開きは、
決まって「故郷」を歌います
心の奥底に響くポエジー(詩情)があって、
故郷を遠く離れた日本人にピッタリの歌だと思います
「春が来た」「朧月夜」「鯉のぼり」などは、
春を迎える季節にふさわしい歌です
最近は、アニメ主題歌などが子供達に流行っていますが、
ラップ調の、言葉のリズム遊びが多くなったように思います
語呂でリズム遊びをするのも悪くはありませんが、
それが半年や1年で目まぐるしく入れ替わっていくばかりでは、
童謡のポエジーが子供達から縁遠くなってしまうのではないか
と心配になります
欧米では、ピノキオの「星に願いを」や
白雪姫の「いつか王子様が」など、
何十年も前の挿入歌がジャズスタンダードになるなどして、
いまだに歌い継がれているのです
『赤い鳥』で童謡が誕生して100年を迎えようとする今、
世界に誇るべき日本の童謡文化を、
私達自身が見直していくべきではないでしょうか
そして皆で歌い継ぐ場を広げていきたいと、
私は切に願っています