私は「趣(おもむき)」という言葉が好きです
「趣のある中庭」「趣のある茶室」などと使います
もともと「おも」とは、想いや心のことをいい、
「心が向かう方向」という意味でした
趣とは、心が惹かれるような奥ゆかしさを
持っていることです
少しでもその場所に長くいたいとか、
心が落ち着くということでしょう
日本の美意識は押し付けるものではありません
全体の調和の中で、そこはかとなく感じるものです
例えば、茶室を考えてみると分かりやすいかもしれません
全体の部屋があり、窯やふくさなどの茶道具、
小さな空間に合うような絵、季節の草花を生ける
そんな全体の総和として
「趣」が出来上がっているのです
実はこれ、究極のおもてなしであり、
究極のホスピタリティーであると思います
「趣」という大和言葉を生んだ日本人
また、それを感じ取ってもらえる日本人に
なりたいものですね