種から育てた野菜の多くは、毎年、同じ場所に植えると、
虫や病気に侵されて「連作障害」を起こします
植物は、自らは動くことはできませんが、
風に乗せたり、昆虫や動物にくっつけたりして、
”我が子”である種を未知の場所へ、
後継者として送り出します
人間の世界でも親と子には、遅かれ早かれ、
離れる時がやってきます
だからこそ親は、我が子がどのような環境に飛び込んでも、
使命の花を咲かせられるよう、
心を砕き、育て上げていくのです
あるお母さんの息子が、
就職で故郷を離れることになりました
母は息子に、1通の封筒を持たせたのです
「辛いことがあったら、これを開きなさい」
思春期の頃から親に反発し始め、
親の話にも聞く耳を持たなかった息子
それでも母は、いつか「時」が来ると信じたのです
数年後、人間関係に行き詰った息子が、
思い出したように手紙の封を切った
そこには、かつて、息子の病や
いじめを一緒に乗り越えてきた母の思いが
綴られていたのです
そして結びに「大丈夫」と
息子は立ち上がることができたのです
芽吹く時期も、成長する速さも、人によって違います
しかし、信じ、心の栄養を送り続ける人の存在があれば、
人は必ず伸びていきます
成長の種を心に持っているのです