人には、他人に解釈できない言葉があります
しかし、それをそのまま使うことで、
ストレートに読み手の心に入っていくのです
だから、文章の長さに制限がないのであれば、
話し言葉をそのまま使う方が
いいのではないかと思っています
以前、法隆寺の修復をしている宮大工の棟梁の話を
聞く機会があり、その話しをもとめることにしました
「千年の木は、千年もたせなあきまへんで。
これがわしの宮大工の仕事でっせ」と、
全て大和弁なんです
この話にしても、
その時しゃべる棟梁の顔には、
何のてらいも気負いもありませんでした
こちらの視点で描写することもできます
でも、話し言葉を理解できるように整理しさえすれば、
余計な言葉は必要ないのです
これは、偉大な人の貴重な言葉だからというわけではなく、
近所の八百屋のおばちゃんの話にしても、
聞き書きの形で完成させられるのです