朝顔は古くから日本人に好まれ、
親しまれてきた夏の花です
その名の通り、朝、花が開くという性質が
私達の生活リズムに合うところや、
青系統の色が多く、暑い時期に清涼感を
与えてくれることも関係しているのかもしれません
小学校の授業で育てたとか、栽培日記を書いた、
という方も多いのではないでしょうか
日本の朝顔が、観葉植物として
広く人気を博すようになったのは江戸時代のことでした
「朝顔につるべ取られてもらい水」───
この句も18世紀の俳人・加賀千代女が残したもの
戦のない時代が続き、花を楽しむ余裕が
人々に生まれたのかもしれません
朝顔が夏の家々を彩る花になった背景には、
江戸期に普及が始まった植木鉢の存在がありました
鉢植えなら運搬も可能で簡単
天秤棒で担いで売り歩く草花売りも現れました
植物が広く売り買いされるようになったのです
この頃の植木職人達が見い出した技術には
現代の園芸シーンでも使われているものが
数多くあるように、江戸時代は日本の園芸史においても
大きなエポックとなりました
当時の人々が植物に寄せた優しく熱い眼差しが、
朝顔のように今も愛される花を育て上げたのです