美術には人間の力を伸ばす可能性が
秘められている───
20世紀以降、こう考えられるようになりました
例えば、葛飾北斎の木版画「神奈川沖浪裏」
この躍動感を出すために、
北斎はどのような工夫をしていると思いますか
と人に聞いたところ、初めは殆ど手が挙がりません
しかし3分間かけて絵を見ると、
いろいろなことを見つけます
「波が富士山に覆い被さるような位置に
描かれているから」とか
「富士山を小さく描いているから波が大きく感じる」と、
パッと見ただけでは感じなかったこと、
理解できなかったことが次々と湧いてくるのです
鑑賞力が向上すれば、それまで感じられなかった
作品の良さが見えてくることもあるはず
鑑賞を通して、自分とは違う価値観の存在に気付き、
新しい価値観を築いていける
これも美術が持っている可能性の一つです
楽しみながら人間的に成長できる
これが美術鑑賞の魅力です
難しく考えず、肩の力を抜いて親しんでみてください