北国の列車は、車内温度を保つため、
扉の内側と外側に開閉ボタンがあり、
利用客自身が開けて、乗り降りする仕組みになっている
場合があります
こんな心温まる話があります
車内で、ボタンの側に少女が立っていました
人が乗った後、少女は決まって閉ボタンを押す
そのたびに、扉に近い席に座るお婆さんが
「お嬢ちゃん、ありがとね」と言いました
そう、開けた扉は発車時刻まで自動では閉まらない
少女は”自分は平気でも、
お年寄りにはこたえるだろう”と思い、
お婆さんを寒風から守っていたのです
近所のお爺さんから、こんな話を聞いた
老人会の会場に杖をついて会場の玄関まで行き、
杖の先に付いた土を取ろうとした時のこと
運営役員の男性がタオルを持って、
駆け寄ってきたそうです
「私が代わりに拭き取ってもいいですか?」
お爺さんは弾んだ声で話してくれました
「あの心遣いの一言は嬉しかった。
杖は、私にとって『足』です。
杖要らずの若者が、ここまで私の気持ちを
察してくれるとは」
相手を気遣う、何気ない言葉や行動が、
「送る人」の思う以上に、「受ける人」の
喜びになる場合は多いものです
思うだけでは伝わりません
言葉や行動に表してこそ、と心に刻みたい