ルネサンスの巨人レオナルド・ダ・ビンチは、
人間が空を飛ぶことを夢見ていました
それは、精神の大いなる飛翔の願いでもあったと
いえるでしょう
いかなる逆境の風が吹こうが、それを上昇の力に
変えゆく人間の強靭さを、彼は信じていたのです
人間は元来、偉大な存在です
逆風を発条に飛翔する精神の力を
本然的に持っているからです
このダ・ビンチが書き残した有名な童話に、
「火打ち石」の話があります
───火打ち石に、いきなり あたまを
たたかれて、石は、かんかんに おこって
しまいました。
けれど、火打ち石は、にっこり
わらって いいました。
「がまん、がまん。がまんが 大せつ。
これが がまん できたら、
わたしは、あなたの、からだから、
すばらしい ものを ひき出して あげますよ。」
そう いわれて、石は きげんを なおし、
たたかれるのを じっと がまんしていました。
すると、からだから きれいな 火が、
ぱっと うまれたのです───。
その火が、見事に力を発揮して、
世の中の役に立っていったことは間違いありません
実に、示唆的な話です
人間は、思わぬ事に直面した時、
どう対応するかが大事になります
まさに挑戦と応戦です