福沢諭吉の『学問のすゝめ』は、
計300万部を超える明治のベストセラー
自由・独立・平等の新しい価値観が
人々の心を捉えたからですが、
もう一つの要因は、誰でも読める平易な言葉で
綴ったことにあります
福沢には、こんな逸話があります
最初の近代的国語辞書とされる『言海』を
編集した大槻文彦から、それを手渡された時のこと
福沢は感心した様子で手繰っていたが、
見出し語の並びが五十音順と気付くと、顔をしかめた
当時、小学校で五十音を教えて20年ほどたっていたが、
庶民の実生活では「いろは」が主流
福沢は”「いろは」を知らなければ、下足番もできない”と、
五十音教育を批判していたのです
実学、庶民のための教育を重んじた福沢らしいですね
高い理想も人の心に届かなければ意味がありません
分かりやすい表現で、
”自分の母親に話し掛けるような言葉で”が、
理想の例えだと思います